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「過ぎたるは及ばざるがごとし」殺人事件

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 というもので、公園を使う人が増えてきた。
 会社の仕事は、
「家でのリモートワーク」
 そして、外出といえば、
「できるだけこまない時間に、一人で済ます速攻の買い物」
 というくらいになるだろう。
 そうなると、家から出ることのない旦那は、
「運動不足」
 ということになる。
 政府は、
「運動不足を補う意味での、散歩などの軽い運動は、許可している」
 ということで、
「皆なるべく、人と接触しないように」
 ということで、
「公園の散歩やジョギング」
 ということになるのであった。
 それを思えば、
「公園での散歩が増える」
 というのは当たり前ということで、しかも、この公園のように、
「一方通行」
 ということであれば、
「人と正対する」
 ということもなく、
「人との接触がない」
 ということで、一番ありがたいということになるだろう。
 それを思えば、
「公園を歩くというのは、一番いいのではないか?」
 ということになるのであった。

                 タクシードライバーの生きがい

 タクシー運転手が、なかなか少ないということで、道を走っていると、休む暇などまったくなく、
「働きづめ」
 ということになってしまう。
 パンデミック前であれば、少々の休憩ができたのだが、最近では、そうもいかなくなってきた。
「パンデミックの時は、あれだけ、街を流していても、人がいなかったのにな」
 ということであったが、今の時代は、
「客がいないどころか、今度は運転手がいないことで、俺たちは、馬車馬だ」
 ということになり、文字通り、
「寝る暇もなく働く」
 といってもいいだろう。
 そうなると、
「いかに休憩するか?」
 ということが問題になってくる。
 今は、配車には、配車センターに電話したり、あるいは、直接道でタクシーを捕まえるということよりも、多くなってきたのは、
「アプリによる配車システム」
 ということであった。
 これは、
「スマホに配車システムをインストールしておいて、GPS機能を使って、タクシーがどこにいるかがアプリに分かるので、今自分がいるところから、空車のタクシーがどれだけいるかを探って、見つかれば、
「何分で到着し、ナンバーも表示してくれるので、すぐに利用できる」
 というシステムだ。
「タクシーにも、アプリは会員制なので、誰なのかということも分かっているので、支払の時にも便利だ」
 ということだ。
 だから、運転手は、それに従って、客のところにいくことになる。
 だから、街を流しているタクシーで今までと一番違うのは、メーターランプに、
「予約車」
 という表示があることであろう。
 その表示があれば、手を挙げた人がいても、止まることはない。それがなければ、
「乗車拒否」
 ということになり問題となるだろうが、そういうことではないのだ。
 だとすると、その機能の電源を入れていれば、どんどん客が集まってくるので便利でいいのだが、
「休憩したい」
 と思っていると、そうもいかない。
 だからと言って、道の端に、車を止めて寝ていた李すれば、警察から職質を受けるかも知れないし、客に見つかると、扉をコンコンと叩かれて、
「いいですか?」
 と言われるだろう。
 寝ているところを起こされるのはたまったものではないということだ。
 そうなると、
「どこかの大きな駐車場」
 というのが一番無難であり、
「少々お金がかかるかも知れないが、都心部の駐車場のように高くないところ」
 と考えると、
「どこかの博物館や、公園などに隣接している駐車場」
 ということになるだろう。
 そういうところは比較的、都心部から離れていて、駐車料金も高くはなく、
「イベントなどがあった時」
 というのは、相当な車が来るので、結構な広さを要することになる。
 それであれば、休憩にはもってこいで、
「公園の中にあるカフェなどで朝食を摂るというような少し優雅なこともできる」
 ということで、
「公園の駐車場というのは、結構隠れた場所ということで、人気だったりする」
 ということであった。
 実際に、パンデミックが一段落して、そのせいで、仕事が増えたのはいいが、
「キャパオーバー
 という状態になると、
「金銭的な面」
 というよりも、
「肉体的な面」
 で、きつくなってきた。
 そうなると、今度は、
「精神的な面:
 で、それまで利いていた無理が利かなくなってきたのだ。
 確かに、
「パンデミックの時は地獄だった」
 ということであるが、
 その地獄というのは、あくまでも、
「いつまでも続く」
 とは思っておらず、
「最悪仕事を変えるか?」
 と考えられるのだったが、今は、
「あの頃より精神的に楽なはずなのに、なぜか、この業界から離れることができないんだよな」
 と思うのだった。
 というのは、
「今辞めるくらいなら、あのパンデミックの時に辞めているさ」
 ということであった。
「あの時を乗り切った」
 という気持ちがあるからであり、今回も、
「いつまでも、こんなことが続くということもないだろう」
 という思いがあることで、
「だったら、少しでも、楽をできるように、自分なりに工夫するしかない」
 と思うのだった。
「会社だって、社員に辞められると困るだろうから、少々楽することを戒めたりはしないだろう」
 と考える。
 確かに、そう簡単にいくことではないだろうが、
「休憩をしながら」
 ということであれば、乗り切っていける。
 ということは、自分以外の誰でもは思っていると考えていることだろう。
 そんなタクシー会社に勤務している男で、
「山村進」
 という男がいる。
 山村のタクシー会社は、その地方でも、結構大きなタクシー会社で、そもそも、私鉄が運営している企業の、子会社というところであった。
 そういう意味では、街を走っているタクシーに彼の会社は結構多く、それだけに、知名度はあるということであった。
 元々彼は、サラリーマンをやっていて、数年前に、解雇されたのだった。
 そもそも、
「サラリーマンというのが、自分には合わない」
 ということは分かっていた。
 人と絡むのが嫌だったからだ。
 彼は子供の頃から、
「人との関係を大切にしろ」
 と親から言われてきた。
 子供心に、
「確かにその通りだ」
 ということで、
「それを、モットーにしよう」
 とまで考えていたほどだった。
 しかし、その父親も、あまり人を信用したことから、人から騙されて、結局、仕事を辞めさせられたり、そこから先は坂道を転がり落ちるような人生だったようで、その実態は、
「親が離婚した」
 ということで分からなくなってしまったのだ。
 だから、
「俺は、そんな風にはなりたくない」
 ということで、
「人は信用してはいけない」
 と思うようになり、そのためには、
「人と関わらないのが一番だ」
 と思うようになった。
 人によっては、
「そんなことは、人とのかかわりを、勉強しないから、そんなことになったんだ」
 という辛辣な言い方をするやつがいた。
 その男の言い分とすれば、
「社会勉強をすれば、そんなことはない」