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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州・富山の旅

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 この旅でもそうだが、制限時速をまるっきり守っていないクルマをよく見る。制限時速プラス30km/hは出ているクルマも時々走っている。あの嫌いな「ネズミ捕り」や物陰から突然、サイレンを鳴らしながら走りだす白バイも必要なのだろう。

 そして、幹線道路の信号のない交差点や丁字路(T字路ともいう)のように脇道が幹線道路に合流するポイントで、その停止線の手前で止まらず、停止線のかなり先まで出てしまうクルマの多いこと、多いこと。
 これまでに、そのようなクルマに接触したことはないが、一度だけ、停止線で止まらなかったクルマが自転車も走れる歩道を走ってきた自転車に衝突した瞬間を、ちょうど停止していた「ジル」から目撃したことがある。乗っていた中学生が吹っ飛んでしまい、周囲の人たちが中学生を保護する行動を起こしていた。
 その影響もあり、停止線の手前で止まらないクルマに対しては、常に一抹の不安がある。
 クルマは停止線の手前で先ず止まり、歩行者や自転車との安全を確かめて、少し前進して、近付くクルマとの安全を確かめる「2段停止」をやって欲しいと切に思う。自動車学校で、そう習ったはずだ。

 「キャンピングカーの旅」では、知らない道を走ることが多く、過去に走った道でも慣れた道ではない。したがって、いつも、かなり慎重に安全確認をしながら運転している。
 もし旅の最中に事故を起こしてしまうと、旅が台無しになってしまう。そもそも、キャンピングカーはスピードを出して走るクルマではないため、ほぼ制限時速で走っている。そして、そのスピードで走っていると、違反を起こしているクルマが余計に目に付くようだ。

 そんなことを思っているうちに、既に午後1時を回っていた。しかし空腹感はなく、多分「朝ラー」だったためだろう。この日は結局、昼食は取らなかった。

 神通川が造った谷をR41もJR高山本線も、左岸を走れば次は橋を渡り右岸へ、それを繰り返しながら、飛騨高地の中で次第に標高を上げていった。
 少し疲れを感じていたので、見えてきた道の駅「細入(ほそいり)」に立ち寄った。
 ゆっくりと休憩しながら見えたのは「鮎の塩焼き 600円」の看板で、好物なのだが、まだ食欲が湧かなかった。ひょっとして、「朝ラー」を続けるとダイエットになるのでは、そんな気がした。
 ちなみに「食指が動く」とは、食べ物に対して食欲が起こることから転じて、「物事に興味が湧く、手に入れたいという欲望が出る」といった意味で、「鮎の塩焼きに食指が動かなかった」と書いてしまうと、それは誤用だ。多くの人が間違って使っている表現のひとつだと思う。

 その後、神通川は分岐し、西側は宮川と呼ばれる神通川の上流になり、東側は支流の高原川(たかはらがわ)に。R41は、ここでJR高山本線と別れ、高原川沿いに更に標高を上げていった。

 やがて、奥飛騨温泉郷や上高地に向かうR471との分岐点に至るが、昨日は、まだ知らないこの道を走ってみようと思ったが、距離的に遠回りになり、標高差もあるので、そのままR41を走り続けることにした。

 かなり標高が上がってきたようで、車窓からはスキー場が見えた。それは「飛騨ながれ葉スキー場」で、その先の幾つかのホテルがあり、まだスキーシーズンではないので休業かとも思ったが、外観の傷み具合から見て、廃業したのだろう。スノボも含めたスキー人口減少の影響なのか。
 R41の対向車は少なく、「ジル」の前後にはクルマが見えない交通量になり、このR41は今どうなっているのかと不思議に感じるほどだったが、そのあたりから少し下り始めた。やがて、先ほど分かれた宮川とJR高山本線に再び合流したが、その間、R41は700m近く上って、400m下ったことになる。

 やがて、飛騨の町並みに入った。
 ここは宮川の河岸段丘に広がった盆地の町で、古い町並み、立ち並ぶ白壁の土蔵、その下は鯉が泳ぐ清い水の流れる川、涼を求めながら、その川べりを散策したことがある。
 今は、アニメ映画「君の名は。」で描かれている飛騨古川駅の方が有名な気がするが、駅以外は以前に訪れたことがあるので、今回は、町から外れたバイパスを走って、道沿いの道の駅「アルプ飛騨古川」に立ち寄った。
 ところが、コロナ禍による非常事態宣言下で、明後日の9/30までは臨時休業の貼り紙があり、駅舎のショップに入るはずが、トイレ休憩のみになってしまった。

 飛騨から高山はすぐだ。前回の「キャンピングカーの旅」での高山観光は、町の中を「ジル」でただ走っただけで終わったが、もう夕方近くになっているので、今回も散策はできず仕舞いになった。いつかは妻と一緒にのんびりと散策したいものだ。
 ということで、高山から約20kmの道の駅「飛騨街道なぎさ」に向かった。今夜の車中泊の場所だ。

 閉館時間ギリギリに到着し、駅舎のショップで夕食用のケイちゃん(味噌味の鶏肉)と家族への土産物を買って「ジル」に戻ると、隣のクルマの年配の男性から「キャンピングカーは良いなあ・・・」と言われ会話が始まった。
 静岡県の西部から北上して、富山県で色々と観光して、今は帰路の南下中。そして、バンクベッドで就寝している話になり、「ジル」の設計上の就寝人数は、大人5人だと説明した。

 夕食は、先ほど買ったケイちゃんがメインディッシュで、炒めた椎茸をコンソメ味にして、そうなると白米が欲しくなり、レンチンご飯を準備した。ケイちゃんはホントに旨かった。

 就寝前の旅のルーティンの「旅のメモ」を書いているとき、ネットで、飛騨古川の観光ポイントの風景写真を見たところ、たいへんな誤解に気が付いた。
 それは、私が訪れた場所は岐阜県の郡上八幡で、飛騨古川はまだ訪れていない知らない町だった。街の部分部分の佇まいが似ていたことで誤解していたようだ。
 我ながら、そんな誤解をするのかと自分自身にほとほと呆れてしまった。でも、次の旅で訪れることに決めると、少しばかり気が楽になった。