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犯罪という生き物

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 もちろん、参加人数によって、男女比が若干違うということは当たり前だが、極端に違う場合は、
「イベント自体が中止」
 ということになるのだろう。
 だから、大体、男女それぞれ、最高でも20人くらいにしておいて、男女差が、3人以上になると、中止ということもあっただろう。
 ただ、あまり中止というのが多いと経営が成り立たないので、少々であれば、強硬することもあるだろうし、最後の手段として、
「社員をサクラにつかう」
 ということもあるだろう。
 最初に、自己紹介カードを記入しておいて、それを相手に見せることで、短い時間を有効に使えるというものであった。まるで、
「履歴書」
 のようなものである。
 それから、今度は、
「ツーショットタイム」
 ということになり、
「気になった異性に、自分からアタックをする」
 という時間である。
 その時間は、
「自分から行かないと、取り残される」
 という時間であり、それこそ、
「肉食系」
 でなければ、弱肉強食の世界では生きていけないということになるだろう。
 しかし、あまりガツガツいくと、そういう男性が嫌いな女性もいるので、そのバランスが大切である。
 とにかく、
「自己主張は、しっかりとカードに書くなりして、相手に印象付ける。相手も、パートナーを探しているのだから、真剣なのは当たり前である。そのバランスが、大切だ」
 ということになるのだろう。
 実際に、恋愛カードには、あまり何も書いていないという人と、たくさん書いている人の差が激しかった。それが、
「やる気」
 というものに繋がっているのだろう。
 ほとんど何も書いていない人は、実際に会話をしても、何も繋がった話ができるという気はしないし、何よりも、
「最初の3分では、何も分からない」
 ということになるのだ。
 そうなると、普通であれば、
「もう少し知りたい」
 ということで、次のツーショットタイムで、指名したしたくなりそうだが、逆にこれだけ何も伝わってこないと、
「時間がもったいない」
 ということになる。
 普段一緒にいる人で、
「控えめな性格なのではないか?」
 と思える人であれば、控えめなタイプが好きであれば、
「もう一度話をしたい」
 と思う人もいるかも知れないが、実際にはそうもいかない。
 何といっても、この場所は、
「自分をアピールすることで、異性の知り合いを作りたい」
 と真剣に考えている人が来るところだと思っているからだ。
 こういうところで控えめな人とすれば、一番用語できるパターンであれば、
「この人はまだ、初心者で慣れていないだけではないか?」
 ということであれば、まだいいかも知れない。
 しかし、少しひどくなると、
「ここには、誰かに誘われて、気乗りしないが、付き合いでやってきた」
 という人である。
 そんな人であれば、
「自分の意見をもっておらず、仲良くなったとしても、いつ、他の人にいってしまうか分からない」
 ということになる。
 もし、人に誘われてきただけで、気乗りしないと思っているのであれば、
「最初からお断りだ」
 といってもいいだろう。
 そしてもっとひどくなると、
「毎回顔を出している」
 という女性である。
 そういうパーティは、一日に何度も開いている場合がある。
 例えば、
「午前の部」
「午後の部」
 という感じである。
 そして、午前の部でカップル成立して、連絡先を交換することができたとしても、その人は午後の部にも参加していて、そこで、カップルとして他の人とカップルになる可能性もある。
 もし、それが分かれば、興ざめしてしまうというのも、無理のないことだ。
 しかし、それは男性にも言えることで、中には、
「午前の部で、カップルになった同士が、午後の部にも参加している」
 ということも、普通にあったりするので、それはそれで、
「お互いに気まずい」
 というもので、最初の自己紹介タイムなど、それこそ、
「3分は長すぎる」
 というものだ。
 もう一度、
「初めまして」
 といって、午前の部と同じことをしなければならず、思わず心の中で、滑稽な自分たちを笑ってしまうことであろう。
 もっと最悪になると、
「相手の女性は、ただのサクラ」
 ということもある。
 この場合は、
「社員である」
 ということもありえる。
 というのは、前述のように、
「男女比にバランスが取れていないと、中止になったりする」
 ということで、せっかく時間を作って、準備をしているのに、人が集まれないことで、その時間、予定していたパーティに穴が開くということになれば、その人数分の収入はないわけで、従業員の人件費などの経費が無駄になってしまうということになるのだ。
 そうならないように、
「もし、女性が足りないのであれば、女性社員が、あるいは、男性が少ないのであれば、男性社員が、サクラとして参加する」
 ということもあってしかるべきだろう。
 毎回のように、真剣に参加するが、なかなかうまくカップルになれないというような人であれば、その事情は、ウスウス分かっているかも知れないが、たまに参加する程度の人であれば、
「何とかごまかせる」
 というものであろう。
 そんな、
「お見合いパーティ」
 というのが流行った時代があったのだ。
 ただ、細菌は、そういうのも聴かなくなった。
「一時期のブーム」
 ということだったのか、それとも、
「成功率がそれほど高くない」
 ということなのか、
 あるいは、
「コミュ力というものが低下傾向にあり、参加する人自体が減ってきた」
 ということなのだろうか?
 結婚相談所」
 というのは、相変わらずなので、
「結婚したい」
 と思っている人が減ったということはないような気がする。
 だとすれば、
「やはり、一過性のブームだったのかも知れない」
 と思ったが、
「ブームというのは、一定期間で繰り返す」
 ということも言われていることから、
「また起こるかも知れない」
 ともいえる。
 ただ、
「何も絶対に結婚しなければいけない」
 というわけでもなく、実際に今の時代、結婚しないという人も増えている。
 中には、
「離婚するくらいなら結婚しない方がいい」
 と思っている人もいるだろう。
 そもそも、
「お見合いパーティに、コミュ力不足で参加したくない」
 と思っているような人が、結婚して女性とうまくやっていけるというのであろうか?
 それを考えると、
「思い出の中に浸っている方がいい」
 と思うことだろう。
 父親も、実は、半分そんな心境になりかかっていた。
「娘が、中学、高校くらいの頃は、母親がいないとかわいそうだ」
 と思っていたが、娘の様子を見ていると、
「どうも、母親がほしい」
 という感覚ではないようで、どちらかというと、
「お父さんは、お母さんのことを忘れたの?」
 と思っているのではないか?
 と思ったからだった。
 そんなことを感じ始めた頃だったが、
「お父さんは、お母さんを忘れたの?」
 と、頭に描いていた言葉をそのまま言われた時、我に返った気がした。
作品名:犯罪という生き物 作家名:森本晃次