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表裏別離殺人事件

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 なのだから、そういうことは普通にできるだろう。
 しかし、デリヘルというのは、
「ラブホテルの部屋を借りている」
 ということなので、
「事前に何かをセットしておく」
 ということはできない。
 しかも、部屋は、客側が用意して待っているわけだ。いくら、
「禁止事項」
 といっても、
「やるやつはやる」
 ということになるだろう、
 それでも、なぜ、給料が店舗型に比べて、バカ高いわけではないのに、リスクを押してまで、デリヘルのするというのか?」
 正直、その考えが分からないのであった。
 デリヘルというのも、
「リスクばかりをクローズアップしてしまう」
 とキリがないということになるだろう。
 ソープのような店舗型であっても、
「まったく危機がない」
 というわけではない。
 ただ、
「デリヘルよりも、リスクという意味でいけばかなりの差がある」
 ということで、それが、
「天と地ほどの違い」
 といっても過言ではないだろう。
 そんなデリヘルであったり、ソープなどといわれる、
「特殊性風俗」
 と呼ばれるものは、法律もしっかりしていないといけないということなのであろう。
 今回、被害者になった人は、
「デリヘル嬢」
 ということで、
「ラブホテルにデリバリーされた女の子」
 だったのだ。
 その女の子は、
「サービスが終われば、スマホを使って、会社に連絡を入れたり」
 あるいは、
「送迎の社員に連絡を入れ」
「今から出る」
 ということを伝えることで、
「危険回避」
 ということになるだろう。
 しかし、今回の事件の被害者は、部屋で、サービス終了後、客からお金をもらった時、
「サービス終了」
 を運転手に伝え、運転手が、事務所に、
「○○さん、サービス終わりましたので、今から、帰社します」
 ということを報告するのだ。
 実際には、そこまでは行われていた。
「だから、運転手は、女の子がホテルの部屋から出てくる」
 ということを待っているだけだったのだ。
 しかし、運転手とすれば、
「5分経っても、10分経っても出てくる様子はない」
 客は、
「そのまま下手に残る」
 というパターン。
 あるいは、
「一緒にチェックアウトして、表で、女の子だけが送迎の車に乗りこむ」
 というパターンで、どちらにしても、
「数分で終わること」
 であった。
 運転手も、
「これはおかしい」
 ということで、10分経ったところで、運転手は折り返し、女の子のスマホに電話を入れた。
 すると相手が応答することはなく、
「これはいよいよおかしい」
 ということになったのだ。
 急いで、事務所に事の次第を伝え、事務所の指示で、歩手Tるのフロントに報告し、対応してもらうようにしたのだった。

                 ホテルの部屋の死体

 ホテルで、
「人が死んでいる」
 ということが警察に通報されたのは、午後9時を過ぎたあたりだった。
 今回死んだ女の子は、デリヘルでも、結構人気の女の子ということであった。
 デリヘルにその子が入ったのは、時間としては、
「午後7時頃だった」
 ということなので、お客の女の子の。
「拘束時間」
 としては、平均的ということではないだろうか?
 約2時間ということで、シャワーの時間、会話の時間などを含めると、時間的にはちょうどいいくらいではないだろうか。
 しかし、デリヘルに限らず、風俗をよく利用している人にいわせると、
「女の子と一緒にいれば、2時間でも、あっという間の気がするから不思議なんだよな」
 ということであった。
 ソープなどでも、
「マットコースとなると、60分コースからで、マットもベッドも一緒ということになると、100分コース以上からが望ましい」
 といわれている。
 実際に、
「店ではそれを必須としているところもあって、逆に客が迷うことはないので、ありがたい」
 といってもいいだろう。
 このホテルは、名前を、
「エレガント」
 という名前であるが、名前のように、豪華絢爛の店ではなく、もう建て替えてから、30年以上が経っているというような気がするくらいの、旅館であれば、
「老舗」
 といってもいいだろう。
 しかし、これがラブホテルになると、
「さびれていればいるほど、まさに、見た目通りだ」
 といっていいだろう。
 ワンフロアに6部屋があり、2階から5階までが、客室ということで、ちょうど、24部屋ということであった。
 シティホテルのようなところであれば、部屋のランクがそれぞれあって、部屋によっては、
「マッサージ器」
 がついていたり、
「カラオケができる」
 という部屋があったり、バスルームには、
「サウナがついている」
 というところもあるようだ。
 しかし、今回の、
「ホテル・エレガンス」
 というところは、そんな部屋によってランクが分かれているというわけではないので、ホテルのランクとすれば、やはり、
「いかがわしい」
 というレベルの、
「本当のラブホテル」
 といってもいいだろう。
 実際に、デリヘル嬢の人気でも、このホテルは、最低ランクに入っていて、
「ホテル・エレガンス」
 を指定してくる客は、ろくな客ではないので、
「なるべくなら行きたくない」
 ということであった。
 だから、しかも、駐車場が、ロビーの前にあり、目の前が、ホテル街に面した、
「狭い路地」
 ということで、そこで送迎の運転手が待っていると、歩いている人から丸見えで、なるべくなら、
「このホテルを指名しないでほしい」
 というのは、女の子だけではないということであった。
 このホテルにおいては、今はもう知っている人は少なくなったが、
「まだ、このホテルが立て直しをする前だから、昭和の頃だっただろうが、
「自殺者がいた」
 ということで有名になったという。
 もちろん、店のオーナーは、それくらいにことは知っていたが、他のスタッフや、まだ若い人は知らないだろう、
 もし、知っているという人がいれば、それこそ、
「40代後半くらいの中高年と呼ばれる人ではないだろうか?」
 ということであった。
 だから、
「ホテル・エレガンス」
 で、殺人事件があった。
 ということを聴くと、
「30年前の自殺した女性がいた」
 という事件を思い出す人もきっといるだろう。
 ただ、思いは人それぞれで、その時に、
「自分がいくつだったのか?」
 ということを考えれば分かるというものであった。
 もちろん、
「自殺者が出た」
 ということで、薄気味悪いので、
「ホテルを畳む」
 という話も出たということであったが、さすがに、従業員のことを考えると、いきなり閉鎖はまずいということで、
「ちょうど老朽化もしていた」
 ということで、立て直しで肩が空いたということであった。
 このホテルは、立て直しの前は、いかにも、
「モーテル」
 という感じのところで、都心部であれば、ネオンサインが激しいのだろうが、こんなホテル街ということであれば、
「紫色の目立たない色で、しかも、青と赤のコントラストが、ホテルを妖艶な雰囲気に醸し出すのであった」
 その頃は、まわりのホテルも、
「似たり寄ったり」
作品名:表裏別離殺人事件 作家名:森本晃次