蔓延と慢性
と見ていた夢から覚めると、まず間違いなく誰もが思うことだろう。
つまり、
「バブルというのは、夢だったのだ」
ということである。
夢を追いかけることが、本当であれば、いいことなのだが、夢を追いかけたことで、このような最悪の事態に結びつくということであれば、
「夢にもいろいろな種類がある」
ということになる。
そもそも、夢というのは寝ている時に見るというものではないだろうか?
起きている時に見る夢は、
「実現可能な夢」
というものと、
「実現可能ではない」
という夢がある。
後者であれば、
「夢を見ているだけで、夢がかなわなくとも、生きる支えになる」
という場合であれば、
「大いに夢を見ればいい」
ということであるが、逆に、
「どうしても叶わないと、まわりに大きな迷惑をかけることになる」
というところまで進んでしまっていれば、
「後戻りもできない」
ということになり、結局、
「叶えられない夢であっても、それは、まわりを巻き込んではいけない」
ということになるだろう。
そういう意味で、
「夢を見るのはいいが、それを人に押し付けてはいけない」
ということになる。
それは、親子関係であっても同じことで、そんなことをしていると、
「押し付けられた方はストレスをためるしかできず、それを他の人にぶつけることで解消しようとする」
ということになり、結局それが、いじめにつながるのだろう。
夢に限らず、会社で理不尽なことがあれば、
「家庭に仕事を持ち込んではいけない」
ということが分かっているから、その話をしないようにしようと思っても、結局、大人もそれを抑えることができず、子供にぶつける。それが負の連鎖ということになり、
「苛めという問題を引き起こす」
という悪循環を生むことになるのだ。
バブルが弾けてからというのは、会社だけではなく、家庭の問題も大きく変化してきたといってもいいだろう。
特に、
「バブルが始めると、それまでの、働けば働くほど儲かる」
という、数学的には当たり前のことだったものが、そうではなくなってしまった。
許容範囲であった大きさが、膨れ上がりすぎて、破裂してしまったわけで、今度は働けば働くほど、漏れる方が大きいということで、
「売り上げが上がらないのに、経費ばかりかかる」
ということになり、今までであれば、
「最悪儲からなくても、損をすることはない」
ということであったが、今度は、
「損をすることはあっても、儲かるということはない」
ということで、
「奈落の底に叩き落される」
といってもいいだろう。
それがバブルの時代というもので、そうなると、
「売り上げが見込めないのだとすれば、経費を抑えるしかない」
ということで、まずは、
「残業をなくす」
ということであった。
今までのように、事業拡大が望めないのであれば、残業をする必要もないわけで、
「定時には帰る」
というのが当たり前になったのだ。
そして、並行して行われたのが、
「リストラ」
と言われる、一種の、
「クビきり」
ということである。
ただ、そうなると、
「せっかく残業をなくし、手当てを支払わなくていい」
ということなのに、人員が減ってしまえば、そのしわ寄せは残った人にうつるということになる。
しかし、
「残業手当は払いたくない」
ということになると、今度は、
「サービス残業」
ということで、
「残業していない」
ということにするという、
「残っても地獄」
ということになる。
それでも、絶対に無理はくるというもので、
「実際に、業務が回らないようになる」
ということになると、今度は。
「人を雇わなければならない」
となるのだ。
そうなると、人件費がどうしても引っかかってくる。
そこで考えられたのが、
「バイトやパートに、今まで正社員がすべてやってきたことを任せる」
というやり方である。
雑用や、資料作りの中での清書のようなところがそうであろう。
それが、
「非正規雇用」
というもので、そのうち、同じ社員といっても、
「嘱託社員」
であったり、
「契約社員」
というものを含めた、いわゆる、
「派遣社員」
というものが出てくることになるのである。
派遣社員というのは、派遣会社から派遣されているということで、バイトなどに比べれば、相手が会社相手ということで、
「何かあった時の保障や責任の所在をハッキリさせることができる」
ということで、
「バイトやパートに比べれば、割増ということになるが、それでも正社員ほど高くないということで、時間とともに、非正規雇用というものが、当たり前という時代になってきた」
ということであった。
今の時代であれば、
「派遣社員」
などというのは当たり前というもので、働く方としても、
「決まった時間、会社で拘束されるだけ」
ということで、特に女性など、子育てという問題がある人には、働き方としては、ありがたいといえるのではないだろうか。
何といっても、女性が社会進出してくる時代で、しかも、旦那の稼ぎだけでは、やっていけないという時代になってきた。
バブル崩壊から、給料の何割かカットになったり、ボーナス支給が停止した会社も結構あった。
それよりも、倒産という憂き目に遭っている会社もたくさんあるので、まだその会社で働けるというだけ、マシだといってもいいかも知れない。
世の中で変わってきたことというと、前述の、
「犯罪の多様化」
ということで、いわゆる、
「サイバーテロ」
などという。
「コンピュータや電話を使った詐欺」
というものが流行してきたりした。
ネットが流行り出した頃は、ホームページの偽物を作り、リンクで誘導させ、そこが、
「課金サイトだ」
ということを巧みに偽装し、
「相手から請求が来て、払ってしまった」
ということも日常茶飯事であるというものであった。
さらには、
「コンピュータウイルス」
なるものが蔓延る時代になると、コンピュータに侵入され、個人情報を盗まれることで、「そこから勝手に課金させられる」
というものである。
また、別の犯罪として、
「ストーカー」
というものが流行り出した。
これは、昔からあったことではあるが、犯罪とまでは行かなかったもので、世紀末くらいから、それが犯罪化してしまったことから、
「ストーカー」
という名前も使われるようになり、
「犯罪性が多様化している」
ということの代表のようになってきた。
「好きになった人の家を確かめる」
というくらいであれば、決していいこととは言えないが、それだけでは、犯罪とは言えない状態だった。
しかし、それがエスカレートしてしまい、無言電話を夜中に掛けたり、家の前に、差出人不明で、プレゼントなどが置かれていたりと、ストーキングをする人から言わせれば、
「別に悪いことをしているわけではない」
という言い訳をするだろう。
無言電話は、迷惑行為であり、犯罪ということであれば、曖昧なところだが、
「迷惑行為でも、犯罪となる」
ということを分かっていない人は、逆に、