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未来救世人

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 という研究も行われていた。
 そもそもが、
「忍者の研究」
 ということで、その研究が、ここ、
「山岸研究所」
 というものの、存在意義であるということを考えてのことであった。
「河原にある無数の石ころ」
 というものを見ていると、
「どんなに注目しても、その形がそれぞれ、明らかに違っている」
 としても、その一つ一つを見ている方が意識するということはない。
 といえるだろう。
 これが、人間ということで、たくさんの人が集まって、群衆を作っているとしても、それぞれに、その違いというものを、無意識に感じることができると言ってもいいだろう。
 つまりは、
「男女の違い」
「年齢層の違い」
 ということで、どんなにたくさん人がいたとしても、分かっている範囲で、
「それを区別しよう」
 という意識が人間の中にはある。
 ということであった。
 それが、
「潜在意識」
 というものなのか、それとも、
「本能」
 というものなのか、そのあたりは曖昧であろうが、それだけに、
「無意識でありながら、意識している」
 ということになるのではないだろうか?
 それは、
「人間だからできる」
 というもので、人間以外の動物であれば分からない。
 例えば、ペットの犬を見て、
「パッと見で、オスなのかメスなのか?」
 あるいは、
「年齢層は、人間でいえば、いくつくらいなのか?」
 ということは分からない。
 人間であれば、
「性別、年齢層」
 が分かるということで、
「好きなタイプかどうか?」
 ということも分かるというものだ。
 好きな相手であれば、
「性的欲求」
 というものが生まれてきたりする。
 ただ、これにも、
「表裏の問題」
 というものがあるというもので、表向きの、
「好き同士であれば、結婚して、子供を作る」
 というのは当たり前のことということで理解もできるが、これが裏ということになれば、
「性的欲求を満たす」
 という、
「本能的な感情だけで動いてしまう」
 ということもあるだろう。
 というのは、
「相手のことは関係なく、自分の欲求を満たすだけのために、行う行動」
 という、
「性的犯罪」
 ということになってしまう。
 それが、昔から問題となっている、
「レイプ」
 であったり、最近では、
「ストーカー問題」
 などというものに発展し。それに、
「盗聴、痴漢」
 などという問題も孕んでしまうことによって、
「社会問題に発展し、それが、性犯罪の発生」
 ということになってしまうのだ。
「表裏の関係というのは、まったく正反対であるが、一歩間違えれば、どちらにも転ぶ可能性があるという、神人で」
 ということになるであろう。
「山岸研究所」
 というとことでは、
「犯罪の撲滅」
 ということを問題にしているのではなく、その、
「発生メカニズム」
 というものを研究していると言ってもいいだろう。
「原因が分からなければ、解決策も見いだせない」
 ということであるわけだが、実際に、
「問題の解決」
 ということの手始めとして、
「発生メカニズムの解明」
 ということが必須であるということは分かっていて。それでも、
「何らかの形で、解決に向けての答えを導き出さなければいけない」
 ということになると考えると、
「発生メカニズム」
 というものを、中途半端な状態にすることで、それ以降の、
「どんどん難しくなる」
 という状況に、最初に曖昧にしたことで、最後まで曖昧にするということしか、
「その方法がない」
 ということになってしまうのであろう。
 だから、
「山岸研究所」
 は、曖昧なままであるという結論が出るのであれば、
「それはそれで、立派な結論だ」
 ということになり、その先に進まない」
 と考えていたのだった。
 これは、
「曖昧なまま」
 という意味でも、先に進むというわけではないので、
「山岸研究所」
 というところは、
「表に見えること以外で、結論を求めるようなことはしない」
 という組織ということで、確立されているのであった。

                 超能力少年

「人間は、脳の中の10%しか使っていない」
 ということを、ずっと昔から言われていて、それを、
「脳の10パーセント神話」
 と言われているという。
 だから、
「人間はこの未使用の潜在能力を解放することで知能を高めることができる」
 ということのようである。
 確かに、脳の中にある潜在能力というものを考えると、
「超能力者」
 あるいは
「エスパー」
 と言われる人がいても、おかしくはないということであろう。
 だから問題としては、
「その限界がどこにあるか?」
 ということなのかも知れない。
「人間は、今の能力を引き出すことで、さらに、知能を高めることができる」
 ということであろうが、
「それが限界のあるものなのか、それとも、無限なのか?」
 ということが問題だという。
 そもそも、
「脳の10パーセント」
 と言われているというが、
「この計算は、分母と分子の大きさ両方が分かっていなければ、計算できるものではない」
 ということである。
「分母というものは、目に見えているものだ」
 ということなので、その存在を解き明かすことくらいは、不可能ではないだろう。
 しかし、分子の場合は、その果てがどうなっているのかが分かっていないと出てくる答えではない。
 そこに、
「限界があるのか?」
 あるいは、
「無限なのか?」
 ということから考えると、その理屈から、
「何故、10パーセントという数字が出てきたのか?」
 ということになる。
 漠然としたものではなく、何かの根拠というのはあるのかも知れないが、そもそもの、
「限界があるのか?」
 それとも、
「無限なのか?」
 という大前提部分が分かっていないのであれば、その答えが出てくるはずがないと言ってもいいだろう。
 そんな中、
「自分には、超能力をというものが備わっている」
 という自覚を持っている人が、
「山岸研究所」
 を訪ねてきた。
 彼は、
「最初から、その能力を使う」
 という観点はさらさらなく、
「他の人と同じではない」
 ということに不安を感じているだけの、
「小心者だ」
 という自覚を持っていたのであった。
 その人は、名前を、
「犬飼聡」
 という。
 犬飼は、まだ高校生で、来年受験を控えているということで、それまで、曖昧な感覚で、不安に感じていたことであったが、受験というものを意識した瞬間、
「その不安が爆発した」
 ということのようだった。
 最初は、誰にも相談できず、一人で悶々と悩んでいたという。
「俺、超能力があるかも知れないんだ」
 などというと、間違いなく、
「何をバカなことを言っているんだ」
 と一蹴されるに違いないということを感じていた。
 それを感じた最初の相手が、
「両親だ」
 ということを思えば、
「この悩みを誰にも話すわけにはいかないのではないか?」
 と考えたのだった。
 そして、
「これをもし友達にでも話せばどうなるか?」
 とも考えてみた。
 そこで最初に感じたのは、
「他人事」
 ということであった。
作品名:未来救世人 作家名:森本晃次