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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑬富士山五合目とその周辺

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■10/9(旅の2日目):山梨県鳴沢村 ⇒ 自宅


【走ったルート】 道の駅「なるさわ」から「リニア見学センター」に行き、超高速で走るリニアを見た後、勝沼の「ぶどうの丘」に立ち寄ってからは、近くのぶどう園でぶどうを試食して購入。そして河口湖周辺で美味しい「ほうとう」を食べ、満足して帰宅。【走行距離:247km】

【忘れられない出来事】 目の前を500km/hで走るリニアの圧倒的な速さに驚いたこと。
 そこで知ったことは、東京・大阪間については、リニアは空路の速度より若干劣るが、所要時間は早く、且つ1編成当たりの定員は空路の2倍とのこと。そして、全線開通後の期待される年間効果額は7,100億円と計算されていること。

【旅の内容】 妻が5時過ぎに起きたようで、その雰囲気がバンクベッドで寝ていた私に伝わり、目が覚め、そのまま起床になった。
 実は、停車中のキャンピングカーの車内で人が動くならば、クルマ全体が揺れてしまう。たとえば、車内に二人以上がいる場合、ひとりが動くと、動いていない人が揺れを感じてしまい、特に就寝時、それも眠りが浅くなる朝方、その振動で目が覚めてしまうこともある。
 そのため、振動防止用のスタビライザージャッキなるものがあるが、このところ、まだひとり旅が多いため、そのジャッキは持っていない。妻が仕事をやめてからは、ふたり旅が多くなりそうなため、そのタイミングで買いたいと思っている。

 湯を沸かして、ドリップコーヒーを淹れて、ふたりでゆっくりと飲みながら、カーテンを開けた車窓から朝の富士山を探したが、朝霧で、富士山の姿はなかった。
 コーヒーを飲み終える頃に、雲ひとつ掛かっていない富士山の姿が現れた。さすがにでかい。
 静岡県内で見える富士山と違って、山全体に陽が当っていないのが特徴で、それでも、少し陽が当たっている東側では、山の凹凸が見えた。ちょうど半月の時の光っている部分と陰の部分の境目の月面の凹凸が見えるように。

 就寝中に、駐車場内のクルマの台数が増えていたようで、たとえば、乗用車の台数は気にしていなかったが、キャンピングカーのキャブコンもバンコンも、それぞれ2台から5台に増えていた。この道の駅の駐車場に停められる台数は300台以上なので、車中泊や仮眠の来場が多いのだろう。

 「ジル」の左隣には軽キャンパーが停まっていた。その女性が、軽の後部のハッチバックを開けて、暫く何かしていたが、多分、朝食の準備でもやっていたのだろう。
 軽キャンパーはどうしても、そのスタイルになってしまうが、雨降りや風が吹いているとき、さらには寒い時などは、さぞつらいだろうと思いながら眺めていた。

 普通車で車中泊をしている人が意外と多く、多分、シートの背もたれを倒して横になるか、シートの上で座ったままで何かをしていると思われる。

 ペットを連れた人も多く、朝早くから時々、吠えている犬もいて、その鳴き声で、早朝から起きてしまった人もいただろう。少し気を使って頂けると嬉しいね。

 朝を迎えた駐車場内を歩きながら、富士山が見える駅舎の南側に行ったところ、富士山をスマホで撮っている年輩の男性がいた。ちょうどいい感じの写真が撮れたように見えたので、声を掛けたところ、太平洋側の友人と今、撮った富士山の写真を互いに送る交信をしているとのこと。
 若い頃にマラソンの選手だった彼は自衛隊に入り、落下傘部隊で飛行機から飛び降りていたとのこと(国を守って頂き、お疲れ様でした)。そこで、私のデジカメに、パラモーターのフライト中に空撮した写真が入っているので、それを見せてからは、お互いの空の話になった。妙な縁だったが、朝から面白い会話ができた。

 この道の駅で買ったふんわりとしたパンとジャム、あんパンが朝食になった。コーヒーをもう一杯淹れて、私は自宅から持参した牛乳も飲みながら、テレビが映ったので、朝ドラの土曜版「おかえりモネ」を見ながら、朝食を食べ終わった。
 昨夜、妻が調べてくれた幾つかの観光地を巡る効率の良い走行ルートを考え、道の駅 ⇒ リニア ⇒ 勝沼(ぶどうの丘)⇒ 昼食 ⇒ 朝霧高原 という大雑把だが、そう決めて出発した。

 お世話になった道の駅「なるさわ」を後にして、富士パノラマライン(R139)を東へ進み、富士吉田市内で北上する予定だが、少し先のR139のバイパスには行かず、手前の北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐう ふじせんげんじんじゃ)あたりで左折して、北上するふじ道を選んだ。マップ上では、ショートカットする感じだ。

 ふじ道を跨ぐ大きな鳥居の「金鳥居(かなどりい)」の下を走ってから、この界隈に見慣れた頃、妻も私も、別々のことを思い出し、その会話になった。
 妻は以前、ここの浅間神社を参拝した際に、この道を通ったとのことで、ふじ道は浅間神社の参道だと私に教えてくれた。この道の両脇にはかなりの商店が並び、参道の雰囲気が伝わっていた。
 一方の私は、今走っている方向とは逆だが、この商店で賑わう参道のちょうど奥の富士山を望遠レンズで撮った写真を思い出し、それは、望遠レンズの効果により、ものすごく巨大な富士山になっていたという話を妻にした。

 ふじ道は狭く、路面はあまり良くなかったが、しっかりと、ゆっくりと、北上した。
 R139のバイパスに合流してからすぐ、道幅が狭くなり、そんなに広くない山間を、桂川(かつらがわ:相模川の支流)、中央自動車道(大月~河口湖線)、富士急行線が並び、のんびりと走りながら大月方面に向けて標高を下げていった。
 津留バイパスには入らず旧道を進むと、道の駅「つる」の看板があり、左折して、立ち寄った。
 ここは以前、ひとり旅の際に立ち寄ったことがあり、ここのレストランで「ほうとう」を食べたことがある。その味をあまり記憶していないことから、私にとっては、まあまあのレベルだったのだろう。
 妻は今、安い安いと言いながら野菜を買っていた。

 この道の駅の目の前には、正式には「超電導磁気浮上式リニアモーターカー」というのだが、通称「リニア」の山梨実験線の橋梁があり、時折、500km/hほどの猛スピードで走っている、いや、飛んでいる(?)。
 道の駅からクルマで5分くらいのところに、「山梨県立リニア見学センター(どきどきリニア館)」があり、妻はあまり興味がなさそうに見えたが、せっかくなので行ってみることにした。

 入館したその1Fには、リニア館の主のような車両が展示されていた。それは、581km/hを記録した試験車両(MLX01-2)で、その外観は思いの外、おとなしい印象だった。
 どちらかと言えば、既存の新幹線の先頭部分の方が攻めたデザインのようで、空力やトンネル内でのすれ違いなどを考慮した結果の進化した姿だ。
 リニアの営業が開始されれば、既存の新幹線のように、空力をさらに考慮したデザインに進化してゆくのだろう。楽しみだ。
 その車両の前に立って記念撮影をした写真を見たところ、既存の新幹線よりもひと回り小さく見えた。磁力で浮いて走るため、左右のバランスを考慮したのか、左右二列の座席になっているようだ。

 その展示車両の横には、リニア開発の歴史が展示されていた。