自殺菌がかかわる犯罪
「あいつらは、企業努力で営利を追求するすべを知らないということで、こういう事故の賠償金という形でしか、利益を得ることができない」
という、中途半端な会社だということしかないと言ってもいいだろう。
それが、
「国鉄から延々と続く考えということ」
であれば、この気質が変わらない以上、
「JRはどこまで行っても、国鉄でしかなく、赤字解消など、夢のまた夢」
ということになるであろう。
もっとも、
「これが税金の無駄遣い」
ということでないというだけ、
「まだマシだ」
と言ってもいいだろう。
それこそが、
「民営化したことの唯一のメリットだ」
と言ってもいいだろう。
それにしても、ここ数日の間で、ほぼ同じ地区、
「いわゆる、警察でいえば、同一管轄」
と言われるところで、
「かたや、電車に飛び込む自殺」
ということと、
「ビルの屋上から飛び降りる」
という自殺が相次ぎ、
「しかも、後者では、飛び降りた下を、人が歩いていた」
ということで、
「巻き込まれ事故」
という悲惨なことになったというのは、本当に、偶然で片付けられることなのだろうか?
「鉄道に飛びこむ」
という自殺は、それこそ、
「連鎖自殺」
と言ってもいいので、飛び込み自殺が続くというのであれば、分からなくもないし、
「国鉄相手の自殺」
というのは、特に今の時代であれば、
「世界的なパンデミックの後」
ということで、日常茶飯事と言ってもいい。
今までにも、
「バブル崩壊」
あるいは、
「リーマンショック」
などによっての影響が、時間差で襲ってきたということを考えると、
「世界的なパンデミック」
というものにおける自殺ということも、今の時代であれば、
「今まさに、そのピークに近づいているのではないか?」
といえるだろう。
ただ、
「なぜ、旧国鉄に集中するのか?」
ということは疑問である、
「賠償金ということを考えるのであれば、普通なら鉄道自殺はしない」
と考えるだろうが、
「確実に死ねる」
と考えるのであれば、あとに残される人のことさえ考えなければ、鉄道に飛び込むというのもありだといえるだろう。
だとすれば、
「よほど、国鉄に恨みを持っている人が多かった」
ということになるだろう。
実際に、
「自分たちに直接的な非というものがない」
ということで、他人事なのかも知れず、
「とりあえず、表向きに対応さえしておけば、それで問題がない」
と思っているのかも知れない。
しかし、ここまで極端に私鉄に比べて多いとなると、根本的に何か理由があると考えて対応しないと、結局、今のままの状況がずっと続いて、
「社会問題を恒久的に放っておいた」
ということで、問題になるだろうといえるだろう。
それを考えると、
「そのような国鉄の旧態依然とした考え方や態度が、恨みの根底にあって、この連鎖が止まらない」
と言ってもいいのではないだろうか?
そこに、
「自殺菌」
というものが、何らかのワルさをすることで、国鉄に対しての恨みが絡んでいるというのは、無理なことなのであろうか?
もちろん、逆恨みには違いないのだろうが、問題は、そこではなく、
「他人事のように考えてしまう、公務員気質に問題がある」
ということではないのだろうか?
大団円
ここまで国鉄に関して、
「国鉄が悪い」
という書き方をしてきたが、確かに、問題がないとはいえないが、何かの意図がそこに絡んでいるということもあり得るのではないだろうか?
そして、今回の事件においては、
「何か、裏の組織が絡んでいるのでは?」
ということを言っている、
「ジャーナリスト」
がいるようだった。
その人は、実は、
「この事件と関係のない」
というところで、しかも、この街とはまったく離れたところで、死んでいたのだ。
しかも、
「死体は見つからない」
という形の方法で殺された。
そういう意味で、実は、
「今回の自殺をめぐる事件」
というのは、この、
「ジャーナリストが殺された」
というところから始まっている。
いや、もっといえば、
「このジャーナリストがなぜ殺され中ればいけなかったのか?」
というところから起こった問題だということにもなるだろう。
だから、今回のこのお話の肝としては、
「表に出てきている被害とは別に、最初に一人が殺されていて、表に出てはいない」
というところからきているのであった。
ただ、この、
「ジャーナリストの殺害事件」
というものと、今回の、
「二件の自殺」
というものが、どう結びついているか?
ということであった。
鉄道自殺の男性は、
「このジャーナリストの死」
というものを探っていた。
彼は、実は、
「影のジャーナリスト」
と言ってもよく、
「殺されたジャーナリストに、情報をもたらして、金を得ていた」
という、警察でいえば、
「情報屋」
のような存在だったといえるだろう。
だから、最初のジャーナリストが殺されたとしても、
「それは、殺害者たちの本当の目的を果たした」
ということではない。
彼らの目的としては、
「殺された男だけを殺してもどうしようもない」
ということで、問題は、
「情報屋だ」
ということで、彼らの情報網で、その情報屋というものを突き止めたのだ。
そして、しかも、その情報というものが、ちょうど、
「自殺菌というものの開発に関すること」
ということで、
「完全ではないが、自殺菌というものを使って、手段を講じることができるようになった」
という組織から、それを買い取るということを、ジャーナリストは、スクープしようと計画をしていたのだ。
ただ、これに関しては、
「かなりセンシティブ」
であり、
「自分の身も危ない」
ということで、
「いろいろ手段を嵩じる必要がある」
と考えられた。
そこで、
「ジャーナリストを、人知れず殺害する」
ということを皮切りに、
「自殺菌のテスト」
ということで、今回の川崎という、
「一番死んでほしい」
と考えていた男に使うという皮肉であるが、
「成功すれば、完全犯罪」
ということを考えたのだ。
そもそも、表のジャーナリストが死んでしまっていて、ジャーナリスト界隈では、このような、
「裏のジャーナリスト」
というものの存在が、
「世間に露呈すれば、ろくなことはない」
ということになるだろう。
なぜなら、
「この男が俺たちとかかわっていることが分かれば、ジャーナリストの立場が地に落ちて、ほぼ全員が、路頭に迷う」
ということになり、それが社会問題となり、
「国民皆が、何を信じていいのか分からない」
ということになってしまうといえるだろう。
それを考えると、
「絶対に、何があっても、彼の存在は隠し通すしかない」
というのが、
「ジャーナリスト業界での常識」
ということであろう。
それを組織も分かっているので、あえて、
「自殺という手を行うことで、ジャーナリスト業界が、慌てないように細工をした」
ということ、
そして、
作品名:自殺菌がかかわる犯罪 作家名:森本晃次