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もう一人が犯人

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 と大体相場は決まっていたと言ってもいいだろう。
 昭和から平成に掛けて、どうして放送パターンが変わったのか、今となっては想像でしかないので、よくは分からないが、しいて言えば、
「子供の時間。父親の時間。奥さんの時間」
 とそれぞれに分かれていたからではないだろうか。
「夕方というと、学校から子供が帰ってきてテレビを見る時間。そして、ゴールデンの最初は、旦那が家に帰ってきてから、旦那の時間。そして、9時以降になると、家事を終えた奥さんが、ゆっくりとテレビに向かう時間」
 という分け方だったのではないだろうか?
 まだまだ、
「家長制度というものが残っていた時代」
 ということで、ゴールデンのさらにゴールデンは、家族の長である父親の時間と考えて。まだ父親が帰ってくる、前の時間は、子供の時間。そして深夜近くになると、奥さんの時間ということであろう。
 しかし、それが、21世紀になってくると、様相が変わってくる。
 そもそも、テレビの成り立ちというところが、根本から変わってきたのだ。
 というのは、
「ネットや、有線テレビ、さらには、衛星放送などの普及によって、、お金を出せば、番組を選べる時代」
 ということになったのだ。
 今までのテレビ放送というと、
「某国営放送か」
 あるいは、
「民放」
 かのどちらかであった。
 それは、
「某国営放送における受信料」
 という怪しげな徴収以外では、基本的に無料で視聴ができるのであった。
 しかし、
「放送料を無料にする」
 ということは、視聴者から金を取るのではなく、他からとれるところがなければ、番組製作もままならないということになる。
 そこで問題になるのが、スポンサーということだ。
 つまりは、
「広告収入」
 によって、視聴者から金を取らなくていいというやり方だった。
 しかし、そうなると、
「誰が一番立場が強いのか?」
 というと、
「金を出しているスポンサー」
 ということになる。
 それで、ゴールデンのプロ野球中継」
 などというと、
「野球の試合が、放送時間に必ず収まるわけではない」
 ということで、杓子定規に、
「時間で打ち切る」
 ということにすると、視聴者からのクレームが大きくなる。
 そうなると、
「放送局側も、視聴者に嫌われることになるが、もっと厄介なのが、その番組に提供し。金を出しているスポンサー」
 というものが、自分たちの商品を買ってもらおうと、
「野球中継にCMと混ぜても、視聴者の心を掴める」
 ということで、裏を返せば、
「野球中継を見ている人たちが、企業のターゲット」
 ということになり、
「間違っても敵に回してはいけない相手だ」
 ということになる。
 それは、スポンサーと放送局側とで、
「共通した意見」
 ということで、どちらも、困ったことになるということである。
 それを考えると、
「視聴者との妥協」
 を考えなければいけない。
 そこで、
「最大延長30分まで」
 という形にして、
「野球中継は、最大30分まで行い、それでも試合が終わらない時は、そこで強制的に野球中継を中断する」
 というものだ。
 すでに、ビデオデッキは家庭に普及しているので、
「時間が遅くにずれても、ビデオ録画しておけば、いつでも、見直すことができる」
 ということになり、
「二時間サスペンス」
 を期待している人も、
「後から見ればいい」
 ということになるのだ。
 だから、その頃のビデオデッキには、
「30分延長機能」
 というものがあった。
「30分延長の機能をいかせば、延長があった場合、最初の30分だけ、野球中継が入っているが、その後2時間の放送時間があるので、結局2時間半ということになるが、それでも、見たい番組を漏らすことなく録画しておくことができる」
 という機能が、放送局の都合というものを生かした電気製品の開発ということも行われたのであった。
 一応、それぞれに、折半する形で、一通り方がついたが、その頃から、もう一つ別の考えが生まれてきた。
 というのは、
「プロ野球中継というものは、民放であれば、
「地元チームであったり、自分の好きなチームが見れるわけではない」
 という不便さがあった。
 今までは、
「それを当たり前」
 ということでしょうがなく見ていたというところであったし、しかも、
「いつも、いいところで強制終了がかかってしまう」
 ということで、不満を残すことになっていたが、そんなプロ野球ファンのために、
「自分の贔屓チームを、試合開始から終了まで、漏らすことなく見ることができる」
 という触れ込みの放送局があった。
 これは、衛星放送を通しての、
「有料番組」
 ということであった。
 月間、数百円ということで、
「好きなチームを好きなだけ見ることができる」
 というものであった。
 そこから、プロ野球専門だけではなく、
「ドラマ専用」
「アニメ専用」
 などという、それぞれのジャンルごとに、専門チャンネルが造られ、それを、好きな組み合わせで、視聴者が選べるということであった。
 確かに、いきなり、
「有料」
 というのは、引っかかりがあるが、よく考えてみれば、一日計算で、
「一チャンネル、30円ちょっと」
 ということで、10チャンネルを契約しても、
「タバコ一箱分と変わらない」
 と言ってもいいだろう(同時の値段比)。
 そういう意味で、すっかり、
「有料放送」
 というものが定着し、民放で、今まで人気の再放送の番組を流しても、
「有料放送には勝てない」
 ということになる。
 しかも、
「再放送などを流すというのは、スポンサーから金がとれない」
 ということになるのだ。
 何しろ、スポンサーが金を出すのは、
「製作費」
 ということで出しているので、再放送などの、製作費がないものに関しては、スポンサーも金を出さないと言ってもいいだろう。
 昭和の頃のように、
「アニメや特撮の再放送が、夕方から消えた」
 というのは、そういう事情もあったのかも知れない。
 だから、
「世界的なパンデミック」
 というものが起こり、
「感染対策」
 という観点から、
「約1年は、ほぼほど、番組製作ができない」
 ということで、放送局としては、
「放送事故を起こすわけにはいかない」
 ということで、仕方なく、
「かつての、番組を再放送する」
 という方法を取った。
 しかし、再放送だと、スポンサーから金が出ないということで、苦肉の策というものを考えたのだ。
 それが、再放送番組に対して。
「まるで編集しなおして、あたかも、新番組を作った」
 かのように、
「特番」
 であったり、
「特集版」
 などという名前を付けて、放送したのだった。
 それが、
「民放という無料番組の限界」
 というものだろう。
 だから、今の民放というと、
「そのほとんどが、バラエティ番組ばかり」
 である。
 出演料が、芸人だと安いということなのだろう。
 芸人も、出演料を安くしないと、テレビにも出してもらえないということからきていることなのかも知れない。
 役者であったり、歌手などのアーチストであれば、
作品名:もう一人が犯人 作家名:森本晃次