失せ物探し 探偵奇談26 後編
「ええ、まあ、はい…」
本当に?瑞は疑わしい。かっこわるい、余裕のない自分を見て、この子幻滅してないか?
「そうですね…なんていうか、間の抜けてるところ、新鮮ですね」
照れたように笑う顔に、瑞はうぐっと顔を歪める。なんなのこの子、ときめいてしまったではないか。
「ねー早くしない?外真っ暗だよ?」
颯馬に言われてにやけそうになる顔をきゅっと戻す。薄暗かった窓の外は、もう漆黒だった。雨の音が静かに響いてくる。
「瑞くんが鬼。俺ら三人が回る役ね」
颯馬がてきぱきと指示をする。言われた通り、しゃがみこんで両手で目隠しをした瑞だったが。
「え待って」
「うん?」
「おまえ繋ぐの?手。一之瀬と」
「そりゃ繋ぐよ。そういう遊びだもん」
ねー郁ちゃん!と颯馬がルンルンしているものだから、瑞はまたイラッとしてしまう。
「なに瑞くん?なにか問題?うん?」
「……」
なんかやだ、とも言えず、しぶしぶ屈みなおす。
「え?え?なに?」
キョトンとしている郁と、笑いをこらえているであろう伊吹の顔が、ランタンの明かりに照らされている。小学生か俺は。いつもならもっと平然と振る舞えるはずなのに!
「じゃあいくよ。せえの」
かごめかごめ かごの中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀がすべった
後ろの正面だあれ
ホールに響き渡る三人の声。後ろに座った者が「だーれだ」と問うた。瑞は目隠しをしたまま答える。
「…颯馬だ」
「正解〜」
作品名:失せ物探し 探偵奇談26 後編 作家名:ひなた眞白