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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(前編))

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 昨年の夏、妻と「ジル」で行った「能登半島の旅」の帰路に立ち寄った一乗谷は酷暑に見舞われ、それでもかなりの時間を過ごしたが、売店で買ったアイスは必須だった。
 今回は、秋の一乗谷の風景を見たくて、ほんの少しだけ立ち寄った。
 九頭竜川支流の足羽川(あすわがわ)の、さらに支流の一乗谷川沿いに広がる僅か東西約500m、南北約3kmの狭小な盆地の遺跡の中に、ポツンポツンと見えたのは秋色の木々で、来て見て満足した。
 少し逆光になったが、秋の雰囲気の一乗谷の写真を撮ってから、道の駅「一乗谷あさくら水の駅」(福井県福井市)に立ち寄った。そこの食堂のメニューに「おでん定食」があった。もう、そんな季節になっていることを認識した。

 R158をさらに西へ進み、福井市街に入った。走りながらになってしまうが、興味のある場所を幾つか巡ることにした。
 先ずはJR福井駅の駅前で、そこには、NHKの番組の「ブラタモリ」で知った「動く恐竜」があるはずだ。
 本物は知らないが、誰もそうだと思うが、それらは本物のように動いているようだった。そう思ってしまうのは、多分、映画ジュラシックパークの影響、いや映画のワンシーンに洗脳されているのかもしれない。加えて、駅の外壁には、中生代のジュラ紀から白亜紀にかけて大繁栄した恐竜が生きていた景色が広がっていた。

 次は県庁に行った。水堀に囲まれた福井城址に建っているため、福井城の名残でも見るためだ。
 水堀を渡ると県庁の建物の入口に至り、そこから水堀の内側をぐるりと回ることができると思ったが、Uターン気味に戻る道になっていて、先ほど渡った堀の橋を再び渡り、城址の外に出てしまった。城の跡を探したが見付けられずに終わってしまった。
 事前に調べておけば見つけることができたと思うが、次回は、県庁の建物に入って、上から見下ろしながら探すことにしたい。

 最後は福井大学に向かった。文京キャンパスの正門から見えたのは、ほどよく色づいた銀杏並木で、守衛所の警備員に、その風景の写真を撮ることの了解を頂き、正門から少し入った場所に「ジル」を停めて、キャンパスの写真を撮った。
 キャンパス内を歩いていた大学生を見ていると、もう40年以上も前のことだが懐かしさが込み上げてくる。もし人生がもう一回があれば、全てを頑張ってみて、ちょっと違った人生も良かったのではと思ってしまう。
 私の「キャンピングカーの旅」の道中に、大学があれば、少しだけ立ち寄ることにしている。静謐な時間での学究に取り組む雰囲気が心地良いからだ。立ち寄った時間が昼食の時間帯ならば、学食で何か食べるのも良さそうだ。今度、チャレンジしてみたい。 

 福井市を後に、中央分離帯のある上下4車線の街路樹が続く立派なR8を南下し始めた。
 この国道沿いには幾つものGSがあり、その価格表示看板に目をやると、このあたりは軽油がかなり安価なようで、1リッター138円だった。それまでは141円~147円だったことから、そのGSに入ろうとしたが、燃料計の針はまだ半分程度を指していたため通過したが、すぐにもったいないことをしてしまったと反省した。
 鯖江市に入ってからすぐに、134円の表示を出しているGSがあり、何も躊躇せず入り、満タンにした。安価な軽油を入れることは、長旅では大切なことなので、この134円はラッキーだった。なお、この価格はこの旅の最安値だった。

 後日談をひとつ。
 これまで既に、十数回も「キャンピングカーの旅」をしてきたが、軽油の価格の違いに一喜一憂していた。そんな話を「ジル」のビルダーのバンテック社の人にしたところ、あるネット情報を教えて頂いた。
 それからは、燃料計が残り1/4ほどになった頃、それでも150kmは走れるが、スマホからそのネット情報(gogo.gs)にアクセスして、これから向かうルート上の安価な軽油のGSを検索して、常に、安価な軽油で満タンにできるようになった。
 私の「キャンピングカーの旅」では、「マイ・ルール」なるものを設定しており、この給油方法を加えることにした。

 午後3時までに車中泊場所を決めるという「マイ・ルール」を設けており、既にその時刻を過ぎていたので、GSの空きスペースに「ジル」を移動させ、ロードマップを広げて、R8が日本海に出るあたりにある道の駅「河野(こうの)」(福井県南越前町)を今日のゴールに決めた。
 その途中に、R8から少し外れるが、「西山公園」という道の駅があり、滅多に来られる場所でもないため、そこを経由してから日本海に向かうことにした。

 R8から県道に入り、鯖江市役所付近を走り、緑の多い公園の横を走っていると、道の駅「西山公園」(福井県鯖江市)が見えてきた。
 この道の駅や駅舎は、西山公園のレストハウスを兼ねているのか、普通の道の駅の雰囲気とは異なり、スマートなショップの佇まいで、旅人が少し遠慮してしまいそうな雰囲気だった。

 道の駅「西山公園」を後にして県道を南下し、福井平野の南端あたりでR8に合流した。そこからは日本海に沿った丹生山地(にうさんち)を越えることになり、日本海を望む道の駅「河野」までは僅か20kmで、夕方のドライブになった。
 ところが、先ほどの道の駅で小休止したにも拘わらず、多少の疲労感を感じ始めた。手元のコーラを飲んでも眠気はなくならず、朝から動き続けたことやプチ登山もあり、疲れを感じ始めたようだ。
 それでも多少、我慢しながらハンドルを握っていると、今夜の車中泊の場所に決めた道の駅「河野」が見えた時は、やっと無事に到着した気持ちになり、駐車場に入ると海が見え、その瞬間、疲労感が安堵感に変わった。

 この道の駅は敦賀湾を見渡せる海岸段丘の上にあり、駐車場の海側には、大きくはないが、それでも十分な広さの展望台があった。
 すぐにでも、そこから海を見渡したかったが、先ずは、車中泊向けの最適な場所探しを始めた。この選定場所の良否が睡眠に影響するため、道の駅の駐車場に入ってからは、大切な最初の行動だ。
 駅舎は細長く、R8に沿って建てられており、駐車場は駅舎の海側に位置し、R8の下り車線から入ってくる車路と上り車線からの車路に挟まれ、大型車両ならば1台分、乗用車ならば2台分しかない細長い駐車場で、どこに停めても、夜中に入ってくるクルマの音が聞こえてしまうことが分かった。
 そこで全体を見渡すと、大型車両の駐車場から最も離れた場所に、一方の車路側が立木で塞がれた場所があり、そこがベストだと判断し、大型トラックがアクセルを踏んで駐車場を出てゆく際のエンジンが多少大きくなることも考慮して、バンクベッドがそこから遠くなるような「ジル」の向きで駐車した。そこはトイレに近い場所でもあった。

 夕食のおかずを一品買うために、道の駅のショップの閉店時間の午後5時までに車中泊する道の駅に到着するという「マイ・ルール」を設定していて、まだ少し余裕があった。
 ショップに入り、好物の「ほたるいかの沖漬け」を見付けて、高くても大体1,000円程度の値段なのが嬉しい。日本海側に来ると、これを買うのが私の必然的行動になっている。