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もう一人が犯人

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 というのは、それ以前から旧態依然として続いてきた、
「家長制度」
 というものからの、
「定め」
 というものに近いものだといえるのではないだろうか。
 しかし、平成時代における、
「バブル崩壊」
 というものが、旧態依然の、
「家長制度」
 というものを続けていくことができないという時代に入ってきたと言ってもいいだろう。
 というのも、
「バブル崩壊」
 ということによって、それまで、
「神話」
 と言われてきたものが、ことごとく、
「間違いだ」
 ということになり、それまで正しいとされてきたことが、信じられなくなったことで、
「家長制度」
 ということも成り立たなくなってきた。
 何といっても、それまでは、
「旦那が働いて稼いできて、奥さんは、専業主婦で家庭を守る」
 というのが当たり前だったが、
「旦那だけの収入では、生活ができない」
 ということで、
「奥さんも、仕事を持つようになる」
 ということになるのだ。
 そうなってくると、
「子供を見る人がいない」
 ということになり、親がいればいいのだが、そうもいかないと、
「保育所」
 などに預けないといけないということになり、そうなると、
「施設や先生が足りない」
 ということになる。
「バブル崩壊」
 という、予期せぬ出来事での社会問題というのは、保育問題だけではなく、たくさんの問題を生むことになった。
 何しろそれまで言われてきたことが、ことごとく、
「違っていた」
 ということになると、それこそ、その解決策として、
「何から手を付けていいのか分からない」
 ということになってしまう。
 特に、保育問題というのは、形を変えて、令和の時代にまで、大きな社会問題として、定着することになったのだ。
 それが、
「少子高齢化」
 という問題であり、結局は、その問題が、
「何も解決できていない」
 という、
「消えた30年問題」
 ということで、尾を引いてしまうことになるのだった。
 特に少子高齢化という問題は深刻で、元をただせば、
「保育園問題」
 というのも、絡んできている。
「母親が働かなければ生活できない時代」
 ということになると、
「保育園が必要だ」
 というのは当たり前のことで、さらに、
「保育園が、待機児童問題などから、入園がままならない」
 ということになると、
「子供を作れない」
 ということになるのだ。
 それが、平成の途中くらいまでの問題だったが、今度は、さらに進んで、
「結婚したって、子供が持てないということであれば、そもそも、結婚する意味がどこにあるというのか?」
 ということになるのだ。
 しかも、
「成田離婚」
 などということで、結婚相手に対して、新婚旅行から帰ってきて、
「こんな人だとは思わなかった」
 ということで、
「じゃあ、離婚するか」
 ということで、その場で離婚を決めたという人もいるだろう。
 そんなことから、以前であれば、離婚をするということは、
「戸籍に傷がつく」
 という考えであったり、
「離婚すれば、世間体にかかわる」
 ということで、
「とにかく我慢する」
 というのが、昭和までの考え方だったが、成田離婚あたりから、
「離婚が増えてくると、格好悪いということもなくなる」
 と言われ、
「バツイチくらいの方がモテる」
 などということで、離婚に対しての、体裁は、そんなに関係なくなっていた。
 そして、離婚の時も、
「もうお互いに修復は難しい」
 と言われるようになると、まわりからも、
「まだ若いんだから、いくらでもやり直しができる」
 ということをいわれ、
「そうだな」
 ということで離婚を簡単に決めてしまう。
 要するに、
「結婚というものをしてみたが、うまくいかなかった」
 ということで、簡単に離婚するということが、普通になったのだ。
 だから、
「結婚するカップルよりも、離婚する夫婦の方が多い」
 と言われるようになり、そのうちに、
「結婚自体、する人が減ってきた」
 ということになるのだった。
 そのうちに、結婚どころか、
「男女交際」
 というものも減ってきた。
 一時期、
「出会い系」
 ということで、
「結婚ということよりも、肉体関係だけでの結びつき」
 という形のいかがわしいものがあり、今も実際にはあるのだが、元々の目的と言ってもいい、
「いかがわしい関係」
 というものも、かなり減ってきていると言ってもいい。
「草食系男子」
 などと言われ、平成の頃に言われていた、合コンなどでの、
「お持ち帰り」
 ということも減ってきたのだ。
「男として、女性を介抱する」
 ということはあるかも知れないが、
「それもあくまでも紳士的な態度で接する」
 ということで、肉体関係というものに、下心を持っているということではないということであった。
 それは、性犯罪の抑止ということではいいのかも知れないが、そもそも、
「子供を作って、子孫繁栄」
 ということが、人間としての、本能のようなものだったはずなのに、本能的なものが、なくなっていき、それが、
「少子高齢化問題」
 ということに繋がっていくのだ。
 社会構造としては、
「働ける時に働き、それを厚生年金として国家に貯蓄する」
 ということで、
「定年後は、それを年金という形で、国家から支給を受けることで、老後を悠々自適に暮らす」
 という、
「年金制度」
 というものが確立していたはずだった。
 しかし、それが、次第に崩壊していき、とどめとして、
「国交省が、ずさんな管理をしたことで、誰の年金か分からない」
 ということをしてしまったことで、年金制度が崩壊したのだ。
 しかも、その事実をずっと隠蔽してきたことで、分かった時には取り返しがつかないということになり、そうなると、今度は、
「今の若者が、老後の人の生活を支える」
 ということになるのだ。
 だから、
「今の若者が払っている厚生年金は、老後自分たちがもらうものではなく、今の老人の分」
 ということになり、
「老後というものが、労働人口と、老後を迎えた人間との比率で、老人が生活できるかということが決まってくる」
 ということになる。
 つまりは、
「今の若者が、基本的には皆老人になるわけで、生まれてくる子供が働き始めると、彼らが、老人を養っていくことになる」
 ということは、
「子供が生まれず、老人が溢れてくると、一人の労働者が支える高齢者の数がどんどん減ってくる」
 というものだ。
 これが、
「少子高齢化問題」
 というもので、元をただせば、
「保育園問題」
 であったり、
「離婚問題」
 さらには、
「草食系男子と言われるような性的関心が薄れる星人が増えてきた」
 ということから、大きな問題となってきたのだ。
 何といっても、離婚問題であったり、保育園問題と呼ばれるものは、その理由や、対策に関しては、ハッキリと見える部分が多いだけに、何をすればいいかということは見えてくるだろう。
 しかし、
「草食系男子」
 というものが生まれてくる背景としては、
「どういったことが原因」
 ということで、
「その対策問題」
作品名:もう一人が犯人 作家名:森本晃次