蔓延と慢性
「自粛中に、一般市民が、警察と同じことをする」
ということで、
「自粛警察」
と言われたのだ。
あの時、ターゲットに上がったのが、
「パチンコ屋」
であった。
そもそも、
「三店方式」
などという怪しげな方法を取っているのに、警察が取り締まらないということで、市民の中には、
「おかしい」
と感じている人がたくさんいるのだろう。
そもそも、三店方式というのは、
「必要悪だ」
とも言われていて、やくざと絡んでいるパチンコ屋の、玉交換をやくざがやることで、資金源としていたものを、パチンコ屋がやるということで、やくざの資金源にしないための苦肉の策だということなのだ。
だからと言って、大っぴらに、
「現金と交換」
ということにしてしまうと。
「ギャンブル」
ということになる。
しかし、日本のギャンブルは
「公営ギャンブル」
ということになるので。
「競馬」
「競輪」
「競艇」
などしかないわけだ。
そこで、
「現金交換所」
というものを、
「パチンコ屋とは関係がない」
ということで手を打つことで、
「ギャンブルではない」
という方法を取った。
それが、
「三店方式」
というものだ。
だから、これを元々考えたのが、警察機構ということなので、いまさら警察が、
「三店方式」
を取り締まるということもできないのであった。
今では
「やくざの資金源」
ということにはなっていないが、
「ギャンブル依存症」
ということの仲間に、パチンコという遊戯まで入っているのであった。
「三店方式」
というものを使っているということで、法律的には、
「パチンコ屋は、ギャンブルではない」
ということになる。
「パチンコは、遊戯」
ということになり、結局、
「ゲームセンターと同じ」
ということで、法律的には、
「風俗営業法のゲームセンターと同じグループに分類されることになる」
ということである。
もちろん、ゲームセンターよりもギャンブル性は高いので、警察が立ち会うことも多くなったりする。
今であれば、休日に行ったり、
「閉店後の時間で行う」
「新台入れ替え」
というものは、警察の立ち合いが必須ということになる。
だから、ギャンブルではないと言いながら、大金が絡んでしまうことがある以上。
「機械にも、いろいろ制限を掛けたりして、依存症にならないようにと考えていたりするのであった」
たとえば、
「大当たり一回で、出玉の上限が決まっている」
ということであったり、
「パチンコ屋に設置されているATMのおろすことができる上限の値段に制限」
というものがあったり、
「イベントというものを、公表できない」
などと、いろいろ細かいところでも、制限が掛かっていたりするのであった。
そこまで厳しいパチンコ屋だから、なるべく、
「庶民には、安心安全という思いを抱いてもらおう」
ということでいろいろ努力もしているだろう。
ただ。
「一日の売り上げがかなり高くないと店はやっていけない」
ということは間違いない。
そういう意味で、単価が高い風俗店は、店を閉めることはしなかったところが多い。しかし、なぜか、風俗店に対して、
「自粛警察が騒ぐ」
ということはなかった。
しかし、パチンコ屋というのは、そんな状況であっても、
「90%以上が、休業している」
ということで、しかも、
「喫煙問題から、換気に関しては、他のどの業種よりもしっかりしている」
ということで、実際に、
「パンデミックが起こった」
という話は聞いていないのである。
それなのに、なぜか、
「自粛警察はパチンコ屋を目の敵にする」
というのだ。
確かに、
「目の敵にする」
ということは間違いないということで、さすがに、自治体も黙っているわけにはいかなかった。
店を開けているところに対し、
「これ以上、守らなければ、店名を公表する」
ということで、パチンコ屋に警告したのだが、
「それでやめるくらいなら、最初から従っている」
というわけで。
「そんなことは最初から覚悟の上だ」
とばかりに、無視していた。
するとどうだろう、自治体が思っているのと正反対の状況が生まれたのだった。
それだけ、パチンコ依存症の人たちというものを、
「舐めていた」
と言ってもいいだろう。
パチンコ屋の名前を公表されると。
「開店前から、いや、前の日から、何と全国から続々とパチンコファンが集まってきた」
ということである。
中には、
「深夜一晩かけて、大阪まで下関から車で来た」
という人もいたのだ。
とはいえ、台数というのは限りがあるわけで、1000台しかない席なのに、集まった人が10000人ということであれば、
「中に入れる確率すらない」
ということになる、
深夜一晩中車を走らせてはるばるやってきたのに、
「パチンコができない」
というどころか、
「また半日かけて、帰らなければいけない」
ということになるのだ。
それを考えると、
「くたびれもうけ」
ということになるのだろう。
ただ、店とすれば、これほど、
「ウハウハなことはない」
といえるだろう。
「公表してくれてありがとう」
と、自治体にいいたいくらいである。
ただ、それも一日だけでは、どうしようもなく、店主からすれば、
「もっと続けばいい」
と思っているかも知れないし、この状態を見て、今まで閉めていた店も、
「俺たちも店をあければいい」
と思ったかも知れないが、一度閉めた店を開店させるには、相当な日数がかかる。仕入れの問題。台の問題。掃除だってしなければいけない。
「ああ、最初からやっていればよかった」
と考える店主は結構いるだろう。
もう、こうなってしまうと、自粛警察に抑えることはできないだろう。これがピークとなって、自粛警察の力も次第に衰えていったのであった。
恋愛感情
男女平等と言われるが、実際に、そうなのだろうか?
確かに、言い方を変えたり、冤罪の問題があるが、それでも今は、そんな男女平等が、正しいのかどうか、難しいところであろう。
特に冤罪として、
「痴漢問題」
というのも孕んでくる。
電車の中で、
「この人痴漢」
などと叫ばれると、名指しされて、手を挙げられでもすれば、どうしようもなくなってしまう。
女性は、何も言わずに震えているだろうし、捕まえた方は、
「まるで正義のヒーロー気取りであろう」
しかし、捕まった方は、どうなるというのか?
もちろん、本当に触っていたのだとすれば、許せないということなるだろうが、実際には、そんなこともなく、
「ただ、手が触れただけ」
ということもあるだろう。
「俺はやってない」
と言ったところで、言い訳にしか聞こえない。
そのまま警察に突き出されれば、いくら言い訳をしても、警察がいうのは、
「早く白状して、楽になった方がいいぞ」
と言われれば、本当はやってなくとも、
「楽になりたい」
ということで白状してしまうかも知れない。
しかし、下手をすれば、いや、捕まった時点で、社会的には、
「そこで終わり」