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黒歴史

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 ということで、日本でも、賛否両論だった。
 何といっても、政府が、
「何かあれば、責任は政府が取る」
 ということで、実際に接種した人の中に、ワクチン接種までなんともなかった人が、接種後次の日に、死亡したということがあった。
 その時、政府は、
「因果関係が分からない」
 ということで、死んだ人の保障を渋ったということがあった、
「何が、何かあったら政府が責任を持つ」
 といえるのか?
 ということである。
 政府の言い分はあくまでも建前で、いい加減なものだということがすぐに分かったというものである。
 確かに、
「ワクチン接種」
 というものは大切なことであり、政府が推進するのも当たり前ということだ。
 しかし、だからと言って、
「できもしない保障」
 というものを、あたかも、
「やります」
 などといって、やらせるのだから、これほどの欺瞞もないというものだ。
 ワクチンの効果がどうなのか?
 そんなことは、ちゃんと検証したこそ証明できるというものなのに、
「打たせるだけ打たせて、検証もしない」
 というのが、今の政府のやり方であった。
 最近、ワクチンというものが大きな問題となっているが、それは、
「罹らないようにするために、接種するもの」
 ということであったが、あの時同時並行で、開発されていたものの中に、
「特効薬」
 というものがあった。
 ワクチンに関しては、
「緊急を要する」
 ということで、海外で開発されたものを輸入して、接種するということになったのだが、
「特効薬」
 というものは、
「罹ってしまった人に使うもの」
 ということであった。
 ただ、それも、
「重症化する前に使うもの」
 ということでの開発だったのだが、
「ワクチンは騒がれるが、特効薬に関しては途中から誰も何も言わなくなった」
 ということである。
 そもそも、この特効薬に関しては、国内企業が開発を行っていた。
 実際に、
「臨床試験も終わり、使い始めよう」
 ということであったはずなのに、ウワサにも上がらなくなったのだ。
「これは、日本政府の陰謀ではないか?」
 とも言われていて、
「ワクチンがいよいよ問題になってくると、わざわざ問題を逆なでするかのような特効薬を何も、日本製として売り出すリスクは負いたくない」
 ということなのかも知れない。
 それこそ、海外製のワクチンには、
「陰謀論」
 というものがあった。
 何といっても、
「ワクチンが、うまくいっていれば、特効薬も、一緒に使える」
 と日本政府は考えたのだろう。
 ワクチンの問題が、まるで、
「陰謀論」
 であるかのように言われてしまうと、日本で開発する特効薬を使うというのは、ありえないともいえるだろう。
 海外製のワクチンを、日本政府が強要し、
「責任を持つ」
 と言いながら、結局、金を出しそびるという、
「それこそ、国民に対しての裏切り行為」
 ということになってしまうことを、
「よく平気でできたものだ」
 ということになるだろう。
 それを思えば、
「日本で開発したものを、日本政府が推し進めれば、ワクチンの時のように、スピードが必要だったという言い訳が利かなくなる」
 ということで、日本政府は、
「時期尚早」
 ということで、特効薬を見送ったのだろう。
「実際にどこまでできているのか?」
 そして、
「どこまで臨床試験が済んでいるのか?」
 ということになるであろう。
「ワクチンの効果が、本当に検証されたのだろうか?」
 と考えるが、
「保障するといって、簡単にはしなかった日本政府に、なるべく金を掛けたくないということで、検証すらも、適当にやって、やってますアピールというものをしただけではないだろうか?」
 ということである。

                 失踪計画

 人がどんどん行方不明になっていく。
 それも、事件の目撃者が多い。
 最初は、
「何かの犯罪に巻き込まれたのではないか?」
 と思えた。
 しかし、こう行方不明者が多いのであれば、その理由は分かれという方が難しいことであろう。
 今回の、
「恋愛の縺れ」
 のような事件も、実際には、
「犯人が誰か?」
 ということは、桜井刑事の推理を待たずとも分かっていることであった。
 それを分かっているのに、桜井刑事は、目撃者を探し始める。
 一つ言えることは、
「今回の殺人事件で、犯人を検挙するのに、目撃者を必要としない」
 ということであった。
 他の刑事は、なぜ桜井刑事が、目撃者にそんなにこだわるのか、分からなかった。
 それは桜井刑事にも、ハッキリとした理由まで分かっているわけではなかった。
 しかし、若い頃に、目撃者の存在を軽視したことで、
「もう少しで冤罪を生んでしまう」
 ということがあったのだ。
 それは、今から20年くらい前の事件だったが。ある殺人事件があり、目撃者捜しというものを、桜井刑事と、もう一人の刑事で行っていた。
 数多くの目撃証言を手に入れることに成功はしたが、その証言は、
「相反する」
 というものも含まれていた。
 その証言を鵜呑みにしてしまうと、事件そのものが、辻褄の合わないものとなってしまい、
「どれかが、ウソなんだ」
 ということになるということであった。
 そして、そのうちの一つが、状況証拠や、動機などの面から考えて、明らかに犯人を示す証言というもが、その一つを除けば、理屈に合い、それが、
「決定的」
 という、
「動かぬ証拠」
 ということになったはずだ。
 しかし、その一つがあるために、警察の捜査は混乱した。
 他の刑事は皆、
「その証言がウソだということになれば、事件は解決なんだ。そんな少数派の証言を取り上げさえしなければ、事件解決ということになるではないか」
 ということを主張した。
 まだ若かった桜井刑事に逆らう余地はなかった。
 その人の証言は却下され、状況証拠と、握りつぶされたことでできた。いわゆる、
「動かぬ証拠」
 というのがモノを言って、
「容疑者逮捕」
 ということになった。
 しかし、容疑者は、取り調べに対して、
「自分がやった」
 ということはいわなかった。
「動かぬ証拠」
 というものを突き付けられても、
「自分はやっていない」
 ということを言い続けた。
 桜井刑事も、だんだんと自信がなくなってくる。
「少なくとも、彼が無罪だ」
 という証言は得られたのだ。
 その証言を誰も取り上げようとしなかっただけで、もし、他の証言がほとんどなく、犯人を擁護する証言がこの一つだったらどうだろう?
 他の刑事が信じないのは、
「動かぬ証拠の数がたくさんある」
 ということからなのか、
「彼を擁護する証言が一つしかない」
 ということからなのか、桜井にも分かっていなかった。
 だとすると、
「擁護する証言が複数あれば、彼を犯人ではない」
 という根拠になるかも知れず、事件を再捜査するということにもなったであろう。
 しかし、事件は急転直下、取り調べを受けている期間に、留置所の中で自殺したのであった。
「あれだけ証拠を突きつけられても、頑として自供しなかったやつが、なぜ急に自殺なんかしたのだろう?」
作品名:黒歴史 作家名:森本晃次