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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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欲しかったものを並べて、飾り棚にきれいに飾って、こうして眺めているのが好き。わたしはうっとりと肘をつき、壁や棚をみてため息をつく。

あれは美しい歌声。
こっちは綺麗な絵を描く指先。
お気に入りなのは、風の様に走れるカモシカのような足。
淀みなく溢れる美しい言葉を紡ぐ口も、とても素敵。
これは菩薩のような優しく強く、広い心。
その隣にあるのは、誰かを愛していると強く思う気持ち

他にもたくさん。うんとたくさん。欲しいな、いいなと思ったものは、手に入れないと気が済まない。だってそれは、わたしがどんなに望んでも手に入らなかったものだから。

なんてきれい。なんて美しいのだろう。
全部わたしが欲しかったもの。やっと手に入れられた。

そして新しく手にいれた「これ」。世界がとても美しく視える瞳。水面が虹色に踊るなんて。曇り空の向こう側に光が差すなんて。汚い世界、汚れた視界に、薄くて美しいベールがかけられたみたいな視界。

返してなんて、やるものか。どれもこれもわたしのもの。
わたしのことを、誰も思い出してくれない。知ってくれないじゃないか。

だから、返してやらない。この美しい瞳はわたしものだ。だってわたしには、ほかになにもないのだから。

だけど。
だけど本当に欲しい物はこれじゃない。わたしはもうわかっている。絶対に絶対に叶わないわたしの願い。


だれかに、わたしの名前をよんでほしい…












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