小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

黒歴史と普通という感覚

INDEX|14ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「自分が考えられる環境を作る」
 などという面倒なことではなく、
「仕事ができる環境を作る発想ができれば、そこから少しずつ広がっていく」
 というわけだ。
 それが創意工夫であり、実際にやってみると、
「結構楽しいものだ」
 ということである。
 そもそも、自分が本部の仕事で、
「楽しい」
 と思ったのは、
「コツコツとこなすことができる」
 ということと、
「やればやるほど成果が出る」
 ということであり、ただ、それが、
「決まったことをこなす」
 というだけのことなので、営業のような仕事ではないことが、少し不満だったのだ。
 だったら、創意工夫をすることで、
「これが、自分の仕事だ」
 と感じられるようになるということが、一番ではないだろうか?
 それを思えば、
「創意工夫のための下準備として考えることというのが、順序だてて、コツコツすることと重なってきて、それが楽しさと結びついてくる」
 ということから、
「仕事が楽しくなった」
 ということであった。
 だから、
「第一線の仕事が、三度の飯よりも好きだ」
 というのも、納得できることであった。
 しかし、それも、
「若いうちだけだ」
 ということである。
 ある程度の年齢になると、
「後進に道を譲って、自分は、その後進を育てる仕事になり、さらに、監督もしないといけない」
 今までは、
「自分から率先して創意工夫を考えながらこなしていくことで、成果が出たのだが、今度はそうはいかない」
 正直、
「自分には、管理職は向かない」
 と思ったのだ。
 実際に、管理職についてみると、今までの創意工夫は、面白いように出てきたにも関わらず、
「新しい発想が、急に出てこなくなった」
 自分は最初それを、
「スランプなんだ」
 と思っていた。
 スランプだということは、
「俺にはできない」
 ということであり、上司に、
「自分には管理職は向きません」
 といってしまったものだ。
 それでも、上司は、
「いやいや、君には期待している」
 と言われた。
 今までの仕事では、上司が思っているよりもそれ以上の仕事をこなしたのだから、
「管理職になっても、その才能はどんどん開花する」
 と思ったとしても、無理もないことだろう。
「買いかぶりすぎだ」
 と言いたかったが、
「会社の方針であれば、しょうがない」
 かなり悩んだが、とりあえずやってみることにした。
 それこそ、
「やってみせ、やってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かず」
 という言葉である、
 その言葉を肝に銘じる形でやってみたが、
「他の管理職」
 と変わりないくらいにはこなせていた。
 それは、どうしても、
「自分にはできない」
 という思いがあったからで、その発想から、人より頭一つ抜け出すことはできなかった。
 他の人からしてみれば、
「そんな疑問を持っているやつに追い越されるようでは、自分たちの立場がない」
 と思うことだろう。
 しかし、その時の自分に、
「そんなおこがましいことを考える余裕なんかあったのか?」
 と後から思いだして。そう感じるということは、
「意外とあったのかも知れない」
 と思い、苦笑いをしてしまうほどであった。
 それを考えると、
「管理職というものを、甘く見ていたつもりはないか」
 と考えたのは、その時、自分が新入社員で、支店に配属された時のことを思い出していたからだ。
 さすがに、その時の新鮮な気持ちを思いだすことは無理であったが、
「自分には、第一線での実績がある」
 という、
「実力が備わっているということも間違いない」
 と思うのだった。

                 ストーカー事件

「自分は、熱しやすく冷めやすい」
 とよく周りから言われている。
 その性格がどういうことなのか、正直自分でもよく分からない。
 確かに、人からよく、そういわれるが、自分ではあまり、イライラすることはない。
 それは、何といっても、人と話すことが最近はなくなったのだが、人と話すことで、もめることが多いからであった。
「もめるくらいだったら、人と関わらない方がいい」
 とよく言っていた。
 それも、自分が以前、
「人に騙されたことがあったからである」
 実際に、
「どういう騙され方だったのか?」
 というのは、ここで列記したくない。
 それは、自分の黒歴史であり、
「人には誰もが、他の人に触れられたくない秘密というのがあるもので、自分としても、それを口外したくない」
 ということであった。
 それを考えると、
「その騙された経緯に対して、少しは、自分も悪いところがあった」
 ということを表しているのであった。
 だからこそ、
「黒歴史」
 なのであって、
「人に触れられたくないもの」
 ということになるのであった。
 その黒歴史の中でいえる範囲があるとすれば、ある意味。
「自分の都合のいい部分」
 ということで、それだけを鵜呑みにするわけにもいかないだろうから、
「どのように騙されたのか?」
 ということまで言及できないということになるのだ。
 しかも、それを話してしまうと、
「今はすでに関係ない」
 という人に迷惑をかけてしまうことになる。
 たとえ、
「名前を明かさない」
 ということであっても、言ってはいけないことであり、それこそ、
「コンプライアンス違反」
 に近いものといってもいいかも知れない。
 それはいつのことかというと、今から5年くらい前のことであり、実際には、
「まだ、尾を引いていない」
 と言えばうそになる・
 ことの発端は、自分が、
「ネットで知り合った女性が、近くに住んでいる」
 ということからであった。
 それまで、自分は、好きな女の子はいたりしたが、付き合うということもほとんどなかった。
 特に学生時代には、大好きだった女の子がいたが、その人と付き合うということはなかった。
 なぜなら、好きな女の子と付き合うとしても、相手の気持ちを分かることができず、いつも最後には、
「信じられない」
 ということをいわれて、結局、別れるということになってしまったのだ。
 そんなことが続いて、就職してからしばらくは、支店にいたこともあって、
「女性と付き合う」
 というどころではなかった。
 本部に異動して仕事にも慣れ。それを自分の中で、
「天職だ」
 と思うようになると、その状況が自分にとって、
「余裕が持てる精神状態になってきた」
 のだった。
 そうなると、不思議なことに、まわりから信頼されるようになったからか、女性社員からも一目置かれるようになった。
 しかし、これが、尊敬のようなものに変わってくると、
「恋愛とは別だ」
 と自分で分かってくるようになった。
 だから、
「彼女という感覚にはなれないな」
 と思うことで、
「恋愛対象には思えない」
 と自分でも思うようになった。
 そもそも、
「尊敬の念のまなざし」
 というものを向けてくれている女性に、恋愛感情を持つということは自分でもできることではなかった。
 それを考えると、
「恋愛感情というものがいかなものかということを、自分で分かっていない」
 と思えた。