青い瓶(本人登場)
私はその顔つきに、表情に心当たりがあった。
心がすり減ってまるで動けなくなったあの頃、ただ部屋の中だけが私を守る空間であると信じるようになったあの事件――。
揺らぐ私はあのとき、あのころに鏡の中で見た私と、まったく同じ顔をしていた。
「ああ、そうか」
私は声を漏らした。その瓶の中に閉じ込められていたのは、私自身の過去の記憶だったのだ。時間の流れに押し流され、忘れ去られた思い出や感情が、あの青い光の中に封じ込められていたのだ。
私はその瞬間、瓶を再び見つめた。
だが今度は、恐怖や不安ではなく、むしろ安堵のような感情が胸に広がった。
それは、私の過去がようやく自分のものであることを認めてくれたような気がしたからだ。