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自殺菌がかかわる犯罪

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 ということでも、対応している相手をこれ以上怒らせないようにしないといけないということが正解だとすれば、
「事務的な対応」
 というのも、決して間違いではない。
 だとしても、
「相手に対して臨機応変に」
 ということであれば、この場合の正解というのはないのだ。
「臨機応変」
 ということは、
「一人一人に対して平等に」
 ということになるわけであって、事故が起こり、それに対してのクレームが多い中では、「この場合の正解」
 など、ありえないということになるだろう。
 そう考えると、
「最大公約数」
 としてしか考えられず、全体として、最悪の状態にしなければいいと言ってもいいだろう。
 この場合の最悪というのは、
「客を完全に怒らせてしまい、暴行事件になどならないようにする」
 ということが一番である。
 そのための、
「対応マニュアル」
 というものが、当然のごとく用意されているというもので、ちゃんとそれを読んだうえで、
「この対応は、あくまでも、最悪の状態を招かないためのものであり、そこまで行っていなければ、駅員個人個人のその場の臨機応変の対応が必要」
 と書いていることであろう。
 もっとも、
「元々国鉄」
 などに、そんな臨機応変なマニュアルがあるだろうか。
 あったとしても、社員の質の低さから考えると、それだけの機転も利くわけがない。
 本来であれば、日ごろから、駅を利用している人をできるだけ、普段から馴染みになっておけば、ここまでひどいことにはならないだろう。
 もっとも、
「市民と馴染みになっておく」」
 という考えを持っていれば、マニュアルなどなくとも、
「いかに対応すれば一番いいのか?」
 などということは、おのずと分かるというものである。
 それを考えると、
「駅員の対応は、国鉄時代も、民営化しても、まったく変わらない」
 と言ってもいい。
 しかも、対応として、
「客対応ではなく、あくまでも、自分たちの事務的な報告などが優先」
 ということが客に分かれば、いくら普段から誼を結んでいたとしても、緊急事態における対応を間違えれば、
「普段から誼を通じている」
 というだけに、
「許せない」
 と考えるに違いない。
 一度怒りがこみ上げると、そう簡単に収まりはつかない。
「普段から、仲良くしている相手だ」
 という人に対して、一度こぶしを振り上げてしまえば、
「悪いことをした」
 と思っても、そう簡単に、矛を収めることなどできるはずもない。
 それは相手も同じことで、
「一度狂ってしまった歯車は、なかなか元に戻ることはない」
 ということになるのだ。
 それを考えると、
「確かに、事故が起こってしまったことは仕方がない」
 といって、
「駅員を責めるのは、お門違いだ」
 と言ってもいいのかも知れないが、それもあくまで、
「駅員の対応次第」
 ということである。
 この時の駅員の、
「ひどい対応」
 というのは、客が、その怒りの矛先を若い駅員に向けていた時、その駅員は、
「人身事故ですからね。しょうがないですよ」
 と言ってしまったのだ。
 客からすれば、
「そんなことは分かっている」
 ということである。
「だったら、問題なのは、人身事故が起こってしまったということを、他人事のように感じず、自分たちでちゃんと検証し、いかにすれば、再発を防止できるぁ?」
 ということが大切なのだというのだ。
 サラリーマンなどをやっていて、クライアントに何かを売ったり、サービスを提供した李する仕事であれば。
「ミスや事故のようなものはつきもの」
 ということは、最初から分かっている。
 しかし、そんな時でも、
「起こってしまったことを人に任せず、その時に出勤している人が、いかに、その時、被害にあった人に対して、誠意のある対応をするか?」
 ということ、そして、
「さらに、起こってしまったことの原因をしっかり究明し、それに対して、再発防止策をキチンと示す」
 ということが最優先である。
 つまり、
「事故が起こった時の、説明責任。原因を究明責任、さらに、再発防止のための案を作るという責任を負う」
 ということになる。
 もちろん、そのトラブルが、その人の失敗によらないということも十分にあるだろう。
 しかし、客には、そんなことは関係がない。だから、
「起こったことに対して、いかに対応するか?」
 ということが大切だということである。
 それなのに、最初の、
「説明責任」
 というところで、
「自分は関係がないので、他人事」
 ということであり、しかも、
「自分も、文句を言われて被害者だ」
 などという態度を取れば、それこそ、
「火に油を注いだ」
 といってもいいだろう。
 それが、
「国鉄職員のような対応」
 と言ってもいい。
 その時の駅員は、
「人身事故だからしょうがないですよ」
 と言って、
「鼻で笑った」
 のであった。
 こんなことをすれば、相手がどんなに温厚な人であっても、殴りかかられたとしても、文句は言えないということになるだろう。
 だから、客とすれば、
「お前たちの企業理念は何なんだ?」
 ということになる。
 この場合の理念というのは、
「やらなければいけない最低限の義務」
 ということになるだろう。
 それを客は、説明する。
「お前たちの仕事は、決まった時間に安全に、客や荷物を送り届けるということではないのか?」
 ということになる。
 だから、そういって文句を言っても、
「他人事ととしてしか聞いていない相手」
 に対しては、まるで、
「暖簾に腕押し」
 と言ってもいいだろう。
 そんな対応をされると、数人の客が怒りだす。
 こうなってしまうと、パニックが収まるわけはなく。ベテラン駅員も、どうすることもできず、客のクレーム対応だけで、疲労困憊ということになるだろう。
 この原因を作った駅員は、最後まで、
「被害者意識が抜けない」
 と言ってもいいだろう。
 そんな状態であれば、
「今日はしょうがないから、今日だけを乗り切れば、明日からは、皆忘れてくれる」
 と思っているに違いない。
 これが、本当に厳しい会社であれば、こんなことがあれば、
「懲戒処分ものだ」
 と言ってもいいだろう。
 その男は、その時のトラブルを大きくしただけではなく、
「会社の社会的な信用を、著しく失墜させた」
 ということで、よくても、
「減給処分」
 くらいにはなるに違いない。
「わざとではなかった」
 で済まされることではない。これが、暴行事件にまで発生していれば、
「懲戒処分は免れない」
 と言ってもいいだろう。
 だが、その社員が、
「懲戒処分」
 ということはないだろう。
 もし、それだけ厳しいところであれば、
「一日に何度も人身事故を引き起こす」
 などという体制ではないということだからだ。
 つまりは、
「そういうひどい状況を引き起こす会社だからこそ、そういう社員しかいない」
 ということであり、逆に、
「そういうひどい社員がいるから、事故が発生するんだ」
 ということになる。
 どうせそういう会社では、
「今後、このようなことのないように善処します」
作品名:自殺菌がかかわる犯罪 作家名:森本晃次