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表裏別離殺人事件

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「完璧ということは、この世にはありえない」
 という発想になるだろう。
 もっとも、
「整数で割った場合」
 という制限があってのことなので、
「すべてにいえることではない」
 ということになるのであろう。
 確かに、ソープのような仕事は、
「市民権」
 というものを得ている。
 そこから、いろいろ風営法も確立していき、そこから、ハコヘルであったり、デリヘル。さらには、キャバクラなど、ランクの違いこそあれ、性風俗の派生業界が出てきたということで、それらの業界も、
「風営法に基づいた市民権を得ている」
 といってもいいだろう。
 そう考えると、問題はそれを利用する客側である。
 中には、
「とんでもない勘違い野郎」
 というものがいる。
「金を出しているんだから、女の子は商品と一緒に、客のいうことは聞かなければいけない」
 と考えている輩である。
 店の決めたルールを平気で破るやつ。
「本番行為や、行為の強要を禁止」
「盗撮の禁止」
「連絡先の交換」
 などというのは、個人間の交渉で何とかなるとでも思っているのだろう。
 そういう輩は、
「高い金を払っているんだから、金で買った相手には権利がない」
 などという、まるで奴隷売買とでも思っているのか、そもそも、
「高い金を払って、女の子に強要して何が楽しいのか?」
 ということである。
 たいていの利用者は、
「疑似恋愛だと分かっていても、時間をお金で買う」
 と思っているので、欲しいものは、
「癒し」
 なのだ。
 それを分かっていないことで、相手を不快にし、それこそ、独占欲しか相手に感じなくなってしまうと、それこそ、
「犯罪者の心理」
 といってもいいだろう。
 ただ。風俗嬢の中にも、
「お金さえもらえたら」
 という女の子もいて、店が決めたルールを、
「ここだけの話」
 ということで平気で破る人もいる。
「私だけね」
 と念を押したとしても、ルール違反を言い出すやつに、そんなことが通用するわけはない。
 ということで、
「ここだけの話」
 が通用するわけもなく、
「どの女の子にも通用する」
 と勘違いをし、いや、
「それは勘違いではなく、自分にとって都合のいい解釈でしかない」
 ということを分かっていないということだろう。
 それを考えると、
「勘違いをするのは男だけではなく、女の子にもいる」
 ということで。さらには、
「男の場合は勘違いではなく、あくまでも、自分勝手な津道の言い解釈ということでしかない」
 ということになるのだろう。
 そんな連中がいることで、
「店の決めたルールを守らない、客も女の子も後を絶えない」
 ということになるのだ。
 ただ、当然のことながら、
「ルールをきちっと守っている人もいる」
 そんな人は、
「自分の目標がハッキリしていて、働いている意義を感じることができるから、目標に向かって進むには、決して無理をしてはいけない」
 ということが分かっている。
 しかし、
「ただ、お金がほしい」
 という人は、それこそ、
「お金の亡者」
 のようになってしまい、目標が見えていないので、
「お金がいくらあってもいい」
 と思うようになると、その欲はとどまるところを知らない。
 結局、
「お金が手に入れば手に入るほど、どんどんと不安が募ってくるということになるのではないだろうか?」
 それこそ、
「不安への無限ループ」
 ということでの、
「負のスパイラル」
 といってもいいのではないだろうか?

                 誰にも遭わない

 今までは、警察側の初動捜査について考えたが、犯人側、特に実行犯のことを考えてみることにしよう。
 この事件は、実は、
「実行犯は、つかさに嫉妬していた」
 といってもいい。
 もっといえば、
「つかさの正義感」
 というか、
「完全懲悪ぶっているように見える」
 ということが、自分の中で許せなかったのだ。
「そんなことで、人を殺す?」
 といってしまえばそうなのだろうが、実は、つかさという女に、いろいろマズいと思われる秘密を握られた組織。
 この業界で店を経営していくうえで、
「つかさに生きていられると困る」
 と感じた連中が、
「実行犯をけしかけて、殺しにかかった」
 ということであった。
 そのことを、今のところ知っている人はいないが、
「何となく、胸騒ぎレベルで感じている」
 という人がいないわけではなかった。
 差し当たって、この計画は、組織としては、
「警察には、自分たちが計画したシナリオに沿って、捜査が進む」
 ということを、
「期待して」
 いや、
「進んでくれなければ困る」
 ということで考えていたのだが、結果としては、
「やはり、そこが大きなターニングポイントだった」
 ということである。
 犯行グループが、実行犯にキーになる話を一つしたのだった。
 元々、犯罪計画に関しては、実行犯の、
「耳にタコができる」
 というくらいに、徹底していたので、実行犯も、しっかり把握していた。
 そもそも、組織としては、
「実行犯には、洗脳されやすい人物」
 ということで、選定したのだった。
 この計画は、実は、結構前から計画されていて、
「つかさを殺す」
 ということが決定してから、実際に実行されるまでに、半年近くがかかったということだ。
 その間に、
「入念な計画」
 というものが寝られ、それに対しての、
「キャストの人選」
 さらに、シナリオも入念にチェックされ、
「もし、万が一ということがあった時、どこで見極めて、復旧作業に入るか?」
 ということまで考えられていた。
 計画遂行のスタッフ」
 である、
「シナリオライター」
「演出家」
 などと呼ばれる人は、
「いろいろな業界でのプロ」
 と呼ばれていた人たちだった。
「医学や精神関係に従事してきた」
 という人は、
「洗脳であったり、そこから計画の骨子」
 を組み立て、
「システム関係に従事してきた」
 という人は、
「万が一の時、どこで辞め、原状回復ということを行うか」
 ということを入念に計画して、
「選定された実行犯であったり、援助するというキャストに教え込む」
 ということになるのだ。
 だから、今回の計画に関しては、
「複数犯」
 というか、
「団体による犯罪計画だった」
 ということになるのだ。
 その中で、キーとなるのが、
「誰にも遭わない」
 ということであった。
 そこには二つの意味があり、
「自分たちと関係のない人とも会わない」
 ということは、計画を遂行するうえで大切なことだった。
 それは、まわりのエキストラたちが、そちらの計画遂行にまい進しているので、
「もし、誰かにあったとすれば、それは、計画の中止を意味している」
 ということになるのだ。
 しかも、それを実行するうえで、
「エキストラとの協力が不可欠」
 ということで、計画が、狂いなく進んでいっているとすれば、
「実行犯が、誰とも会うことはない」
 ということになるのだった。
 つまり、
「誰か、予定にない人と遭うという場合は、計画の中止を意味している」
 ということになるのだった。
 実際の計画の中には、
作品名:表裏別離殺人事件 作家名:森本晃次