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念には念を

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 人間というものは、
「大義名分というものさえあれば、極端な話、何をしようとも、許される」
 と考える動物なのだといえるだろう。
 だから、
「道徳やモラル」
 というものをいくら勉強しても同じだというのだ。
「そんなものは、身体で覚えるもの」
 ということで、頭で覚えていても、結局は、さらに、それを逃れるための、
「悪知恵」
 というものをさらに考えようとすることで、
「どんどん、悪い方にはまり込んでいき、途中まで行ってしまえば、もう戻ることはできない」
 ということになるだろう。
 だから、ひき逃げにおいて、
「救護義務違反」
 であったり、
「通報義務違反」
 というものを怠ることになるのだ。
 それがどれほど思い罪なのかということが分からないといってもいいだろう。
 冷静に考えれば、
「今の時代であれば、簡単に逃げおおせるわけはない」
 ということくらい分かりそうなものだといってもいいだろう。
 何といっても、今の時代は、
「いたるところに防犯カメラ」
 というものが設置されている。
 しかも、ネットの普及ということで、
「WEBカメラ」
 というものがあり、
「防犯カメラを補っている」
 といってもいいだろう。
 さらには、最近では、
「煽り運転」
 ということから波及した、
「自分の身は自分で守らなければ、警察もあてにはならない」
 ということで、車の中に、
「ドライブレコーダーを設置する」
 というのが当たり前ということになっているのだ。
 それを思えば、
「ひき逃げをしても、どこに何が映っているか分からない」
 ということで、それこそ、昔であれば、
「壁に耳あり障子に目あり」
 ということで、
「逃げられない仕掛けになっている」
 ということであるが、これだって、そもそも、今までの犯罪者の所業から、
「いかに治安を維持するか?」
 ということから、工夫されたり、考えられてきたことだといえるのではないだろうか?
 それを考えると、
「ひき逃げというほど、割に合わない犯罪もない」
 ということだ。
 警察に容疑者を特定されてしまえば、そこから先は、
「自首ということはありえない」
 ということで、
「ただの、出頭」
 ということにしかならないのである。
 自首と出頭であれば、天と地ほどの違いがあり、自首の場合は、
「自分が悪いということで、後悔の念と、自責の念などから、反省ということでの自首になる」
 と判断してくれるが、
「出頭」
 であれば、
「これ以上逃げても仕方がない」
 という諦めからのものということで、
「少しでも、軽い罪に逃れよう」
 というあざとさからとしてしか、判断されないのだ。
 だから、
「出頭というのは、却って印象が悪い」
 ということもある。
「自首するつもりだったら、いつでもできた」
 ということだからである。
 本人は、そんなつもりはないのかも知れないが、世間からすれば、
「ひき逃げをするような凶悪犯」
 としてしか見ていないので、少しでも、
「保身に走っている」
 と思えば、
「情状酌量」
 などということを考えることはないといえるだろう。
 さらに、
「すぐに自首してこれない」
 ということであった場合に考えられるのが、
「その時飲酒であったり、下手をすれば、薬物接種をしていた」
 ということが考えられるからであった。
 当然、自首といっても、警察にいけば、
「飲酒チェック」
「薬物チェック」
 というのはされるはずだ。
「人を轢く」
 ということは、少なくとも、
「免許証を持っている人間」
 というのは、
「運転のプロ」
 ということなので、
「人身事故には、それなりの理由がある」
 と考えるのは当たり前のことである。
 ただ、
「飲酒運転」
 であったり、
「薬物を接種している」
 ということも悪質であるが、もう一つ悪質といえることとして、
「無免許運転」
 というものもある。
 それが、
「ただのうっかりから、不携帯だった」
 という場合もあるだろうが、もっとひどいのは、
「本当に無免許」
 ということで、
「一度も公安から、運転免許証の交付を受けた」
 ということがないという人である。
 これは、完全に悪質である。
 悪質なものは、なかなかなくなるわけではなく、どんどん増えていくという皮肉なことが、今の世の中だといってもいいだろう。

                 殺人事件

 そもそも、
「運転免許証を持っている」
 ということから、
「業務上過失」
 ということになっているのだから、
「免許がない」
 ということであれば、業務上でもなんでもない。
 当然、
「ただの過失」
 というわけもなく、罪状とすれば、
「殺人罪を適用するしかない」
 ということで、実際に、殺人と変わらない罪だといっても過言ではないだろう。
 もっとも、殺人としても、
「動機がない」
 ということでの、情状酌量がないとじゃ言えないだろうが、どこをどう見ても、
「悪質である」
 ということに変わりはないことから、
「その罪は大きい」
 ということになることで、
「実刑を食らう」
 ということになるべきだと考える人がほとんどではないだろうか?
 ただ、ひき逃げをしてしまう人の中で、いくらかのパターンはあるが、実際には、
「飲酒運転」
 というのが圧倒的ではないだろうか?
 特に。ここ10年以内の事件で、
「全国的な社会問題」
 ということで話題になった事件から、道交法が改正になり、
「飲酒運転による人身事故であれば、殺人罪が普通に適用される」
 というのが当たり前ということになっている。
 しかし、それが、
「抑止になればいい」
 ということであったが、相変わらず、
「飲酒運転」
 というものはなくなる傾向にはない。
 さらには、
「煽り運転」
 というものが、こちらの社会問題ということになってきているが、その煽り運転も、
「ドライブレコーダー」
 による、各々の運転手の自己防衛手段であったり、
「法律の改正」
 ということによる、
「犯罪の抑止」
 ということであっても、結果的に、
「煽り運転は相変わらずだ」
 ということになっている。
 さすがに、一時期のように、マスゴミが毎日のように、特集するほどのことはなくなったが、
「人の噂も七十五日」
 といわれたり、
「他でセンセーショナルな事件が起これば、そっちがホットなニュースということでのスクープになる」
 と、いつまでも、古い話題にばかり専念しているわけではない。
 それが、ジャーナリストというものなのだろうが、
「新しもの好き」
 という人間の習性というものも影響しているからなのか、
「あまりいい影響というわけではない」
 といえるだろう。
 交通事故や、死亡事故が、
「毎年減ってきている」
 ということであるが、
「よかった」
 といっていいものかどうか。そのあたりは正直分からない。
 ただ、
「飲酒運転による、家族がひき逃げされる」
 という凶悪事件であったり、
「煽り運転」
 などという、大事故につながりかねない問題が露呈してきた今の時代というのは、それこそ、
「殺人事件に匹敵する」
作品名:念には念を 作家名:森本晃次