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表裏の性格による完全犯罪

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 テレビのニュースで、最近特に問題になっている副作用では、
「全国で、数百人が入院し、十数人が死亡した」
 ということで、その原因が、どうやら、ある薬品会社が開発した、滋養強壮の錠剤の副作用だという。
「そういえば、副作用という言葉使うんだ」
 と思っている人もいるかも知れない。
 というのは、
「薬による問題があり、副何とかといえば、副作用という言葉に相場が決まっている」
 と言われているが、あれは、数年前に起こった、
「世界的なパンデミック」
 というものが、世界で猛威を奮った時のことだった。
 その正体も分からず、
「特効薬であったり、ワクチンの登場が待たれる」
 ということであったが、突貫のおかげか、海外の製薬会社が、
「ワクチンを開発した」
 ということであった。
 パンデミックを起こってから、まだ1年ちょっとというくらいの頃、
「やっとワクチンが完成した」
 という人もいて安心していたのだが、あまりにも開発が早すぎて、
「ちゃんと、治験は行ったのか?」
 ということが言われ出すと、
「陰謀論のようなものがささやかれ、それが、ワクチン待望論から、一気に、ワクチンは危ないものだ」
 ということになり、結局、国家の体制と政治家の暗躍とが相まって、
「ワクチン論争」
 というのが巻き起こり、
「俺は打たない」
 という人もかなり増えてきたのだった。
 だが、政府が、
「何かあった時は政府が責任を持つ」
 と言っておいて、結局、
「副反応で死んでしまった」
 ということになった。
 しかし、政府は、
「因果関係が認められない」
 ということで、
「何かあったら責任を持つといっていたくせに、言い分をひっくり返して、結局、何もなかったかのように、処理するだけのこと」
 だったのである。
 そのため、余計に、
「ワクチン陰謀論:
 というものがひどくなり、
「摂取しないという人が、相当数に膨れ上がった」
 ということであった。
 この時、
「ワクチンによる副作用」
 とは言わずに、
「副反応j」
 という言い方に終始していた。
 だから、国民は、
「言い方が変わったのではないか?」
 と思って人も多いだろう。
 しかし、実際には、
「言い方が変わった」
 というわけではなく、
「ワクチンや、予防接種のようなものによる副作用のことを、副反応という」
 ということであった。
 だから、副反応というのは、副作用に含まれるということであり、ワクチン接種の場合は、
「副作用」
 といっても、
「副反応」
 といっても、どっちでもいいということだ。
 それでも、政府が言い方にこだわるということは、それだけ、今回の、
「世界的なパンデミック」
 に対して、
「神経質になっている」
 ということであろう。
 もし、この三人の中で、
「言葉にこだわる性格は誰か?」
 ということにあると、やはり几帳面な性格だという、
「酒井だ」
 ということになるだろう。
 だが、実際にこだわっていたのは、坂上だった。彼は、裏の性格が、
「真面目だ」
 ということで、まるで、
「勧善懲悪なところがある」
 といってもいいので、この男が、
「世界的なパンデミック」
 というものに対して、熱くなっていたといってもいいのかも知れない。
 そういう意味で、一番冷静だったのは、誰であろうか?
 それぞれに、一長一短があり、
「帯に短し、たすきに長し」
 というところであろうが、それを証明するのは難しいだろう。
 この三人は、正直、この時初めて一緒になったといってもいいので、その関係性はまだ何とも言えないだろう。
 しかし、何か、
「三すくみ」
 であるか、
「三つ巴ではないか?」
 と思える感覚があり、女の子たちも、後になってから、この時の緊張感を思い出すことになるのであった。
 坂上は、
「なかなか話の本質を話そうとしていないようだ」
 と、榊田は感じていた。
「もう少し、巻いて話をすればいいのに」
 と思っていたくらいに、イライラしていたことだろう。
 そもそも、
「副作用の話が、ここでどうなるというのか?」
 それを考えると、必要以上に、何も考えているわけではないと思うのだった。
 ただ、榊田が、興味を持って聞いていると、
「何かの犯罪の臭いがするな」
 ということであった。
 最初から、
「これは、自分の友達の話だ」
 と言って始まった話なので、いきなりの言い訳なのか、複線なのかを敷いているところで、しかも、副作用の話である。
「これって、誰かを毒殺でもしようというのか?」
 とも考えられた。
 実際に、話が始まって少しすると、どうも、
「毒殺」
 の雰囲気が漂ってきた。
 実際に聴いてみると、その話に酒井も乗ってきたようで、
「毒殺でもするつもりなのか?」
 と聞くと、
「いやいや、そんな大それたことは考えていないよ」
 ということであった。
 そして、
「そもそも、毒殺というのが、一番準備に難しいような気がするんだ。要するに、手に入れるのが難しいということでね。だから、逆に毒殺の場合は、警察の捜査でも、犯人が絞られるということになるだろう? つまりは、誰にでもできる犯行ではないということになるんだよな」
 というのであった。
 なるほど、毒薬などは、簡単に手に入るものではない。
「医療従事者であれば、手に入るだろう」
 といえるわけでもない。
 逆に、
「劇薬や毒薬というのは病院で厳重にしまわれていて、その在庫に関しても、十分に管理されている」
 ということで、
「簡単に持ち出せるものではない」
 といえる。
 また、よく言われることとして、
「青酸カリなどは、メッキ工場などで普通に使われている」
 ということであるが、これも、当然薬事法を守っての使用ということになるだろうから、簡単にはいかない。
 もし、
「メッキ工場などや、自動車修理工であれば、手に入れやすい」
 ということになると、
「犯人は絞られる」
 ということになる。
「動機があって、凶器を手に入れられる」
 という人物がいれば、その人が、犯人ではないとしても、
「薬を、犯人が手に入れることに対して、手を貸した」
 ということになるだろう。
 当然、犯人でもない人が、こんなリスクを犯すはずがない。
 ということになる。
 また、
「天然に手に入る毒」
 というもので、例えば、
「スズランに入っている、
「コンパラトキシン」
 であったり、
「夾竹桃の毒」
 というのは、心不全を引き起こす猛毒ということで、
「燃やした煙でも、殺害ができる」
 ということで、よく、ミステリーなどで使われるということがあるようであった。
「知識さえあれば、いくらでも計画できる」
 というのも、毒殺というものを犯罪に使うということでの、
「警察を欺く盲点」
 ということになるのであろう。
 ただ、殺人を行う場合、
「凶器の入手経路から足がつく」
 ということは往々にしてあるものだ。
 そんなことを考えると、この場にいる、
「石ころ」
 と呼ばれる榊田も、ミステリーが好きなので、彼は彼で話を聴きながら、いろいろ想像してみたのだった。
 二人の話は、最初の
「副作用」