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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 後編

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颯馬は寮内を見て回る。いくつか、魂の残滓が感じられるものを見つける。

動物の剥製。
食堂に貼られた、昔の清涼飲料水のポスター。
談話室に置かれた一冊の古い本。
管理人室に飾られている歴代の寮長の写真。
壊れて使用できないブラウン管テレビ。
階段の踊り場にある大きな鏡。
他にも数か所。

(…なるほどなあ、全部「生きた人間が見るもの」だ。目があった瞬間に通い路を作って憑くというわけか)

氏家が眼鏡の話をしていたっけ。少女は器を変えながら、「特別な何か」を持つ人間を探していたというわけだ。奪われる人間はおそらく、多少なりとも少女の気配を感じられる者だと言える。普通の人間は、剥製だの鏡だの肖像画だのを見たところで何も感じない。少なからず少女の念を感じ取ってしまったものだけに、そちらがわとの道が開かれてしまうのだ。もっと言うなら、「そちらを見る様に導かれている」可能性もある。瑞があの写真を見てしまったことは、偶然ではないのだろう。

言われた通りに風呂掃除をしてから帰ることにする。タイル張りの古い浴槽を持たされた洗剤とブラシでこすりながら、颯馬は考える。

(彼女はいま、瑞くんに憑いているからここにはいない。器になっているのはあの写真だけど…写真を供養したところで、少女はまた別のものを器にするだろう)

どうすればいいのだろう。何が望みで、何がしたいのだ?颯馬の持つ力ではそこまでわからない。自分は死者よりも神様に近いのだ。そういったことを導き出すのは、いつもは瑞の役目なのだけれど。

(伊吹先輩は、何かわかったかな)





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