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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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野球部の畠山とは同じクラスだから、伊吹はさっそく休み時間に声をかけてみた。野球部主将の彼は、このご時世でも坊主頭を貫くスラッガーである。昼休みも放課後も彼らは忙しい。短い休み時間ではあるが、この前の主将会議のときの意味深な忠告の意味も含めて聴く必要がある。

「過去、あそこの寮生は失せ物が出るおばけ寮なんて呼んでたみたいだ」

畠山は頬杖をつきながら答えてくれる。外は雨が降っており、放課後の練習メニューが気になるのか天気を気にしている様子だった。

「おばけ、出るのか…」
「みたいだよ。俺は霊感ないからわかんないけど、部員の中でも絶対近づきたくないってやつもいるんだ。グラウンドに近いから練習試合のときとか、そこを物置に使うこともあるんだけど、昼間でも怖いんだとさ」

そんな場所で我らは、大事な大会前の合宿を行うのか…。伊吹は憂鬱な気分になってくる。

「それで…失せ物が出るって言ってたろ?あれって何なんだ?」
「失せ物っていっても、物じゃなくてさ。俺がきいたのだと…すげーストレート投げる投手が、急に球威が出なくなったとか。あと、走るの速かった部員が急にその力が発揮できなくなったり…柔軟性を失くした人とかもいたみたい」
「つまり…感覚や身体能力を持っていかれる?」

瑞の場合は、第六感だ…。

「そういうことだろうな。中には、すごい強運で有名な部員がいたんだけど、まるで運を使い果たしたかのごとくアンラッキーになったりしたって。他には…急に愛想悪くなった部員がいて、、きっと明るい性格をとられたんだって言われてたらしい」

そんなものまで失ってしまうのか。結構深刻ではないか。しかしそういったものの喪失は、努力不足、気の迷い、ストレス、思い込みなど、心霊現象ではなくても説明がつくものだから、大人は相手にしなかったのかもしれない。

「それで…それってどうしたら返してもらえたんだ?」
「返してもらえないままらしいよ。永遠に」

おいおい、それじゃあ困るんですけど。うちの副将があの調子では、大会はもちろん、彼自身の日常生活にも大いに支障が出てしまう。というかもうだいぶ出ている。