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真実探求

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「雑誌が売れない」
 ということだったのだ。
 どんなに興味が湧くことを書いても、雑誌が売れないのであれば、出版社としても、困ったものだ。
 その原因というのは、出版社界において、売れるところは、
「その道にかけては、他に負けない」
 というものを持っているところであった。
 つまり、
「二番煎じでは売れない」
 ということであり、昔のように、
「ライバル会社」
 として、ゴシップネタで売っている出版社が、鎬を削るなどという時代ではなくなってきたということであろう。
 つまり、
「ナンバーワンが決まってしまえば、ナンバーツーも、どん尻も同じことだ」
 というものである。
 つまり、
「オールオアナッシング」
 満点でなければ、零点と変わりはないということであり、ライバルがいないかわりに、ナンバーワンが決定するまでが勝負ということだ。
 しかし、この優駿出版社というところは、それを分かっているのかいないのか、ゴシップ界では、すでにナンバーワンの会社がいるのに、その会社に対して敢然と挑戦していたのだ。
「どんな内容のゴシップであってもいい」
 というのが、社長の方針で、
「そもそも、こだわりを持っているから、ナンバーワンの相手に勝てないんだ」
 ということであった。
 ここの社長の考えは、
「出版業界というのが、ナンバーワンでなければいけないというのは迷信だ」
 ということで、その都市伝説については理解はしているが、そのうえで、
「なぜ、そうなってしまうのか?」
 ということを考えているのだった。
 そこでたどり着いた考えとしては、
「出版社は、こうでなければいけない」
 という、
「固定観念を捨て去らなければいけない」
 というのが、優駿出版の社長の考えであった。
 つまり、
「下手なプライドなんかいらない。なりふり構わず、なんでもやるということが大切なんだ」
 ということであった。
「なんでもやる」
 という勇気がないから、すぐにあきらめてしまい、追い付けないと勝手に思い込むことが、自分の成長を妨げていると考えるのだった。
 つまり、
「覚悟」
 というものが必要で、その覚悟というものは、
「体裁を繕っている間は、何もできない」
 ということになるのだろう。
 以前は、ライバルがしのぎを削ったもので、それこそ、
「囲み取材」
 などというものが横行していたではないか。
 その弊害も確かにあった。
 何といっても、昭和の末期くらいから、囲み取材の中に、暴漢が入り込んで、取材を受けている人を殺害するということがあり、それをそのつもりはなかったのに、まるで放送事故のような殺害現場が、生放送として、全国に放送されるということがあったではないか。
 ひょっとすると、
「囲み取材がなくなってきたのは、そんな事件を防ぐため」
 ということで、取材を受ける方も、取材をする方も、自粛から、実際に囲み取材への危機感が次第に高まっていき、
「囲み取材をしない」
 するとしても、
「最初からシナリオを作ったうえで」
 という、まるで、
「出来レース」
 のような形、あるいは、
「国会中継」
 のような、わざとらしさを演出することで、混乱を避けるということに徹したのかも知れない。
 そのために、
「あまりたくさんの取材陣が殺到しないようにしないといけない」
 と考えるようになり、その一番の方法とすれば、
「取材できる出版社を、できるだけ制限する」
 ということだ。
 そのため、
「裏の組織」
 というものが存在し、彼らによって、
「ナンバーワンが決定すれば、それ以上を生まないようにする」
 という方法が、水面下で進められるようになったのではないだろうか?
 それを、極秘裏に行うことで、まるで、
「今までにもあったかのように自然と、業界の常識」
 として芽生えさせるというものである。
 そんな、
「世の中の常識を作為的に作り上げる」
 という組織があっても、おかしくはない。
 実際に、
「気が付けば、さりげなく、業界の常識が変わっていた」
 ということは、当たり前のようにあったではないか。
 それを皆からの常識として、
「長い年月ということを理由にして、自然に変わっていったことを、罪悪ではない」
 という形にしてしまうことのプロが存在していれば、
「それこそが洗脳ではないか?」
 ということになり、考え方として、
「なるほど、新興宗教というものは、定期的に生まれてきて、問題を起こしては、しばらく鳴りを潜め、まだある時期が来れば、違う形で復活するんだ」
 と考えれば、その組織というのが、形を変えて、
「新興宗教」
 ということで、世の中に根付いているとして、あれだけ時代ごとに、
「大問題となって、最後は社会的に抹殺される」
 ということになるが、
「またしばらくして、ほとぼりがさめれば、性懲りもなく、湧いて出る」
 ということになるのだ。
 もっといえば、
「テロ組織」
 と呼ばれ、
「世界で一番安全で、治安がいい」
 と言われた東京を、
「迷信だ」
 と言わしめた、
「鉄道毒ガステロ」
 と言われた事件があったではないか。
 三十年近くが経った今でも、その後遺症に悩まされている人がいる中で、その正体が、
「新興宗教」
 によるもので、今では、その首謀者のほとんどは、
「処刑された」
 ということで、一応の段落を踏まえ、
「過去の事件」
 ということになった。
 しかし、確かにその時の新興宗教というのは、すでに、
「過去のもの」
 ということであるが、実際に似たような宗教団体というものは、それこそ、
「性懲りもなく湧いて出る」 
 というものであった。
 特に、最近では、
「政府の要人に取り入り、悪徳宗教と分かっていて、ずっと結びついていた」
 ということで問題になっているところがある。
 それは、
「元ソーリ暗殺事件」
 というものを調査しているうえで、クローズアップされたものだ。
 暗殺を、
「政治がらみのもの」
 という、
「テロ行為」
 だと思っていたが、犯人の告白から、動機は、
「元ソーリが、その宗教とかかわりがあり、その宗教団体のせいで、自分の家族が破壊されてしまった」
 ということからの復讐だったということである。
 実際のことは分からないが、犯人がそういう供述をしたことで、その宗教団体が、俄然クローズアップされたということである。
 もっとも、この団体は、この事件をきっかえに、大きな問題となったが、実際には、ずっと以前から、
「警察や、公安からマークされる団体」
 ということであった。
 特に、
「入信させた人と、その家族を引き裂く」
 という、宗教団体としては、
「ありがちな内容」
 ということであるが、その手口として、高価なツボを買わせるなどの、金銭的なものだっただけに、それは露骨な問題だった。
 つまり、昔から言われていた問題であり、それは一部の人の問題でしかなかったものが、湧いて出た時期が、ちょうど、
「宗教団体が問題になるタイミングの周期だった」
 ということで、
「本当は、昔から水面下で騒がれていることが周期的に表に出るだけで、絶えず問題が消えることはない」
作品名:真実探求 作家名:森本晃次