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時代背景の殺人事件

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 ということで、もし、警察に自白を強要されたということを、裁判でひっくり返せば、裁判官は、警察の捜査を信用しないだろう。どんな証拠をもってしても、警察が自白を強要するということは、それだけ大きな問題なのだ。
 それは、冤罪というものが、どれほど大変なことなのかということを分かっているからである。
 無実の人間を罪に陥れる。もしこれが、
「死刑判決」
 であったとすれば、その問題は、
「どうしようもないくらいに大きな問題だ」
 といってもいいだろう。
 それを考えると、さすがに警察も、
「開かれた警察」
 ということで取り調べ中に、部屋の扉を開けておくなどということをしないといけないくらいに、シビアな取り調べとなってきたのだ。
 この問題は、警察の方が、世間よりも先だったのではないだろうか?
 コンピュータの開発もその後だったこともあるので、サイバー犯罪や、個人情報保護であったり、そのあたりに、
「基本的人権にかかわる憲法的な考えは、コンピュータの発達によって起こってきたものだ」
 といってもいいだろう。
 個人情報保護というところで大きな問題になってくるのが、
「サイバー詐欺」
 のような犯罪ではないだろうか?
 コンピュータウイルスなどが蔓延ってくると、個人情報が、詐欺組織に漏れたりしないように、
「世間の人にも、個人情報保護」
 という観点をあからさまにするということが大切になってくるのであった。
 携帯電話などを使っての詐欺ということになると、
「特に老人などの、コンピュータに疎い人が狙われる」
 というのも当たり前というもので、
 平成の最初の頃に流行った。
「オレオレ詐欺」
 などというものが始まりであり、それであれば、
「電話で誘導して、金を振り込ませる」
 という手口だった。
 しかし、
「コンピュータウイルス」
 というものに、企業のサーバーが引っかかってしまうと、それこそ、金融機関の情報が洩れるということになり、
「顧客の、金融機関の情報が洩れるということは、銀行の口座から、暗証番号。名義人まで漏れてしまうと、
「いつの間にかお金を引き落とされている」
 ということになりかねない。
 だから、会社の方でも、
「個人情報が漏れない」
 というようにしないといけないわけで、それがどういうことなのかというと、
「コンピュータウイルスに感染しないようにする」
 ということのために、
「変なサイトは見に行かない」
 であったり、
「おかしなリンクはクリックしない」
 などというマニュアルを会社も用意して、それを社員に徹底させる必要がある。
 もし、漏れてしまったりすれば、会社の責任となり、会社がこうむった災難は、今度は、会社が社員に請求するということになるのだ。
 これは、
「会社を解雇されていても、関係はない」
 つまりは、事が起こってしまった時にさかのぼっての罪ということになるのだ。
 だから、今は、
「会社の情報を表に持ち出さない」
 ということで、今までのように、
「仕事が間に合わないと、家に持ち帰ってする」
 ということはできない。
 やるとすれば、会社に泊まり込んでするということしかないだろう。
 それだけ、厳しいことになるというものである。
 そんな社会問題をいかに扱うのかということが、現在の、
「個人情報保護」
 ということになる。
 また、個人情報の保護という観点は、
「個人間」
 にも存在する。
 それが、ほぼ同じころから湧き上がってきた、
「ストーカー問題」
 というものにかかわってくるのである。
「盗撮」、
「盗聴」
 などという問題も、その中には入ってくるというものである。
 ストーカー問題というのは、実は、昭和の頃からあったことであった。
 しかし、実際には、
「そこまで多くなかった」
 ということなのか、それとも、
「そこまでエスカレートすることはなかった」
 ということなのか、どちらにしても、
「問題が大きくなってきた」
 といってもいいだろう。
 確かに、問題はエスカレートしてきた。
 相手の家を突き止めるだけではなく、
「無言電話」
 であったり、
「ごみを家の前に置いておく」
 あるいは逆に、
「相手の望まないプレゼント」
 特に、下着などを置いておくというような、嫌がらせが増えてきたりすると、さらにエスカレートして、その人にかかわっている人、あるいは、その人本人すら傷つけるということもあるだろう。
 これが昔にもあったとすれば、探偵小説などで見られるような、前述の、
「変格派探偵小説」
 であろうか、
 要するに、
「猟奇殺人」
 であったり、
「変質的な性癖が、犯罪にかかわってくると、耽美主義的な意味」
 として、
「犯罪を美化することで、正当化しよう」
 とする考え方である。
 それが、平成の時代にまたしても起こってくるということは、それこそ、
「時代は繰り返される」
 ということになるのであろう。
 それを考えると、
 耽美主義であったり、ストーカー犯罪というのは、
「殺人などの凶悪犯に対して、感覚がマヒしてしまい、自分を正当化することで、それが美化に繋がるとして、犯罪の凶悪化を引き起こす」
 といっても過言ではないだろう。
 それを思うと、
「犯罪というものを考えた時、動機の偏執性であったり、犯罪そのものの、残虐性というものが、昔の犯罪に近づいてきた」
 といえるだろう。
 ただ、時代が一周しているので、その間に、科学の発展であったり、時代が一周するだけの、社会の大きさを思い知ることになるだろう。
 だから、
「犯罪においての、歴史を勉強する必要があるのではないか?」
 と考えることで、
「昔の探偵小説を読み込む」
 というのは、その時代背景を勉強するという意味で、大切なことなのかも知れない。
 それはあくまでも、
「研究」
 という意味であり、実際の犯罪が今の時代に起こっているのであるから、すべてを鵜呑みにするというのは、決していいことではないだろう。
 それを思うと、
「ストーカー問題」
 であったり、
「詐欺や、サイバーテロ」
 のような、コンピュータ関係の、生活安全課の仕事といわれるところは、
「捜査一課」
 というところの問題だけに限らないといえるのではないだろうか?
 そんな事件が多くなると、生活安全課の仕事も多くなる。
 しかし、警察は、今や人手不足。基本的には昔からそうであるが、
「事件性がないと動かない」
 ということである。
 平成から令和になると、それが、
「物理的に不可能」
 といってもいいような問題に発展する。
 要するに、
「警察官の人手不足という問題だ。
 警察官の数も減ってきているし、予算もままならないのかも知れない。
 何といっても、目に見えて、減ってきているものとして、交番が昔ほどはないのだ。
 前であれば、町内に一つは交番があっただろう。
 しかし、今は数個の町に一つの交番があるくらいで、そこには、常時、数人の警官が配備されているくらいで、パトロールに出てしまえば、交番に残っている人がいなくなり、交番の前には、
「パトロール中」
 という札が立てられているという状態になっていることだろう。
作品名:時代背景の殺人事件 作家名:森本晃次