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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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失せ物探し 探偵奇談26 前編

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「つまり須丸くんは、おばけを視る力をとられたっていうの?」

昼休みの食堂。瑞の異変を聞きつけ、郁は伊吹、颯馬とともに中庭に集まった。瑞が不安そうに頷いている。晴れたいい天気である。柔らかい草の上に座った一同は、瑞から詳しい話を聞いて驚愕した。おばけが視えなくなったとは一体どういうことなのだろう。

「わかんない…視えないし、感じない。聞こえないし、とにかくわかんない」

わかんないを連呼している。郁らにはない彼の力がその身にどんな作用をもたらしているかなど想像もつかない以上、瑞の言葉に頼るしかないのだが、瑞もうまく説明できないようだった。郁は彼のそばで幾度も不可思議な体験をしてきたが、瑞の力で解決した事件は数多く、それが原因となって起きたトラブルもまた多かった。

「視力や眼球に問題はないのか?」

伊吹に聞かれ、うん、と瑞は自分の両手のひらを見つめる。目に痛みはないし腫れているとか外傷があるわけでもない。視力も同様に問題がない。ただ、これまで視えていたものが視えない、感じられないということになる。

「ひえー、おばけの視えない瑞くんなんて、何の役に立つのって話だよねえ」

颯馬は面白がっているのかそんなことを言うので、郁はハラハラしてしまう。大変失礼である。しかし瑞はその嫌味にも言い返す元気がないようだ。

「感覚…っていうのかな、今まで五感以外のもので感じていた世界がわかんなくなった感じ。いるな、とか、このままじゃ危なそう、とか、同じ帰り道なのにいつもの道と何か違うな、とか。そういうの。それから匂いとか、気配とか、俺そういうのに結構敏感だったと思うんだけど…なんか五感も鈍くなってるぽい…」

彼が生活するうえで、霊感に頼る部分が多くを占めていたということだろうか。彼の霊感は、五感を補っていた力なのだ、と言い替えることも出来る。

「でも須丸くん…オバケが視えないって、いいことなんじゃないの?」

郁は言った。怖がりな郁は、霊感があったらどうしようとさえ思うのだ。しかし郁のそんな言葉は、颯馬によって一蹴される。