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表裏別離殺人事件

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 ということであった。
 もっといえば、
「どこもかしこも、似たような立て方で、まるで、都心部の公団住宅、つまりは、団地のようなものだ」
 といってもいいだろう。
 どの部屋も判で押したような部屋で、考えてみれば、今の、
「マンションとも同じはずなのだが、アパートや団地、それにマンションとでは、まったく違ったもののように言える」
 しかし、それが、
「ホテルということにあると、部屋ごとに置いてあるものが違ったり、価格が違うというだけでも、高級感が溢れる」
 というものであった。
「だから、今は、団地やアパートというのがどんどん減ってきていて、新しく立ち並ぶ」
 ということはありえないといってもいいだろう。
 マンションは、どんどん建っているのだが、アパートなどはm
「需要がない」
 ということなのか、建てようとする人もいない。
 団地は、
「公団」
 というだけ、
「税金がらみということにもなるので、簡単にたくさん作るということにもいかない」
 ということであろう。
 だから、
「古臭い、昔からあるようなラブホテルはmどんどん減って行っている」
 とはいえ、一時期のような、
「シティホテルのようなしゃれたホテルが立ち並んでいた時代とは違い、今では、
「新しく建てる」
 ということもなくなってきたのだろう。
 風俗店、特にソープというものは、風営法で、
「新規参入はできない」
 ということで、
「実際に店を経営している人が、経営から撤退したソープの後に、別館のような形で入る」
 ということであれば問題はない。
 もし、
「コンセプトが違う」
 ということで、大々的な改装工事というのであれば、
「風営法違反」
 ということになるだろう。
 つまりは、
「いくらコンセプトが違うといっても、立て直しになるような、
「風呂場の浴槽の位置が変わっている」
 というようなことは、許されないというのだった。
 それだけ、
「ソープのような風俗業界においては、いずれはすたれていくものだ」
 ということを当たり前の風習として、受け入れるように後進にどのように説明をすればいいのかということである。
 昔のように、今の風俗というのは、
「借金」
 であったり、
「やくざの資金源」
 ということであるような状態ではなく、
「女の子が、自分から職業として選ぶという職業である」
 というのに、
「何をいまさら、風俗について、あれこれ問題視しなければいけないのか?」
 ということである。
 風俗業界というものを、どうしても、差別的な、特に、
「今の時代であれば、
「女性蔑視」
 あるいは、
「女性差別」
 というものになるのではないだろうか?
 確かに、性風俗というものを、
「後ろめたい目で見るというのは、
「男性であっても、女性であっても同じことである」
 ということであるが、
「男性が女性に対していうこと」
 と、
「女性が男性に対していうことであれば、元々の差別が思い出されるというものであるが、それを今の時代では、
「女性も男性においても、差別的な発言をしているということに、男女どちらの見方もできないということになるのではないだろうか?」
 このホテルで死体が発見された顛末というのはこうであった。これは、担当刑事が、ホテルの受付の人と、オーナーとをホテルのロビーで聞き取りをしていた時の話だった。
 このホテルの「ロビー」
 といっても。
「ただの狭い、待合室に毛が生えたほどだ」
 といってもいいだろう。
「昔の警察の取調室とどっこいではないか?」
 と、年配の刑事は、そう考え、苦笑いをするのだった。
「どうやって、死体を発見されたんですか?」
 と刑事が聞くと、
「はい、問題のお部屋は、305号室なんですが、その部屋は、ちょうど、フロントがあるところの真上に当たるところで、フロンとの真上が、2055号室になり、その上ということになります」
 ということであった。
「このホテルは、エレベーターを中心にして、
折りでから、
「奥に三部屋、手前に3部屋があるんですよ。部屋の同数は、アパートやマンションなどと同じで、末尾に4のつく数字はm部屋に使いません。
 だから、
「301号室から、303号室」
 が手前、そして、奥は、
「305号室から、307号室までが奥の部屋」
 ということになるということであった、
 だから、死体の見つかった
「305号室というのは、エレベーターを降りてから、すぐの部屋ということになる」
 ということであった。
「ご存じのように、ラブホテルですから、部屋から出るには、一度フロントを通さなければ出れない仕掛けになっています。
「フロントから、主導ロックがかかるようになっていて、基本的には、自動ロックで、
「部屋を出る」
 という行為をする時に、フロントから、手動で開けるということになるのであった。
 その話は、最初から分かっていたことではあったが、改まって聴かされると、
「当たり前のこと」
 と思えるだけに、次第に不可思議な気分になってくるのであった。
「305号室から出ようとすると、部屋から、内線でフロントに電話を入れ、
「今から出ます」
 というような内示を入れ、例えば、冷蔵庫などで何かを飲んだために、清算が必要だったりすれば、
「値段を言って、フロントに来るように話をする」
 ということであった。
 昔であれば、生産には、
「エアシューターなどを使っていた」
 という、
 それは、
「ホテルの人に顔を見られたくない」
 という人のために考えたことで、
「ホテルのスタッフも、なるべく客とは顔を合わせたくないということであろう。
 それを考えると、
「ホテルというのは、基本的に、客と顔を合わせないように、フロントでも、窓口は狭く、まるで、病院の薬剤部や、受付のような感覚になるといってもいいだろう:
 ということであった。
 ホテルというのが、
「客と顔を合わせない」
 ということなので、
「風俗店でも同じことで、客と客が、通路で顔を合わせないようにするということも行われている」
 特に、
「通路で、客と女の子が顔を合わせたとして、それが、その女の子の馴染みの子だったりすると、これほどばつが悪いということもないだろう」
「普段であれば、通路で遭った子を指名しているのに、今日はたまたま、他の子が空いていたということで指名した」
 ということであれば、少ししこりが残るだろう。
 もっとも、
「その子を指名しようとすると、すでに他の客に指名されていた」
 ということもあるわけで、
「それでも、厄介だ」
 ということになるだろう。
 そもそも、
「通路で顔さえ合わせなければ、別に気まずいことになるわけではないということであろう」
 実際には、今度はその子を指名しにくくなるわけで、
「馴染みの子を指名できないくらいだったら、他の店に行く」
 ということは普通にある。
 どうして、このようなことになったのかというと、
「通路で、鉢合わせなどということになりさえしなければ、問題が起こらずに済んだ」
 ということであった。
作品名:表裏別離殺人事件 作家名:森本晃次