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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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そうだんしましょ



「いやいやそれ俺のですから!!」

食堂に突如響き渡った声に、郁は驚いて振り返った。二時間目の数学の時間だった。離れた席の瑞が、謎の言葉を発して突然立ち上がったものだから、教室は笑いに包まれた。

「何を言っとるんだおまえは。静かにせんかいな」

教師に苦い顔をされ、瑞ははっと我に返ったような表情のあとでスミマセンと言って座った。

「寝とったんか?兄ちゃんに言うたろ」
「先生ごめんなさい!お願いだから言わないで!」

郁は慌てふためく彼の姿を見て心配になってくる。感覚の一部を奪われてしまった彼は、颯馬いはく「ポンコツ」とのことで、日常生活にも支障が出るらしいのだ。それにしたって授業中に寝るのは彼らしくない。もしかしたら、昨夜もあまり寝られなかったのかもしれない。家の中に女の子がいると、そう言っていた。大会を前にこんな調子では、と伊吹も心配していた。

颯馬と伊吹が、それぞれ解決のための手がかりを探しているとはいうのだけれど…。

(合宿が始まるまでに戻るといいけど…)

力がないからというよりは、それがないことによる不安からポンコツになっているような気もする。
とにかく一刻も早く、いつもの彼に戻れるといいのだが…。




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