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黒歴史と普通という感覚

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 と先生から訂正されたものだ。
 しかし、その当の先生から。
「どうして、日射病ではないのか?」
 という理由を聞かされることはなかった。
 つまりは、
「先生もその理由を知らない」
 ということになるのだろう。
 先生から注意されたこともあって、使ってはいけない言葉という認識から、家で日射病という言葉を使われても、それについて否定はしなかったが、家以外で話す時は、熱中症という言葉を使うようになった。
 何といっても、先生がわざわざ訂正したからである。自分は、わざわざ訂正しようとはしない。それは、気を遣っているからだということになるのだろうが、それよりも、変に訂正し、何か言われるよりも、目で、
「余計なことを言うな」
 と言われることがショックだったからだ。
「目は口ほどにものをいう」
 というが、子供の頃の自分は、そのまわりの視線が怖かったのだ。
 ちなみに日射病というのは、
「読んで字のごとし」
 ということか、
「直射日光を頭に浴び続けると、その影響で、頭痛がしたり吐き気がしたりすることがある」
 というものである。
 だから、おばあちゃんが、
「帽子をかぶりなさい」
 というのは正解であり、決して間違ってはいない。
 しかし、最近では、
「日射病というよりも、熱中症」
 という症状を引き起こす人の方が多いようで、熱中症というのは、
「暑熱環境における身体適応の障害によって発生する状態の総称」と定義されます」
 ということのようだ。
 そして、日射病は、熱中症の、
「最重症状態のことをいう」
 と定義されている。
 だから、今の熱中症は、何も暑くて、晴れた時に、表にいた時だけになるものではない。
 夜、寝ている時になることもあるというくらいで、
「直射日光を浴びた時だけに発症する日射病というもの」 
 という限定された状態で引き起こされることで、重症化するということだ。
 そういう意味で、熱に対して、今の人間の身体は、多岐に分かった反応してしまうということになるのだろう。
 だから、身体が耐えられるかどうか、それが問題で、
「日射病にならなければいい」
 という昔の言われ方だけでは、
「夏を乗り切ることはできない」
 といえるだろう。
 それは、異常気象というものがもたらしたともいえるだろう。
 しかし、身体が、クーラーなどに慣れてしまったということから、
「やわな身体になってきた」
 と言えなくもないだろう。
 だからと言って、昔のように、
「頑張って耐える」
 というには、人間の身体は対応できなくなっているのであった。
 昔であれば、運動部の部活などでは、
「練習中に水を飲んではいけない」
 と言われていた。
 今であれば、
「それって体罰なんじゃない?」
 と言われるかも知れないが、それはそれで、
「ちゃんとした理由があった」
 といえるからだった。
 というのも、
「水を飲んではいけない」
 という理由は、
「水を飲むとバテるから」
 という理由や、
「水を飲んでいきなり運動すると、お腹を壊す」
 などという理由があったからだ、
 確かに、喉が渇いたからといって、一気に冷たい水を飲んで、急激な運動をすると、身体がびっくりするのか、運動に追い付いていかないということになるだろう、
 ただ、それも、身体が耐えられるだけの状態だった場合においてのことである。
 今の時代は、身体がある程度やわになっているということと、さらに、異常気象というものが、それに拍車をかけることで、今度は、水分を摂らないと、
「脱水症状」
 となり、それが、身体に異変をきたすことになるのだ。
 それが、
「身体適応の障害」
 というもので、
 身体が、自分の身体ではないという状態になってしまうことに繋がるということではないだろうか?
 特に最近は、最高気温がうなぎ上りになってきている。
 特に、30年くらい前から言われ出した、
「地球温暖化」
 というものの影響がひどいようで、その頃に比べても、最高気温の上限が、五度くらい上がっているではないか。
 昭和の頃の暑さでは、
「最高気温が、33度もあれば、うだるような暑さ」
 と言われていたものだ。
 それから、10年もしないうちに、
「35度の最高気温」
 というものが、数日間続くという状態になり、今までは、
「最高気温30度を真夏日」
 といって。それ以上の気温になった日が、
「今年の夏は何日あった」
 あるいは、
「何日続いた」
 などということを言って、その年の夏が、どれだけ暑かったかということを話題にしたものであった。
 だが、それが、10年ちょっとくらいで、最高気温35度という日が、数日間も続くという日が出てきたのだ。
 そこで、今度は、
「最高気温が35度を過ぎる」
 ということになれば、
「猛暑日」
 ということになり、かつての、真夏日が、夏の暑さの基準であったが、それが猛暑日が当たり前という時代に突入していた。
 実際に、毎年暑さで有名なところなどでは、一か月のうちの10日以上もが、
「猛暑日」
 と言われるようになった。
 この猛暑日というのが設定されたのが、2007年ということで、今から15年以上前のことであった。
 しかも、さらに今は、
「体温よりも高い」
 という日も年間に何日かあるようになり、
「これが体温であれば、死が近い」
 と言われるほどの気温だということで、インフルエンザなみの高熱ということで、
「最高気温が40度以上になった時」
 ということで、酷暑日というのが設けられた。
 これが、2022年ということで、猛暑日が設けられてから、15年が経ってからということである。
 ということは、
「15年間で、最高気温の上限が、5度上がった」
 といってもいいだろう。
 何といっても、昭和の頃であれば、
「クーラーがなくても暮らせた時代」
 だったのである。
 同じ気温でも、暑さの基準のようなものが違う。
 ということで、昔は、
「クーラー病になるから、なるべく、使わない方がいい」
 と言われた時代もあったが、今では、
「我慢せずにエアコンを使ってください」
 と、マスゴミなどが呼び掛けている。
 そもそも、運動部の練習で、
「水を飲んではいけない」
 ということは、今では都市伝説だったかのように、
「適度な水分は必ず取ってください」
 ということになっている。
 もちろん、
「水のがぶ飲みは危ない」
 ということはいわれているだろうが、それでも、水分を摂らないことで、熱中症になるということを考えると、まだマシだということであろう。
 それだけ、
「昭和の時代から、現代の令和の時代までの30年間で、まったく環境も変わった」
 ということで、
「身体もついてこれなくなった」
 ということになるのだ。
 それで、
「地球温暖化」
 というものを防ぐということで、
「持続可能な開発目標」
 というものが、全世界で言われるようになったのだ。
 ただ、すでに手遅れなのか、どんなに努力しても追い付かない。
 かつては、
「地球温暖化」
 と言われていたものが、今では、
「地球沸騰化」
 とまで言われるようになったくらいである。
 そのうちに、