「過ぎたるは及ばざるがごとし」殺人事件
どうなっているのか、細かいことは分からないが、
「売上の消費性は、俺たちが払っている」
といっていた運転手もいたのだ。
そもそも、タクシー運転手というのは、結構きついものだ。
「朝から勤務して、24時間」
などというのは当たり前のようであり、それだけ働いても、ノルマにいかないと、
「生活できない」
というほどになっているということである。
それを考えると、
「タクシー運転手というのは、割に合わない」
といってもいいだろう。
ノルマにいかないと、月給15万以下という月もざらという話も聞いたことがあり、
「どうすれば、そんな給料になるというのか?」
と考えさせられるのだった。
もちろん、
「聞いた話」
ということなので、
「どこか盛っている部分がある」
といえるだろう。
それを考えると、
「タクシーの運転手がなかなか戻ってこないというのも分かる気がする」
というものだった。
特に、夜中のタクシーなどは、その客層の悪さなどを考えると、
「それだけでもかなりのストレスになる」
ということであり、中には、
「タクシードライバーを奴隷のごとくあしらったり、自分は、キャバクラの女性を載せているのか、恰好をつけ、威張っている様子が見られたりする」
というものだ。
そんな男が、タクシー運転手をまともに扱うとは思えない。
「上から目線」
ということで、昔の成金のようではないだろうか?
まだ本当にお金を持っているだけに、成金だとすれば、お金を余計にもらえる可能性があるので、我慢できるが、
「ただの、上から目線の痛い客ということであれば、どうにもならない」
といってもいいだろう。
かといって、客に乗車拒否もできないし、睨みつけるわけにもいかない。
相手が腹を立てて、こついてきたりすれば、我慢しなければいけないという辛い商売である。
ただ、最近は
「煽り運転」
などというものがあるおかげといっていいのか、
「ドライブレコーダー」
というものが装備され、そこに画像が残ることから、客の方も、理不尽なことをしなくなったといえるだろう。
ただ、それも予防という意味で、実際には、酒に酔って、前後不覚になったりすると、殴ってくる人もいないとは限らない。
そうなると、あとで訴訟はできるだろうが、その時は、
「殴られ損」
ということになるだろう。
それよりも、殴られたことで、怒り心頭な状態にさせられると考えると、
「こんな商売やってられない」
と感じる人もいないわけではない。
そう思えば、
「世界的なパンデミック」
という時はそんな客どころか、
「他の客も誰もいない」
ということで、一日表にいても、
「タクシーの利用者が数人で、皆ワンメーターだけ」
ということがほとんどだったことだろう。
かといって、
「緊急事態宣言」
の最中でも、
「インフラはストップさせない」
ということで、タクシーは出てもいいということだった。
というのは、
「なるべく、保証金を出したくない」
という国の本音というものがあったからだろう。
パンデミックの最中は、政府が、
「水際対策」
というものを怠ったことで、感染が起こり、それが、さらに広がってしまったことで、何を思ったか、
「水際対策が先だ」
というのが当たり前なのに、最初にやったことは、何と、
「学校閉鎖」
だったのだ。
伝染病は、
「外国から入ってきている」
ということも分かっていて、
「どこの都市が、その発生源か?」
ということも分かっている。
他の国では、
「水際対策」
というものを、どんどん行っていき、少なくとも蔓延させないようにしようとしているにも関わらず、
「学校閉鎖」
というものをしたにも関わらず、
「発生源である国家の元首」
を、
「国賓として招く」
などとふざけたことを言っていたが、さすがに、世論や。マスゴミ、そして、他の政治家からも総すかんを食らうことで、さすがに政府も、
「やっと水際対策を徹底させる」
ということになったのだ。
それと一緒に、
「緊急事態宣言」
という、大日本帝国における
「戒厳令」
の足元にも及ばない、
「生ぬるい政策」
を出したのだった。
日本国民が、危機感を持ったことで、何とか、ゆるい政策であっても、何とか体裁が整ったが、本来であれば、
「緊急事態宣言でよかった」
と思っているのは政府であろう。
もし、これが、
「戒厳令」
のようなものであれば、国民の権利の一部を奪って、それを破れば、
「罰則がある」
ということなのに、
「緊急事態宣言」
というものは、あくまでも、要請レベルであり、命令というわけではないのだ。
これがどういうことなのかというと、
「保証金を出す義務がない」
ということを国民へアピールしているのだ。
とはいえ、まったく出さないということになると、
「政府への批判」
というものがひどいものとなり、結局、政府は、
「近い将来、転覆する」
ということになるだろう。
だから、何とか、少しだけの支出でいいように、
「緊急事態宣言」
というような甘く、曖昧なものを作って、煙に巻こうとしているのであろう。
海外では、
「ロックダウン」
という、
「都市封鎖」
をすることで、何とか、蔓延を防いでいるが、その体制が厳しいことで、国民には、保障をしているのである。
日本の場合は、保障をするといっても、手続きが面倒くさかったり、手続きをしても、間違いが多かったり、さらには、実際に金が降りるまでに時間が掛かりすぎて、保障が出ても、
「会社は倒産」
という、本末転倒なことになるのだ。
だから、事業主によっては、
「世間から何といわれても、従業員の生活と会社をまもらなければいけない」
ということで、堂々と宣言破りをする人もいるだろう。
しかし、それを誰が責められるというのか、
「従業員を守るため」
ということであれば、仕方がないといってもいいだろう。
しかし、だからと言って、それに便乗する輩も出てくるというものだ。
何といっても、
「マスク着用を義務」
としているにも関わらず、
「マスクを買い占めて、転売して儲ける」
というとんでもないやつがいるのだ。
「世間では、大混乱になって、マスクが手に入らない」
ということは、
「感染したくない」
ということから、
「工場なども閉鎖して、肝心の生活必需品ができない」
ということになり、結局。
「転売するものができない」
ということになり、やつらだって、損をするということを分かっているのかいないのか、
「ただ、その時儲かればいい」
ということだろう。
確かにマスクでは、だいぶ儲かったかも知れないが、長い目で見ると、伝染病が長引けば長引くほど、転売が遣りにくくなり、あいつらも、
「自分で自分の首をしめる」
ということになるだろう。
それを考えると、
「これほど、本末転倒なことはない」
というわけで、
「先を見ることもできないくせに、余計なことをするんじゃない」
と皆思っていることであろう。
作品名:「過ぎたるは及ばざるがごとし」殺人事件 作家名:森本晃次