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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(前編))

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■11/6(旅の5日目):福井県小浜漁港 ⇒ 京都府与謝郡伊根町(道の駅「舟屋の里 伊根」)


【走ったルート】 小浜漁港のある川崎エリア内の「若狭小浜おさかなセンター」で買い物、「津島名水」で水の補給、「若狭フィッシャーマンズ・ワーフ」にも立ち寄り、このエリア内の主だった場所を残らず見て回った。そして「ジル」の電動窓ガラスのトラブルで「トヨタ福井 小浜」に駆け付けた後、小浜を後にして、R27で西へ向かった。道の駅「うみんぴあ大飯(おおい)」に立ち寄り、道の駅「シーサイド高浜」で昼食。県境を越えて京都府に入り、先ずは「舞鶴引揚記念館」をじっくりと見て回り、「赤レンガパーク」に立ち寄り、R175、R178そして府道を走り、丹後半島の道の駅「舟屋の里 伊根」で車中泊。【走行距離:125km】

【忘れられない出来事】 じっくりと見て回った「舞鶴引揚記念館」で、当時の日本が突き進んだ末の敗戦による海外からの引揚げについて、改めて知ることができたと同時に、日本人として、決して忘れてはならない史実を、その場所で触れた気がした。特に心に残ったのは、最後の引揚げになってしまったシベリア抑留者の悲惨な生活の様の展示だった。

【旅の内容】 昨夜の「夕食後のルーティン」を終えると、午前0時になっていた。
 それはいつも、テレビを見ながらの「ながらルーティン」で、今日の出来事をメモに書いて、ロードマップにラインマーカーで今日走った道をトレースして、今日の立ち寄った道の駅をオートキャンパー誌の付録の道の駅ガイドのその紹介部分に印を付けるのが「過去を振り返るルーティン」だ。
 それが終われば今度は「未来を考えるルーティン」になる。ちょっと大袈裟な表現だが、道の駅などで入手した観光パンフレットを見ながら、明日の計画を考える時間だ。
 立ち寄りたい場所をおおよそ決めるも、そこでの所要時間が分からないため、ゴールの車中泊する場所は決められない。いつものことだが、私の「マイ・ルール」に従って、午後3時までに車中泊場所を決めて、5時までに到着することにしている。

 今朝は5時半に目覚め、その後はうつらうつらしているうちに6時になり、起床した。
 漁港の朝は早く、漁に出る船の時間は私にとっては深夜だ。私が起床した時刻にはもう、漁から戻ってきているのかもしれない。港の横で車中泊したせいか、そんなことを思いながらの目覚めだった。

 バンクベッドの小窓は、就寝時にシェードで塞いでいるので光は入らない。加えて、バンクベッドとダイネットの間はカーテンで仕切っているので、光は殆ど入ってこない。
 そのカーテンを開けると、天井にある換気扇からの光で、バンクベッドほどの遮光が効いていないダイネットは既に明るく、梯子を使ってダイネットに下りた。
 「ジル」の右側の押し上げ式の窓のシェードを収納し、カーテンを開けると、晴れた朝の景色が広がっていた。その窓ガラスを押し開けると、冷えた朝の空気が入り込み、少し寒かったが、良い朝を迎えた。

 パジャマの上にベンチコートを羽織って外に出ると、岸壁で魚を釣っている家族がいた。少し近づいて、その様子を見ていると、羨ましいほどの入れ食い状態だった。
 声を掛けると、釣竿を持っていなかった奥さんとの会話になり、釣った鯵(アジ)がバケツではなく、30cm×15cmほどの大きさのタッパーの深さの7割ほどまで入っており、それが二つも。その写真を撮らせてもらった。タッパーは多分、そのまま台所に運ばれて、調理されるのだろう。

 「ジル」に戻って、洗面用具を置いているマルチルームのドアを開けると、ハンガーに掛けていた全ての服が床に落ちていた。タオル掛けが服の重さに耐えきれず、破損してしまった。
 ちなみに、マルチルームとの表現をしたが、そこは、洗面ユニットとトイレがあり、シャワーも使える場所で、トイレルームの表現の方が正しいのだが、今は、洗面ユニットは使わず、洗面用具を置く場所になっていて、トイレは全く使っておらず、ハンガーに掛けた服の置き場所と洗濯物入れのバスケットの置き場所として使用している。そのため、マルチルームという呼び名の方が現状に合っている。

 床に落ちていた服を片付けた後は、昨日と同じように、ホットサンドメーカーに肉まんを挟み、こんがりと焼き上げて、ついでに数本のウィンナーにも火を通し、コーヒーと牛乳を飲みながら食べていと、隣のキャンパーさんから、昨日買ったレンコ鯛の一夜干しを焼いたものの差し入れがあり、有難くいただいた。ほんの少しのしょう油を垂らして食べた。美味かった。

 朝食後も昨日に引き続き、隣のキャンパーさんと色々な話になり、楽しい時間になった。
 そして別れ際に、彼の名刺を頂いた。退職後のセカンドライフを楽しんでいる人らしく、肩書はなく、氏名と携帯の番号だけだった。
 退職後は確かに、元勤務先を名刺に書き込んでも意味はなく、縦型の名刺ならば、氏名の右上は空いており、左下には住所と電話番号のみの名刺になってしまう。今、そのことに気付いた訳ではなく、以前からそう思ってはいたが、いただいた名刺から改めて、その現実を認識させられた。
 今の私は、「キャンピングカーの旅」に出ている際に使う名刺ならば、氏名の右上には、この紀行文のタイトルを引用して「悠々日和キャンパー」と入れて、もうひとつの趣味のパラモーター用ならば「こよなく空を愛する空の散歩のフライヤー」なのだろうか。
 しかし、今後も名刺を作る予定はないと思う。
 出発する前、隣のキャンパーさんから「京都に来る時は電話してね」だった。ホントに、お世話になりました。

 隣のキャンパーさんから教えて頂いた湧水の場所に向かっている時に、何やら、朝市のような賑わいの場所があり、その駐車場に入ったところ、そこは「若狭小浜おさかなセンター」だった。
 中に入ると、10軒ほどの魚屋が軒を連ねており、地元で獲れた新鮮な魚貝類や干物、加工品が並んでいた。その全てが安く、量も多い。ひとり旅だったので、少な目のものを探した結果、刺身を2種類、鯖のにんにく味のから揚げを購入した。それを買う時に言われたのは、にんにくの臭いがきついけれど大丈夫?だった。良い地のモノを買うことができた。
 多くの客でごった返していたので、多分、昼頃には完売する店もあるのだろう。朝市に、朝一に来られたことはラッキーだった。ダジャレが出てしまった・・・。

 再び、湧水を探したところ、船着き場の道沿いで見つけることができた。
 そこは「津島名水」という湧水で、2本のパイプから滔々と水が湧いていた。
 「ジル」に積み込んでいるホースは接続できなかったため、2リットルのペットボトルを使って、水場と「ジル」の間を何回も往復して、飲み水用のポリタン、生活水用の「ジル」の内蔵タンクを満タンにできた。これで暫くの間は、水不足の心配はなくなるはずだ。
 この湧水は以前、船乗りたちが汲みにきていて、航海のための貴重な水としても使われていたそうな。

 実は、先ほどの「お魚センター」の駐車場で、助手席の窓ガラスが上がらないトラブルが発生していたが、そのまま買い物をした。買い物が終わり戻ってきてからも、窓ガラスは上がらなかった。