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真実探求

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 というものからきているのか、それとも、
「育った環境によって、このような性格になった」
 ということなのか?
 皆、そのことを頭の中に抱きながら、
「こんな勧善懲悪な性格は。この俺だけなんだ」
 と考えているに違いない。
 やよいというのは、そんな殺された次男が、
「気に入った女」
 だったのだ。
 彼女も、風俗で仕事をしていたが、話が合うというのか、少なくとも、
「三郎が嫌がるということはしたくない」
 と思っていたのだ。
 ちなみに、三郎は、
「次男」
 ということであるが、上には兄なので、
「男兄弟としても、男女混合の兄弟としても2番目なのに、どうして三郎と名付けたのか?」
 ということであるが、他の兄弟は、そのことにこだわった人は誰もいなかったが、三郎本人は気にしていた。
 それで、父親に一度聞きに行ったことがあったのだが、その時父親は、ニコッと笑って、「今に分かるさ」
 というので
「今というと?」
 と三郎が訊ねると、
「そうだな、わしが死ぬ時だな」
 というので。
「何をお戯れを」
 といって、三郎も笑ったが、確かに、その答えは、遺言書の中にあったのだ。
 つまりは、そのご落胤というのが、
「二番目に生まれた隠し子というのが、本当は次郎となるはずだったから」
 ということだったのだ。
 だから、
「ご落胤には、本当は、二郎としたかったのだが、わざと、次郎ということにした」
 ということが、遺言書に添えられて書かれていたのだ。
 探偵が実際に、
「次郎」
 を調べたが、どうやら、遺言書に載っている母親というのは、すでに死んでいるということが判明しているということだった。
 考えてみれば、
「母親が死んだということが確定している状態でなければ、母親に遺産の幾分か分与があってもいいだろう」
 ということである。
 それこそ、ミステリー小説の中にあるような、
「血で血を洗う遺産相続による殺人事件」
 というものを想像したということであれば、
「この遺言書というものも、たいがいなものである」
 といってもいいだろう。
 それを考えると、
「今回に殺人事件」
 というものが、
「本当に遺産相続によるものだ」
 ということであれば、警察としても、あまり気分のいいものではない。
 何しろ、
「警察官として、限られた給料で、命を張って、警察官という職務を全うしているのに、やつらは、何もしなくても、多額の遺産が相続できるんだ」
 ということで、
「これほど、うらやましいということはないだろう」
 と思わせる。
「金が欲しい」
 というような露骨なものではないが、
「どうして、やつらのような連中のために、国民の税金を使って、俺たちが動かないといけないんだ」
 という思いだったからだ。
「勝手に、殺し合えばいいじゃないか?」
 と、口には出さないが、感じている人も少なくないだろう。
 それこそ、
「無能な政治家の近辺警護をしているSPと呼ばれる連中に、どういう気持ちなのかというのを聞いてみたいものだ」
 という感覚であった。
 だから、この事件に関して、容疑者として逮捕されたやよいは、不可思議な心境になっていたことだろう。
 警察の方は、
「明らかにやる気がない」
 というか、
「まったく乗り気ではなく、それ以上に、憤りを感じている」
 ということが分かっているので、
「警察の取り調べが、明らかに、嫌気がさしているのが分かる」
 ということだ。
「こんな事件、早く終わらせたい」
 という気持ちが明らかで、
もっといえば、
「犯人がどうなろうと関係ない。起訴にさえ持ち込めばそれでいい」
 と思っていることだろう。
 もしくは、
「証拠不十分」
 ということで釈放するということでもいいと思っている。
 とにかく、
「迷宮入りだろうが何だろうが、かかわりたくない」
 と思っているのだ。
 やりがいのある捜査であれば、
「捜査本部の意向」
 というものを元に捜査をするのが仕事だということで、頑張ることもできるが、
「金持ちの道楽」
 のようなものから始まった事件、
「胸糞悪いと心の中で、どれだけの人が考えているというのだろうか?」
 と考えてしまうのである。
 だが、
「公務員」
 である以上、そんなことを顔に出すわけにもいかない。
 そうなると、
「捕まった容疑者に、その憤りをぶつける」
 ということしかできないというのが、分かっているというものだ。
 だからこそ、捕まった彼女も、
「黙秘権」
 というものを、
「辛い」
 とまで感じなかったのだ。
「相手も、憤りを感じている」
 と思うと、
「私は耐えられるかも知れない」
 と感じたのだ。
 今回の事件において、防犯カメラが、決めてとなったのだが、最初はその防犯カメラによって、
「犯人は男だ」
 と思わせようというのが、犯人側の作戦だったとすれば、それは、とんだ計算違いだったといってもいいかも知れない。
 警察が、
「そんなこざかしい作戦に引っかかるとでも思ったのか?」
 と言われればそれまでだが、やってみる価値はあると考えたのかも知れない。
 それだけ、犯人側は、
「別に捕まってもいい」
 と思っていたのだとすれば、目的は完遂できたということで、そもそも、死を選ぶつもりだったのかも知れない。
 しかも、
「容疑者が、まだ起訴もされていない時点で、勾留中に自殺をした」
 ということになると、大きな問題だ。
「やっぱり犯人で、逃れられないと思って自害した」
 と思ってくれればいいが、
「本当は犯人でもないのに、追い詰められたことで、自殺してしまった」
 ということであれば、これこそ大問題だ。
「この事件をどう見るか?」
 ということで、警察側も、それを報道するマスゴミ側にも、いろいろと大変なことになるだろう。
 だから、最初はこの事実を警察側は、必死に隠蔽しようと考えた。
 かん口令も敷いていたし、幸いなことに、この事件自体が、世間を騒がせるようなものではなかったので、普通に、
「被疑者死亡ということでの書類送検」
 ということにしてしまえば、何とかなるはずだった。
 しかし、それを、すっぱ抜くジャーナリストがいて、警察は戸惑ってしまった。それを世間は、どう受け止めるというのだろうか?

                 マスゴミと裏組織

 優駿出版という出版社に、雑誌「芸旬」
 という週刊誌があるが、その出版社は、元々競馬関係の記事が多かったことで、出版社をこの名前にしたのだが、今では、いろいろなところに手を伸ばし、出版業界でも、あまりいいウワサを聴かないところであったのだ。
 芸能界のゴシップであったり、政界をえぐる記事も多く、
「どこまで信憑性のある生地なのか?」
 ということが話題にはなったが、
「そもそも読者は、真実よりも、話題性を好む」
 ということで、あくまでも、
「興味を引くこと」
 というものを、
「面白おかしく報じる」
 ということに徹していた。
 以前は、こういう雑誌社も多かったが、なかなかここまで思い切ったことができるところは減ってきた。
 実際に、
「面白おかしく書き立てる」
 ということをしても、以前のように、
作品名:真実探求 作家名:森本晃次