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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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「氏家さん、高校の向かいの雑木林、昔野球部が寮にしてたって知ってる?」

地域の高齢者なら、きっと詳しいはずだと颯馬は尋ねた。

「ああ。あったなあ。わしらが高校生のときは、野球部はそこで生活しとったな」
「今度、俺らも合宿で使うんだけど、すげー古いんだよね」

懐かしいなあ、と氏家は目を細める。彼もまた、狐の加護するあの土地で、青春時代を送ったのだ。

「あの寮は女の子の幽霊が出るって有名だった。わしも肝試しにいったことがある」

やはりかなり昔から「出て」いたようだ。

「あの寮にいくと失せ物が出る。大事なものは握りしめておけ、なんて言われてた」
「失せ物ね…お金とか?」
「そういう物理的な物もあったみたいだけど、他にもなんか言ってたなあ…思い出せんが」

瑞以外にも、「とられた」人間がいるのだ。失くした、ではなく取られた、が正しいのだが、不可思議なものが視えない者たちにとっては失くしたとしか言いようがないのかもしれない。

「あのへんは場所もあまりよくないって言うなあ。寮のあたりは郊外で、戦時中の空襲は免れたんだけど、雑木林には病院だか収容所があってたくさん人が死んだ場所って死んだ親父が言ってたなあ」

なるほど、幽霊が出るという話には根拠があるようだ。

さて、どうしたものか。

颯馬は茶をすすって考える。










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