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洗脳の果てに

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 ということで、
「今までにはない考え方だったので、政府も他の組織が存在しているとしても、そちらは、まさかと思うことだろう」
 ということで、一種の、
「隠れ蓑になる」
 といってもいいだろう。
 それを考えると、
「伊集院グループが、他の財閥と違って、一本筋が通っているというのは、そういうところからなのではないか?」
 といえるだろう。
 伊集院グループの中で、手島一族がどのようなことをしてきたか?
 それは、
「汚れ役」
 であり、他の財閥系において、大きくなる過程においては、どこにでもいた存在であったのは、間違いのないことであろう。
 しかし、手島一族では、それが、さらに徹底している。
「なぜ、徹底できるのか?」
 というのは、一族の中に、
「秘密があるからだ」
 ということになるのだが、それは、実は、
「先代もそうだが、先々代もそうだ」
 ということで、このことが、
「手島一族の最大の罪であり、謎である」
 ということだったのだ。
 しかし、このおかげで、
「伊集院グループは、ずっと安泰で来られた」
 といってもいいだろう。
 これは、
「決して許される犯罪ではない」
 ということになるのだが、伊集院グループのトップは、もちろん知っていることであろうが、それ以外の人は、いくら、
「伊集院一族の人間」
 ということであっても、それを知るということはなかったのだ。
 それだけ、大きな問題だといっても過言ではなく、伊集院一族にとっても、手島一族にとっても、グループ全体として、隠さなければいけないことだったのだ。
 ただ、この問題も、少なくとも、戦後80年という長きに渡って、隠し通されてきた。
 これが、
「大日本帝国時代」
 であれば、
「天皇の権威」
 があったので、また違った様相なのだろうが、その時代の
「伊集院グループの権力」
 というのは、それほど目立つものではなかった。
 何しろ、当時の伊集院グループというのは、他の財閥系の会社と同じで、誰にとってもその力は強力なものであり、
「国家の主権者」
 である天皇であっても、踏み込むことができないほどのものであった。
 ということは、
「大異本帝国において、天皇を裏で操る」
 というほどだったのかも知れない。
 といっても、そんなことができるはずもないと思われるが、本当のところは、すでに大日本帝国が解体されてから、長い年月が経ってしまった今となっては、それを解明できるすべが存在するわけではない。
 もちろん、文書で残すというようなことがあるわけもなく、しかも、
「大日本帝国は、連合国に、無条件降伏して、敗戦したのだ」
 ということである。
 余計な文書など、存在することができるはずがないというものだ。
 もし、これが、占領国に分かってしまったとすれば、
「天皇制の維持は、いくら象徴として」
 ということであっても、不可能であっただろう。
 それを考えると
「大日本帝国は、本当に、立憲君主の国だったのか?」
 と思えてくるのであった。
 だったら、
「226事件というのも、違う見方が出てくるのではないか?」
 ということになり、そうなると、歴史が根本から変わってくるということになるので、本来なら
「触れてはいけない」
 ということになるのだろう。
 しかし、日本は戦争に負けて、まったく違った国に生まれ変わったのだから、一度リセットされたということで、
「触れてはいけない」
 とは言い切れないのかも知れない。
 日本が戦争に負けたことで、世の中は大混乱になった。
 しかも、占領軍の目的は、
「日本の民主化」
 ということで、そのために、
「武装解除、戦争放棄」
「財閥の解体」
「農地改革」
「新憲法の制定」
「戦争犯罪人の処罰」
 などが主な目的だったのではないだろうか?
 もちろん、その中に、
「天皇制の維持」
 という問題も大きかったのは間違いない。
 実際に、
「天皇制の維持」
 というのは行われ、
 大日本帝国においての天皇制ではなく、民主国家においての天皇制というものが新たに生まれたということになるのであった。
 日本という国が今日あるのは、
「占領軍のおかげ」
 ともいえるかも知れないが、
 実際に、その、
「現地の占領軍」
 というものを裏で動かしていたのが、伊集院グルーうだということは、誰も知らないことであろう。
 その時、伊集院グループの、さらに裏で暗躍していたのが、手島一族だった。
 彼らは、
「裏組織の裏」
 を牛耳っていたわけで、ただ、
「裏の裏というと表」
 ということで、
「実際には、表で暗躍していたのでは?」
 と考えるかも知れないが、そんなことはない。
「裏の裏が表だ」
 というのは、それこそ、表から見た世界ということで、実際には、
「裏を牛耳ているのは、裏でしかない」
 ということで、
「手島一族は、その、裏の裏というものを見ることができる、唯一の一族だ」
 ということになるのであろう。
 実際に、この手島一族というのは、その家系を探ってみると、
「忍者の一族だった」
 というウワサがあるくらいであるが、さすがに、
「それはあまりにも都合がいい」
 ということで、誰かが意図的に流した根も葉もないただのウワサではないかということであったのだ。
 流したとすれば、
「伊集院グループの執事グループではないか?」
 ということであった。
 彼らは、一種の、
「スポークスマン」
 でもあり、
「手島一族が、裏を一手に握っているということであれば、彼らは表であくまでも存在していて、そのくせ、暗躍をしている」
 という、ある意味、
「手島一族よりも、その存在が難しい立場にある一族だ
 といってもいいかも知れない。

                 手島一族の秘密

 そんな手島一族であるが、この世襲に関しては、大いなる秘密があった。
 これは、
「手島一族が、手島一族であるがゆえん」
 といってもいいだろう。
「手島一族が行っている所業」
 というのは、
「基本的に、殺人に至らないまでのあらゆる悪行」
 というものであった。
 そして、その手始めが、時期参謀と目されている、若干二十歳の俊太が今行っていることであった。
 これまで、代々受け継がれてきた、
「先代から次代へと受け継がれるものとして、最初に手を染める犯罪を、今、俊太は行っている」
 もっといえば、
「俊太が、この儀式を行えば、さらに、伊集院一族が繁栄する」
 ということであり、
「世代交代には、どうしても必要なことであり、それこそ、手島一族にとっては、成人式のようなものだ」
 ということになるのだった。
 それが、詐欺というものであり、犯罪としては、それほど深いものではないが、ある程度頭の良さと、覚悟を持つだけの度胸がなければ務まらないということでもあったのだ。
 そんな手島一族も、
「これが世襲になっている」
 ということは、どこか過去に、大きなターニングポイントがあったということであろう。
 そして、
「伊集院一族と、手島一族の関係というものが、いつから続いているのので、どうして、ここまで関係が深いものなのか?」
作品名:洗脳の果てに 作家名:森本晃次