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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 前編

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埃をかぶったその段ボールの大きさは一抱えほどある。ふやけているようにぼこぼこだった。ものすごく古い気がする。

(なんだこれ…誰かの私物か…?)

中には新聞紙にくるまれたコップや皿などの食器類や、用途不明の竹筒などの雑多な物が詰め込まれている。発行年が昭和の古い古い時刻表、、こけし、おそらくもう使えないであろう多種多様な錆びた電池、ぼろぼろの小銭入れ、電卓。田舎のおばあちゃんの家にある、棄てずにとってある不要物、といったラインナップである。

(捨てていいのかなぁ。だいぶ古いし、もう持ち主が取りに戻ることもないと思うけど…)

中身を一通り床に出した瑞が、段ボールの底に小さな箱を見つける。厚みは殆どなく薄い箱で、大きさはタブレットくらい。埃だらけであるが、お菓子などを入れる缶のような古めかしい花柄が確認できる。

箱の両側面は、ガムテープで封じがしてあった。これも年季が入っており、はがれかけた端の方は風化して粉々になっている。

(あ、まずいかも)

つつくように指先で触れた瞬間、全身にやばいという危機感が走るのがわかった。触れた箇所のガムテープが、まるで溶ける様に千切れる。力など全く加えていないのに。開けることを仕組まれているような感覚に、瑞は周囲から一気に音が消えていくような違和感を覚える。

封じてあったものを、開いてしまった…。

これは良くなかったかもしれない、と思うがもう遅い。

そっと中を開く。一枚の古びた写真が置いてある。視界に入れた瞬間。心臓を起点に身体の内側が冷えていくような感覚に顔を歪めた。モノクロの古い写真だが、不思議と傷みはなく綺麗に思えた。

映っているのは、絵だ。古い日本人形の絵。それを撮った写真だった。

少女人形。細い目、眉、色はわからないがおそらくは晴れ着を着ている。流れた黒髪、ほつれた一房が眉間を流れ口元に落ちている。古い人形だろう。モノクロの目が爛爛と見開かれ、期待を込めた目でこちらを見ているような感覚。目が合ってしまった。薄気味悪さをごまかすように口元見ると。

「!」

反射的に蓋をしめ、跳ねた心臓の鼓動を必死に落ち着かせる。

いま、口元が動いた。何か、喋った気がする…

「須丸、どうしたー?」
「え、あ、」

背後から声をかけられ慌てて振り返る。音が戻っている。