小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
novelistID. 69613
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(前編))

INDEX|10ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 

 その後は、ショップの前で、トレーラーを牽引しているトラクター(トレーラーヘッド、牽引車)のドライバーに声を掛け、暫く会話していた。お互いに時間潰しだったが、楽しい時間だった。

 その会話中に、何気に駐車場を見渡していると、セダンのクルマが入って来た。
 降りてきた人は私よりも高齢な方々で、彼らの様子から、そのままここで、車中泊をしそうな雰囲気だった。
 セダンの車の中を車中泊できる仕様にしているのかどうかまでは分からなかったが、元気の良い高齢者が多いようだ。
 そういえば、キャンピングカーの月刊誌「オートキャンパー」を書店で買っているが、そのコーナーには、車中泊を取り上げた幾つもの雑誌が並んでいる。
 クルマのテレビCMでも、車中泊が可能なことを前面に出しているシーンが出てくるようになった。クルマ旅での車中泊は今のトレンドのようだ。

 海の見える展望台に行ってみた。丹生山地が日本海に落ち込むここの標高は200m、手前の敦賀湾(つるがわん)越に敦賀半島が見え、その遥か向こうに、若狭湾の西の端の丹後半島の山々まで見えた。
 そこに沈む夕日は、薄雲が広がっているせいで見えなかったが、西の空は薄いオレンジに染まり始め、時間の経過と共に、次第にピンク色に変わっていった。一方で、敦賀半島の先端の立石岬の灯台の点滅が次第に存在感を増してゆくのが反比例のようで、その風景を数値化するのは難しいのだろうとか、無粋なことを考えながら、夕暮れの光景の移ろいを味わった。明日は、その灯台まで行くことに決めた。

 夕食は、レトルトパックの親子丼とパックご飯をレンチンして、インスタント味噌汁、鯖のみそ煮の缶詰、そして先ほど買ったほたるいかの沖漬け、簡単に準備が終わった夕食だったが、美味しかった。

 夕食後は先ずPCで、今日の「旅のメモ」の作成に取り掛かった。今日の出来事や感想をエクセルのフォーマットに箇条書きで入力する作業だ。
 一日を振り返りながら出来る限り詳細に入力することにしているので、最低でも1時間は掛かってしまう。時には撮った写真を参照する場合もある。
 これが、紀行文の執筆のベースになるので、手を抜けない作業だ。

 この作業と並行して、ロードマップに走った道を赤いラインマーカーでトレースしながら、道の駅ガイドブックに立ち寄った道の駅を青色のラインマーカーでチェックを入れて、今日の旅の整理を終えた。

 全ての作業が終わった頃、外はすっかり夜になっていた。
 日本海の夜景を見るために展望台まで行ったところ、最初は暗闇に灯台の灯りだけが見えていたが、次第に目が慣れてくると、日本海には幾つもの灯りが見え、それらは漁火(いさりび)なのだろう。水平線も次第に見えてきた。視力1.0と瞳孔に感謝。
 「ジル」に戻ろうと振り返った時、道の駅の外灯に照らされ、良い感じに「ジル」が浮かび上がっていて、その写真を撮った。暫くの間、その写真は私のPCのデスクトップの背景になっていた。

 就寝前の最後にやることは、明日の計画を考えることだ。
 ロードマップを広げて、先ずは現在地の道の駅「河野」の場所を確認すると、福井県は大きく、北~北東部の「嶺北(れいほく)地域」、若狭湾に沿った南西部の「嶺南(れいなん)地域」に分かれ、今、その境界あたりだと分かった。
 この旅の行き先は九州なので、明日は嶺南の若狭湾方面だと考え始めるや否や、睡魔が襲ってきた。

 先ずは歯を磨き、この季節らしく少し厚めのパジャマに着替え、バンクベッドに置いている梯子を下ろして、バンクベッドの縁に掛けて上り、敷いている布団にもぐり込み、充実した一日が終わった。

【今日の一言】 暗闇に目が慣れてきて、夜の日本海が次第に見えてくる体験は、ひとりで見るのはもったいない。