小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

表裏の性格による完全犯罪

INDEX|2ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

「まだ、海の者とも山の者とも分からない」
 という雰囲気であるが、
「感じは悪くない」
 と思っているようで、
「ちょっとお調子者のように見えるかな?」
 という印象が強かった。
 だから、逆に、他の常連に対し、深入りしそうになったりするのが、少し怖い気がしていた。
 この店の常連は、自分から話す場合には構わないが、他人に、自分のことを探られるのが嫌だったのだ。
 それも、
「探られる行為」
 というよりも、
「探ろうとするのが、相手の計算」
 という露骨なところが見えてくれば、そんな連中を嫌がるというのであったのだ。
 この常連は、そもそもが、
「人間関係に疲れている」
 という人が多いということから、
「一緒にいるだけで、気を遣う」
 ということである。
 つまり、
「人一倍、人に気を遣う人であり、それを自覚できていないことから、余計に疲れるのであり、それを癒しという形で解消できるというところまでは分かっていることで、この店が一番の癒しだ」
 と思ってくるのだ。
「癒しを求めたいというのであれば、彼女を作ればいいんだ」
 と簡単にいうかも知れない。
 しかし、
「彼女を作ることができるくらいなら、こんな店に来ないよ」
 という人もいるだろうし、逆に、
「彼女を作る意志がないんだ」
 という人も少なくなく、それを聴いた人は、
「彼女のできないことへの言い訳だ」
 というかも知れないが、
「実はそうではない」
 ということであった。
 彼らは、
「孤独というのも、楽しみの一つ」
 としていた。
 つまり、
「孤独こそが自由であり、自由でないと、満足できない」
 と思っているのだ。
「彼女ができると、自由というものがなくなる」
 と思っている人が意外に多く、
「彼女が欲しい」
 といって、念願の彼女ができてから、半年もしないうちに、またこの店に来るようになった、
「元常連客」
 というのがどれほどいるか。
「彼女なんていらない」
 とうそぶいているが、ここの客は共通して、
「その気持ち、誰よりも分かる」
 と考えているのであった。
 実際に、
「もう彼女なんかいらない。女を抱きたくなったら、風俗行けばいいんだからな」
 ということであった。
 今、中年くらいの客は、そのことをよく分かっている、
 彼らが、二十歳前後くらいの頃、よく遊んでいたものとして、
「テレクラ」
 であったり、
「出会い系サイト」
 などというものがあった。
 今でいえば、マッチングアプリなどが、その一種なのかも知れないが、これは、
「基本的に自由恋愛からの、素人相手」
 というものであり、
「相手が素人」
 ということで、
「ちょんの間」
 とは違うものだった。
 だが、相手が素人だからと言って、
「お金がかからない」
 ということはない。
 むしろ、
「非合法であるだけに、いくらかかるか分からない」
 ということで、
「ホテルにしけこむ前に、相手をその気にさせるために、食事や軽く飲むなどして、そこで使うお金も半端ではない」
 といえるだろう。
 逆に、
「風俗遊び」
 というものの場合は、相手がプロであり、最初から、性行為が目的ということでやってくるので、それこそ、お金は追加料金などなく、決まった時間では、金銭的に、計算が立つということである。
 しかも、
「相手はプロ」
 つまりは、
「プロの技を楽しむことができ、店側も商売ということで、女の子に対しては、病気の県さなど定期的にさせているので、これほど安全なことはない」
 といえるだろう。
 しかし、
「テレクラ」
 であったり、
「出会い系サイト」
 などを利用する女は、
「自分で勝手に商売をしているのか」
 それとも、
「どこかの組織に入っていて野営業か」
 ということであるので、当然、非合法であろう。
 しかも、当時問題となったのは、
「それぞれに、桜が存在している」
 ということで、特に、
「出会い系サイト」
 などは、メールのやり取りはおろか、メールを開封するだけでも課金されるのだ。
 しかも、その額は一件につき、10円単位ということで、さほど高くないと思われるが、それも、何度も行えば、すぐに、数千円、数万円となってくるのだ。
 しかも、相手がサクラであり、うまく誘導されれば、課金感覚がマヒしてくる。
 特に、
「ちょうどいいところで、相手にスルーされると、普通であれば、諦めるのかも知れないが、感覚がマヒしていると、一度くらいは、オンナをモノにしないと、今までの苦労が水の泡だ」
 と考えてしまい、
「意地になる」
 ということになるであろう。
 それが、相手の思うつぼということで、こちらが、
「相手を女の子だと思ってメールしていると、相手は、机の上にケイタイを何台もおいて、それに対して返信しているという、
「サクラのバイト」
 というわけである。
 だから、
「こっちは、返事が来ればすぐに返しているのに、場合によっては相手からの返事が、1時間以上先になってしまう」
 というのもざらであった。
「電波環境が悪いのか、それとも、相手は、仕事をしながらメールをくれているんだなどと思っていると、簡単に騙される」
 というものである。
 だから、
「数万円を使ったのに、一度も女に逢うことができなかった」
 ということで、やっと、カラクリに気づき、バカバカしいと思うようになるだろう。
 つまりは、
「出会い系やテレクラなどで素人と遭っても、どうせろくなことはない」
 ということだ。
 一度、会社の先輩に、
「昔、テレクラで遊んだ」
 という人がいて、その話を聴くと、
「いやいや、テレクラなんてしない方がよかった」
 といっていた。
「どうしてですか?」
 と聞くと、
「テレクラは素人とできるというのが売りだろう? だけど、相手は素人なだけに、礼儀というものを知らないのさ。それこそ、最初から最後までブスッとしていて、抱かせてあげるから、早く終わって金をくれよというようなものさ。こっちは癒しを求めているのに、正直、二度と素人は嫌だと思ったものだよ」
 というのだった。
 元々、オンナと性行為をするのに、風俗に行くという行為が、何かうしろめたさというか、情けなさのようなものがあるから、
「テレクラ」
 であったり、
「出会い系」
 などというものが出てきたのかと思っていたが、実際には、
「素人が抱ける」
 ということでの思いだったのだと感じると、
「どうしてそんなに素人がいいのか?」
 と感じるのだった。
「病気のリスクや、その時聴いたような話」
 を思い出すと、
「風俗の方がよほどいい」
 と感じる。
「お金さえ払えば、癒しをもらえるのだし、いくらお金でつながった関係といっても、素人に金を渡すことを思えば、きちんとしたプロの技も味わえるわけで、これこそ、割り切った関係ではない」
 といえるだろう。
 そもそも、テレクラや出会い系サイトなどでの、
「自由恋愛」
 というのを、当時は、
「割り切りの関係」
 と呼んでいたが、