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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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「なんか他にないのか。その噂に関する話。どんなことでもいい。とられるやつの共通点とか」
「そう言われてもなあ…うーん…」

伊吹が必死なので、畠山も頬杖をつくのをやめ真剣に考えてくれている。こいつはよほど幽霊が怖いのだろうか可哀想に、とか思われていそうだ。

「あ、これ関係あるかわかんないけど。失せ物が出たやつはさ、急にわらべうた遊びをしたがったらしいぞ」
「わらべうた?」

急に予想外の言葉が飛び出した。

「全員がそうだったみたいじゃないんだけど、かごめかごめだの、だるまさんが転んだだの、あーぶくたっただの、花いちもんめだの…そういう遊びをしたがったみたい」

意味わかんないよな、と畠山は言う。しかし伊吹には、何か意味のあることのように思えた。どれも少女が好みそうな遊びな気がする。

(後ろの正面…だあれ…)

瑞は、「かごめかごめ」で力をとられた。
失せ物が出た部員の中にも、瑞と同じように霊感のある人間がいたのかもしれない。遊びを通してとられたのだから、遊びを通して取り返そうとした?
かごめかごめは、鬼が背後の人物を当てる。だるまさんが転んだは、鬼に捕まらないよう鬼のところまで到達する。あーぶくたったは…確か、鬼が周囲の声を捕まえる遊びではなかったか。花いちもんめは、ふたつのチームに分かれ、互いが特定の子を指定し、ジャンケンで取り合うという遊びだ。

(遊んでいるのか…あそこにやってきた人間を相手に)

興味のある相手に一方的に遊びを仕掛け、そして、負けた者からは奪っていく…。伊吹の頭にはそんなイメージが沸いた。

チャイムが鳴った。

「こんなんで、なんか参考になったか?」
「うん、ありがとう…」
「おばけ怖いかもだけど、おまえんとこの弓道部の副将ってあれだろ?陸上部の天谷(あまたに)とつるんでゴーストバスターズしてんだろ?だからそんな心配すんな」

大変な誤解が生まれている上、いまやゴーストバスターどころかおばけも見えないのだが。訂正するのも面倒なので、伊吹は再度礼を伝えて自分の席に戻った。





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