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念には念を

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「仕事を離れれば、普段気を付けて売る緊張感までなくしてしまう」
 ということなのだあろうか?
 それこそ、本末転倒ということであり、
「トラブルの現認が溢れている外出先で、緊張を和らげる」
 ということは、それまでいくら気を付けていても、
「その努力が一瞬にして崩壊する」
 というのは当たり前のことである。
 それを考えると、
「世の中というのは、実にうまくいかない」
 というもので、問題は、
「気を抜く場面を間違えると、本末転倒の結果を招いてしまう」
 ということが分かっていないことだということであった。
「ちょっとした注意さえ、心がけることで、緊張感は持っていても、必要以上に気を張らなくてもいい」
 ということさえ分かれば、
「それに越したことはない」
 ということになるのを、どこまで理解できるかということなのであろう。
 普通に考えれば、
「飲みに来るのに、車を利用する」
 ということが間違いの元である。
 少し前から、
「飲酒運転」
 というものが社会問題となり、
「法律上でも、その罰則は、相当に厳しくなっている」
 といってもいいだろう。
 罰金もかなり上がり、それが、
「ひき逃げ」
 ということになれば、そのほとんどは、
「殺人罪」
 ということでの立件だといってもいいのではないだろうか?
 そもそも、
「飲酒をしているから、その場から逃げる」
 といってもいいのではないだろうか?
「普通の人身事故」
 であれば、ひき逃げのリスクを考えると、その行動は、まちまちといってもいいだろう。
 もちろん、
「相手が死んでしまっている」
 ということが分かった場合。
「不倫をしているカップルが、ひき逃げをしてしまった」
 ということで、
「お互いの立場をいかに擁護しようと考えるか?」
 ということが問題となるのであった。
 しかも、
「不倫ということを、悪いことだと意識しながらも、辞められない」
 と思っている人に限って、このような、
「予期せぬ事故」
 というものをえてして。引き起こしてしまうということになるのではないだろうか?
 そんな状況の中、
「加害者は、保身を考えると、逃げるしかない」
 ということになるのだ。
 それは、
「不倫相手のことを考えたから」
 と口では言っても、最終的には、
「ただ、自分の保身のため」
 ということになるのだろう。
 もし、
「相手のため」
 ということであれば、冷静な判断力があれば、その相手というのは、
「轢いてしまった相手」
 ということで、
「逃げた時点で、ひき逃げになってしまう」
 ということが分からないからだろう。
「普通の人身事故と、ひき逃げでは天と地ほどのさがある」
 といってもいい。
 もし、
「被害者が最終的に死んでしまった」
 ということであっても、故意ということでなければ、
「業務上過失致死」
 ということになる。
 もちろん、警察に通報したとしても、逮捕というのは免れないだろう。
 だから、
「保身に走る」
 ということも分からなくもないが、
「じゃあ、ひき逃げをした場合どうなるか?」
 という。
「もう一つの場合を考えたことがあるのだろうか?」
 ということである。
「ひき逃げ」
 というのは、その言葉を聞いただけで、普通であれば、
「卑怯だ」
 ということで、とらえ方によっては、
「極悪非道」
 とも聞こえるだろう。
 しかし、実際には、
「保身のため」
 と考えると、
「逃げた時点で、罪がグッと深くなる」
 と誰もが感じることであろう。
 ひき逃げさえしなければ、基本的井には、
「業務上過失致死」
 ということで、
「過失」
 ということなのだ。
 確かに、
「免許証を持っているという、運転資格のある人間が犯した過失なので、少し罪は重くなる」
 ということでの、
「業務上過失」
 ということになる。
 だが、
「過失」
 であっても、
「業務上過失」
 であっても、ちゃんと、その場で通報していれば、十分に情状酌量というものはあるだろう。
 何といっても、故意ではないからだ。
 しかし、それを、逃げてしまうと、
「逃げたということが故意だということで、罪が重くなるというのも分かるということではないだろうか?」
 というのは、ひき逃げの場合、あと大きくは、
「2つの罪」
 が加算されるといってもいいだろう。
 一つは、
「救護義務違反」
 というものである。
 実際に、
「死んだかどうか分からない」
 という場合は、
「もし、自分がやった事でなくとも、救護すれば助かるかも知れない人を見捨ててしまえば、救護義務違反になる」
 ということである。
 要するに、
「見殺しにした」
 というわけだ。
「目撃者がいて、その人が自分には関係ないということで通報しなかったことで、実際に死んでしまった」
 ということが分かれば、被害者家族は、本当にやりきれないだろう。
「誰でもいいから、通報さえしてくれれば、死なずに済んだのに」
 ということになるのだ。
 まるで、
「苛めをしているわけではないのに、傍観していた連中と同じだ」
 ということで、傍観者からすれば、
「止めたりチクれば、今度は自分がターゲットになる」
 ということで、彼らにとっては、それなりの言い分というものもあるのだろうが、
「俺たちだって、必至なんだ」
 ということで、
「虐められるやつが悪いんじゃないか?」
 と思うに違いない。
 それを考えると、
「負のスパイラル」
 というべきか、それとも、
「いたちごっこ」
 といっていいのか、
「一つの歯車が狂ってしまうと、修復するのは、至難の業だ」
 ということになるのだろう。
 ひき逃げをするということは、
「助かったかも知れない命を、自分の保身のために、見殺しにしてしまった」
 ということで、
「ひき逃げ」
 という犯罪で、
「一番卑劣な行為」
 といってもいいだろう。
 そして、もう一つは、
「警察への通報義務違反」
 ということだ。
 普通、人身事故というものを起こせば、しなければいけないことというのは、まずは、
「救急車の手配」
 ということであり、その次には、
「警察への通報だ」
 ということは、誰にでも分かることである。
 これは、
「免許を持っている。持っていない」
 ということにかかわらず、
「人間であれば、普通に思いつく」
 ということであり、それを怠るというのは、
「気が動転していた」
 ということであったり、
「忘れていた」
 というのは、通用しないのだ。
「もし、自分が逆の立場だったら」
 と考えただけで、反射的に分かるのが人間ではないだろうか?
 動物の中で、
「頭で考えて、最良の判断ができる」
 という動物は人間しかいないのだ。
 それだけ、状況判断をするための、視界を狭めるということに長けているといってもいいだろう。
 しかし、それができない人間もいるということで、そこは、結局、
「保身を考えてしまうと、それが最優先となり、自分は悪くない」
 と思ってしまうだろう。
「自分が悪くない」
 と考えてしまうと、
「保身ということに対しての、大義名分を持てる」
 と思い込む。
作品名:念には念を 作家名:森本晃次