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死ぬまで消えない十字架

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 と考えるが、その間に、
「夢というものを、そもそも見たのか見ていないのか?」
 ということの感覚が、
「覚えているかいないか」
 という感覚と、別のものだと考えると、
「考えていることが、ループしているように思う」
 と考える。
 ループということであれば、
「毎日を繰り返す」
 ということが、そもそも、夢だと考えると、
「夢自体が、思考の先にあることだ」
 と考えてしまい、
「夢は潜在意識が見せるもの」
 と言われるが、実際には、
「思考の中で見るものだ」
 といえるものではないかと考える。
「同じ日を繰り返している」
 というのは、
「夢の典型のようなものではないか?」
 と考えてみたが、これを、
「タイムループ」
 と考えると、少し辻褄が合わないということで、夢の世界と考えるのは、無理なことであろうか?
 というのは、
「タイムループ」
 というのは、もう一度、過去に戻って、やり直すことができるという発想であり、それは、
「何度でも繰り返すことができる」
 という、
「タイムスリップもの」
 ということの中で、
「一番都合のいいもの」
 という考えに至ることであろう。
 しかし、
「そんなに世の中甘くない」
 と考えると、そのタイムループというものが、
「自分の発想の外で行われることだ」
 と考えると、
「これほど恐ろしいことはない」
 ということだ。
 しかも、
「果たして、過去に戻った自分が、精神だけが戻って、昨日の自分に入り込んでいるということになるのだろうか?」
 という、いわゆる、
「タイムリープ」
 という発想になるのか、それとも、
「過去に戻った自分というのは、身体も精神も一緒に時空を超える」
 ということで、
「タイムスリップ」
 のようなものではないかということである。
「タイムスリップ」
 というものであれば、それは、
「もう一人の自分が、同一次元の同一時間に存在する」
 という、
「タイムパラドックス」
 というものを引き起こすだろう。
 しかし、
「昨日を繰り返している」
 ということが分かるのだから、
「タイムスリップではない」
 ということになる、
 なぜなら、
「まったく同じ光景を見る」
 という必要があるのだから、見ている自分は昨日と同じでないといけない。
 つまりは、
「同じ位置から見るなら、タイムリープでなければいけない」
 という証明になるのだった。
 だが、
「同じ日をくりかえしている」
 ということは、
「ドッペルゲンガーではない」
 ということになる。
 もちろん、一つの世界が、
「果てしない」
 ということであれば、
「同じ空間の別の土地に、ドッペルゲンガーというのがいない」
 とは言えないだろう。
 しかし、理論的に考えると、
「ドッペルゲンガーがいないという証明になる」
 と考えられる。
 ただ、一つ、気になったことがあった。
 それは、同じ日を繰り返して、もう一度、同じ発見をしたという感覚になった時である、
 それは、最初の
「タイムループ」
 の時だったのだが、次からは、そんな感覚はなかった。
 なぜなら、最初に、
「気になった」
 ということであるから、次の日にも、また次の日にも、同じことを考えて当たり前だからであったのだ。

                 大団円

 その疑問というのは、
「そういえば、あの時、最初に発見した時に、女の悲鳴が聞こえた気がしたのだが、その女はどこに行ってしまったのだろう?」
 ということであった。
 桜井という男も、
「その悲鳴を聞いた」
 というではないか。
 それなのに、悲鳴を上げたその人が、その場にいないということは、どこかに行ってしまったのだろうが、そもそも、死体が発見されたのは、天守台近くの本丸だったではないか。
 つまりは、
「彼女が怖くなってどこかに行ったのだ」
 とすれば、少なくとも、
「二の丸から、三の丸を抜けて、大手門を抜けなければ、表に出られないだろう」
 ということになると、
「桜井か、田島巡査と出会わなければおかしなはずだし、出くわさないということは、ン何を意味しているというのだろうか?」
 その女が、そもそも、どうしてそこにいたのかというのも疑問である。
 そうなると、
「二人はそもそも知り合いだった?」
 とも考えられるし、もっといえば、
「殺したのは、その女ではないか?」
 ともいえるのだった。
 そんなことを考えていると、
「殺された片桐という男は、精神疾患があったという。それがどういうことからだったbのか?」
 ということを考えると、
「異常性癖の行き過ぎではないか?」
 ということからであった。
 ただ、精神疾患というのは、異常性癖になる前からだったということで、
「精神疾患が、異常性癖を生み出した」
 と言われるようになったのだ。
 しかし、実際には、最近になって、
「彼の異常性癖は、常人に受け入れられるものではないが、精神疾患から患ったものではない」
 と思える。
 実際に、
「彼の異常性癖は、カリスマ性があって、その考えに陶酔している人もいて、本当に、異常性癖で片付けていいものかどうか?」
 と考えている人もいるという。
 そんな彼を好きになった女性がいたという、その女性は、実は最近死んだという。
「自殺だった」
 ということだが、その理由は分からなかった。
 彼女は、いつも、片桐を見舞っていたということであるが、彼女がいうには、
「彼が精神疾患になったのは、私のせいだ」
 と言っていたという。
 ごく親しい人だけに話していたことであったが、
「彼と喧嘩して、一度突き飛ばしたことがあって、その時頭を打ったのが原因だと思っているようだ」
 片桐は、
「そんなことはない」
 と言って、彼女を労っていたが、何といっても、
「精神疾患になってしまった相手に、ねぎらいの言葉を掛けられても、信憑性がないということになり、その言い分が、堂々巡りを繰り返してしまう」
 ということであった。
 その彼女が、堂々巡りを繰り返していたが、その時、
「私は、片桐さんと同じ運命を歩むのかも知れない」
 ということを、その友達に話して、それからすぐに自殺をしたという。
 そして、その時、
「ほんの少しだけど、あの人よりも先に、あの世に行っているわ」
 といい、その後、
「これで私は救われる」
 と言ったのだという。
 桜井が聴いた、その女性の悲鳴であるが、
「ひょっとして、死んだ彼女だったのではないか?」
 と思った。
 実は桜井という男、死んだ片桐とまったく面識がなかったわけではない。
 むしろ知っていて。その日も、
「後をつけていた」
 のであった。
 というのは、
「最近眠れなくなった」
 と思っているその時、
「同じ日を繰り返している」
 と思うようになったことに気づいた。
 その原因を、
「精神疾患として闘病生活をしている、
「片桐との関係」
 という思いが頭をよぎったのであった。
 そして、同じ日を繰り返していると思った時、
「その世界の中でいつも出てくる女が誰なのか?」
 と思うようになった。
 確かに、毎日を繰り返している中で、一人の女がいたのだ。