悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(前編))
ヒューズを確認したが、切れているものはなかった。今夜は降雨の予報があり、少し焦りながら、Googleマップでトヨタ店を検索すると近くにあり、急行した。
受け付けてくれた人に状況を説明した後に、旅の途中なので飛び込みになるが、すぐに点検をして欲しい旨を伝えたところ、サービススタッフがすぐに動いてくれるや否や、チャイルドロックがONになっていたとのことだった。多分、何かの際に、手がそのスイッチに触れたのだろうと説明された。
マジに恥ずかしかったが、普段は全く触らないスイッチだったため、そのスイッチのON/OFF確認をしていなかった。お世話になった礼を言って、ディーラーを後にした。
トヨタ店から小浜港に戻る感じになるが、「若狭フィッシャーマンズ・ワーフ」に向かった。
そこには、土産物販売、レストラン、蘇洞門(そとも)巡りの遊覧船の発着場があり、数人の観光客がいた。
冷蔵ショーケースの中に、鯖のへしこ(塩漬けした後、米糠に長期間漬け込み熟成させた保存食)があり、これまでに食べたことがなかったことから多少の興味があったので、小さいサイズのものを選んで買った。
焼き鯖が販売されていた。その写真を撮らせてもらいながら、高いから買わない旨を伝えると、でも美味しいよと説明された。旅先でのこんな会話が楽しかったが、結局、買わなかった。
気が付くともう11時半になっていた。
隣のキャンパーとの寛いだひとときや小浜港近くで何ヶ所にも立ち寄り、さらにはトヨタ店にも行き、思いの外、ここでの時間が過ぎてしまったようで、「若狭フィッシャーマンズ・ワーフ」を後に、小浜から西に向かった。
目指したのは道の駅「うみんぴあ大飯(おおい)」(福井県おおい町)で、小浜からはさほど離れておらず10kmも走らないうちに、カーナビが示す方向に「うみんぴあ大飯」と書かれた大きな看板が見えて、R27から右折した。
そこには道の駅はなく、大きな建物が並ぶ広大なスペースで、左側にはドラッグストアやホームセンターなどが並び、右側には温泉やホテルも。それらを見ながら先に進むと右側に道の駅が見えてきた。
この広い敷地には、ショッピング、レジャー、温泉、グルメ、学びの場があり、それらが融合した複合施設のようで、そのひとつが道の駅だった。
道の駅の駅舎は新しく、その中に入ると、海側に面した壁一面の窓からの明かりで駅舎内部は明るかった。先ずはショップを見て回り、多くの客が食事をしていたフードセンターのメニューを眺めた。その中の人気No.1はやはり海鮮丼だった。
海鮮丼は私の好物だが、先ほど、小浜の「お魚センター」で買った刺身があるので注文せず、「ジル」に戻り、ホームセンターに向かった。今朝、破損していたタオル掛けの代替品を購入した。
この「うみんぴあ大飯」の直ぐ先に、別の道の駅「シーサイド高浜」(福井県高浜町)があるので、そこで昼食を取ることに決めて、再びR27で西へ向かった。
3kmほどしか離れていない間に、ふたつの道の駅があるのは、その間におおい町と高浜町の町境があり、R27はこの地域の幹線道路で交通量も多いことが、その理由なのかと推察した。
そもそも「道の駅」とは、各地方自治体と道路管理者が連携して設置し、国土交通省により登録された休憩施設のため、ひとつの行政区内のさほど離れていない場所にふたつの道の駅を設置するならば、共倒れする可能性もあると考えるのが当然だが、異なる行政区だったこと、それに交通量が多いことで、ふたつとも特色を出して切磋琢磨しているのが現状なのだろう。
そのようなことを思いながら走っていると突然、左側の車窓に「弁慶号」のようなスタイルのSLが見えた。このあたりに、その類のSLがあるはずはないので、人寄せパンダのようなものかと思いながら、ちらっと見ただけで立ち寄らず、道の駅に向かった。
後で調べたところ、それは原寸大のレプリカの「義経号」だった。1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」で走っていたものだったが、何故ここに移設された背景までは分からなかった。
道の駅「シーサイド高浜」に到着した。
先ず目を奪われたのは、この駅舎のオレンジ色の外観で、周囲の木々の中で浮かび上がっているようで、地中海の装いとでもいうのだろうか、美しく見えた。
駐車場の端に「ジル」を停めて、昼食の準備を始めた。
その時、毎週土曜日の10時半~13時に愛聴しているラジオ番組が放送されていることに気が付き急いで、スマホでサイマルラジオにアクセスして、宮城県登米市のコミュニティFM「H@!FM(はっとFM)」の「サタデー・ノバ」を聞き始めたところ、ジャスト・イン・タイム、私の「おたより」が読まれ始めた。
その内容は、放送が終了したNHK朝ドラの「おかえりモネ」のモネロス対策のために、「スピンオフドラマ」を作って欲しいという内容で、この朝ドラのロケ地だった登米市のコミュニティFMの番組で読まれるならば、その実現につながる可能性があるのではと、そんな私の期待を込めた「おたより」に、パーソナリティの方は強く賛同してくれた。
このラジオ番組を聞きながらの昼食は、先ほど買った刺身、レンチンご飯、そしてインスタント味噌汁のちょっとした刺身定食になったが、刺身の旨さは最高で、満足した昼食になった。
昼食後に、道の駅のショップを見て回った後、その隣の情報コーナーのスタッフに、駅舎の裏の海について伺ったところ、そこは青戸入江(あおとのいりえ)という小浜湾内の入江で、かつての国体の時の漕艇場になったこともあると教えてくれた。さらに、入江の対岸を走るならば、こちら側の良い景色を入江越しに見られるとのアドバイスをいただき、幾つかの資料も頂いた。サンクス。
この道の駅に併設された温浴施設の「湯っぷる」があったが、明日は多分、山陰の温泉地を走るため、今日はパスした。
道の駅を出てからは、先ほどのスタッフお勧めの対岸に向かった。この半島の先端には「大飯原発」がある。若狭湾内の原発の殆どは半島の先端に位置しているようだ。
この大島半島はかつて島だったが、延びた砂州でつながり半島になった陸繋島だ。
青戸入江沿いの県道を東に走りながら見えたのは、湾越しのきらきらと太陽光を反射した海面越しの陸側の景色で、その中に、オレンジ色の道の駅も見えた。
原発道路の一部としてできた「青戸の大橋」を南に向かって渡り、R27に戻った。
先ほど見た「義経号」の写真を撮って、道の駅「シーサイド高浜」の前を通過して、舞鶴方面に向かった。
多くの見所のあった若狭湾の福井県側を後に、県境を越えて京都府の舞鶴市に入った。ここもまだ若狭湾内で、その西側の部分だ。
京都から離れた静岡県在住の私にとっては、神社仏閣の見えない京都は本当に京都?という感覚があり、頭では分かっていることだが、京都府が海に面していることが感覚的には馴染めない。