悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(前編))
カーナビの地図表示の設定は2種類あり、北方向を上向きに表示する「ノースアップ」と、進行方向を上向きに表示する「ヘディングアップ」があり、私の「ジル」は後者で設定している。
その理由は、行った先の知らない道を間違わずに確実に進みたいためで、特に、咄嗟の判断が必要な場合は「ヘディングアップ」は私には有効なためだ。
そのことが災いして、今回は、東西南北の方向感覚を失ったようだ。
このトンネルで、岐阜県と福井県の県境の油坂峠(あぶらさかとうげ)を抜けて、福井県に入っていたことを後で知った。
やがて左の車窓から、かなり下の方に九頭竜湖が見え始めた。周囲は紅葉に覆われていたが、残念なことに、夕暮れ時で、鮮やかさはなかった。明朝、ここまで戻ってくることに決めた。
九頭竜ダム、そのすぐ下流側の鷲(わし)ダムが見えてから間もなく、道の駅「九頭竜」(福井県大野市)に到着した。
このログハウス風の駅舎には、JR越美北線(愛称:九頭竜線)の終着駅の九頭竜湖駅と道の駅が同居していた。
そのような駅舎は全国で幾つあるのかと、ネットで調べたところ、旅好きな人が調べて集計したHPがあり、それによると、全国で約1,200の道の駅の中で、僅か6つのみだった。
道の駅のショップに向かった時、駅舎の前の仄暗い中に何か大きな像があり、少し驚きながらも凝視したところ、それは恐竜の親子だった。
1996年に、このあたりでティラノサウルス科恐竜の歯の化石が見つかったことにちなんで設置されたもので、親は全長12m、高さ3.8m、子は全長4.6m、高さ1.8mの2体のモニュメントだった。
恐竜の写真を数枚ほど撮った。フラッシュで撮るよりも、仄暗さの中で撮った方が迫力のある写真になった。
駅舎のショップは営業時間が終わっていて、夕食のもう一品のおかずを買いそこなった。
そして、九頭竜湖駅に行ってみたところ、単式のプラットホーム(片面ホーム)の今日の最終の気動車(ディーゼルカー)が停まっており、間もなく出発することが分かり、それを待って、写真を撮った。
旅の二日目の午前中は、少し歩き過ぎたことで、多少の疲れがあったのか、夕食は、カレーもご飯もレンジでチン、沸かした湯を注ぐコーンスープ、以上で準備完了。素早く簡単に夕食を終えた。
夜は静かだった。耳を澄ますとシーンとしていた。
それは、実際にその音がしているからで、耳の中の器官のひとつの蝸牛(かぎゅう)内にある外有毛細胞(がいゆうもうさいぼう)の振動音とのこと。
R158で峠を越えて来るクルマは殆どなく、このあたりの人たちは早く帰宅するようで、静かで、町の灯りは数えるほどだった。
深夜のような午後9時頃、PCのスイッチを入れて、「旅のメモ」を書き始め、約1時間後に終了。そして、明日の計画を考えているうちに睡魔に襲われ、パジャマに着替えて、バンクベッドに敷いている布団にもぐりこんだ。
【今日の一言】 旅で訪れる地方の偉人の略歴を知っているならば、「キャンピングカーの旅」はさらに豊潤になりそう。そう思ったのは、今日、美濃を出てから斎藤道三のことを思い出したが、知っていることと言えば、油売り、国盗り、まむし、娘が濃姫で織田信長に輿入れ、息子の義龍に討たれたことくらいで、道三の居城すら知らなかった。