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自殺菌がかかわる犯罪

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「いざとなった時、この話を持ち出して、自分たちに優位にしよう」
 と考えたのだった。
 これは、
「悪の密約」
 という意味で、(このお話における)
「ジャーナリスト業界」
 というのは、
「悪の組織」
 と同等か、あるいは、
「それ以上に、したたかな連中だ」
 と言ってもいいだろう。
 もっとも、最初に、
「ジャーナリストを人知れずに殺し、死体を発見できないところに捨てた」
 ということが、計画の中での大きなミソになっているということから、
「ジャーナリスト業界に比べても、一歩上をいく」
 と言ってもいいだろう。
 そんな二組がタッグを組んだのだから、なかなか警察のような、
「おおざっぱな捜査では、なかなか事件が露呈することもないだろう」
 と思えた。
 しかし、その割に、最後の、
「ビル転落事故」
 というのに関しては、そこまである程度完璧だったものから考えれば、
「これほどお粗末なことはない」
 と言ってもいいだろう。
 しかも、この事件において、
「ビルの下を歩いている人に当たって、死んでしまう」
 ということになり、大きな社会問題となった。
 そもそも、
「どうしてこの自殺が起こったのか?」
 ということであり、これは、悪の秘密結社からすれば、
「計算外の出来事だった」
 といえるであろう。
 この自殺菌について研究している男が実はいたわけで、この男からすれば、自殺菌の存在を分かっていたので、
「組織と、ジャーナリスト界隈のかかわり」
 というものを分かっていて、そこまで分かっていれば、おのずと、
「この一連の事件というののが見えてくる」
 ということであった、
 何しろ、本来であれば、
「表に絶対に出てはいけない」
 と言われる、
「ジャーナリストの死」
 というものが分かったのだ。
 自殺菌を同じように立場は違えども、注目している相手が、いきなりの失踪。そのことに疑問を感じた人は少なくないだろう。
 そのため、
「最後の被害者」
 となった彼は、
「悪の組織」
 というものを脅迫に罹ったのだ。
 彼が考えていたこととして、
「自分がまさか、自殺菌で殺されるということは考えていなかった」
 というのは、
「この自殺菌の効果は、まだまだ未知数で、最初の自殺に関してはうまくいったので、次回こそ危ない」
 という考えを持っていたのだ。
 しかし、組織の方は、逆に、
「最初にうまくいったので、今回も大丈夫」
 ということでタカをくくっていた。
 確かに、
「彼を自殺させる」
 ということには成功したが、その成功の裏には、
「綱渡り的なものがある」
 ということを、それぞれに認識違いをしていたと言ってもいいだろう。
 だから、
「飛び降り自殺」
 に関しては、実におかしな形になり、
「お粗末だ」
 ということで、
「何かおかしい」
 と感じさせた。
 飛び降り自殺をした男は、実は遺書はなかったが、遺書のかわりに、自分の家のパソコンに、
「自分が殺されるかも知れない。そして自分を殺すとすれば」
 ということで、悪の組織のことを話していたのだ。
 ただ、一つ問題としては、
「川崎が生き残ったことで、組織は、とどめを刺さなくてよかったのか?」
 ということが懸念されたが、彼らが捕まってから、首謀者とすれば、
「川崎は記憶喪失になったわけだが、この自殺菌の副作用で、記憶喪失というのがあるということなんだ。そして記憶喪失になると、記憶は絶対に戻らないと言われているので、記憶が川崎にはないということが分かったところで、我々には、川崎相手ではなくなったんだよ。だから、逆に最後の自殺者に対して、安心感ができたことで、結果として、波高計画が狂ってしまい、お粗末になったというわけさ」
 ということで、結果として、
「すべて、最後が余計だった」
 ということになるのだった。
この事件の、悪の組織というのは、元々は、
「国鉄に恨みを持っている連中の集まり」
 ということであった。
「完全犯罪なんて、そう簡単にできるものじゃないさ」
 と、この時かかわった人全員が、そう感じたことだろう。
 そして、実は、川崎も同じことを感じていたのだが、それを知っている人は誰もいなかったのであった……。

                 (  完  )
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作品名:自殺菌がかかわる犯罪 作家名:森本晃次