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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州・富山の旅

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 「キャンピングカーの旅」で参拝する神社で、手を合わせてお願いするのは、先ずは旅の安全で、次は家族の健康など、その順序はほぼ決まっている。ここでもその順序で、お願いした。

 この「曳山まつり」の「曳山」の準備状況を見たくて、この内川界隈の散策中に「曳山」に出会えればと思い、川端から離れた路地を歩くことにした。路地の門を曲がっても、ちょっとした広場の中を見ても、残念ながら、その曳山の姿はなかった。
 実は、川の駅で頂いた地図が略されていたのか、私が誤解したのか分からないが、内川沿いの道から八幡宮まで、暑い中、道に迷ってしまった。その分、内川に面していない静かな路地を長い時間歩き回ってしまった。今でも、その雰囲気を覚えている。

 この港町風情あふれる内川は、富山新港から東西約3km強の、富山湾の奈呉の浦につながる「川」の名前の運河で、川べりには民家が立ち並ぶ風景から「日本のベニス」といわれているとのことだが、なんか違うというのが、私の印象だった。

 川の駅に戻ってからの小休止中に気付き、驚いたのは、2時間以上も散策していたことだ。
 残念だったことは、万葉線(まんようせん)の新湊港線(しんみなとこうせん)の内川橋梁を路面電車が渡る情景を見なかったことだ。
 今度、ここに来る時は、妻と一緒に川端歩きをしながら、路面電車が内川橋梁を渡る情景を見てから、川べりのカフェでコーヒーでも飲みたい、そう思った。
 心地良い疲労感に包まれ、気持ちは懐かしい昭和に戻ってしまったが、そんな「内川エリア」をあとに、帰路に就くことにした。

 先ずはナビに、自宅までのルートになるR41(富山市と名古屋市を結ぶ一般国道)沿いの道の駅「アルプ飛騨古川」をセットしたところ、R472とR359を走り、R41に合流するルートが検索された。
 富山市の西隣の射水市からR472で南下を始めた。北陸自動車道の小杉IC入口までは上下4車線の快適な道だったが、それ以降は上下2車線になり、更に進むと、直進は県道になる交差点で、左折してR472を走り続けた。

 そこからは次第に上り勾配になり、対向車の数はめっきり減り、若干の不安がよぎった。
 山間に入った頃に「大型車通行不能」と書かれた看板があり、左側には「この先25km高塚トンネル 高さ制限3.0m 大型車両通行禁止」と書かれた看板も見えた。
 「ジル」の車高は3mを若干超えるので、これ以上先に進んでも仕方がない。少しバックして、道路に面した工場の駐車スペースでUターンしたとき、目の前を通過した大型トラックが看板の先に進んで行った。
 「えっ?」と思ったが興味が湧き、大型トラックの後を追い掛けた。少し走ると、センターラインがなくなり、道なりに右にカーブした場所から先は、道幅が急に狭くなっていて、大型トラックの姿はもう見えなかったが、車幅2mの「ジル」はもう先に進めない気がした。
 ちょっとしたスペースを見付け、そこでUターンして、R472が左に折れた県道との交差点まで戻った。

 これまでの経験から、山間の400番台の国道や県道は、往々にして「ジル」の通行に厳しいケースがある。奇しくも、その経験則が今、このR472に当てはまってしまった。
 そこで無難なルートを選択しようと、少し遠回りになるが、北陸自動車道の小杉ICより北側の、平地にある県道を東へ進み、R41に向かうことにした。 

 後日、引き返したR472について調べたところ、酷道で有名な国道だった。
 先ずは、Uターンしたポイントから先について、Google mapのストリートビューで見たところ、軽自動車ならば走ることができる幅員の道になり、その後は再び2車線になるものの、そこから先で再び幅員が狭くなり、急な登坂になり、その先に高さ制限3.0mのトンネルがあった。バイクならば面白い道なのだが、キャンピングカーでは絶対に通行不可能な道だった。
 特にR471と重複している部分にある富山県と岐阜県の県境付近の楢峠(ならとうげ)は、豪雪地帯の山越えとなり、6月~11月の半年しか通行できない。
 おまけに、冬期通行止めの期間が終わると、大抵どこかしら、側壁崩壊や路肩欠損などが起きていて、通行止めになり、その補修が終わり、ようやく秋口になって通行止めが解除されるということも珍しくなく、実際に通行できるのは冬期通行止め直前のごくわずかの期間になってしまうことが多いとのことだった。どうも税金の無駄使いのような道ではないかと感じた。
 さらには、高山市内の、といっても、全国の市区町村で最も広い面積の高山市のため、その山岳地帯で、R472が途切れている部分もあり、迂回できる道もなさそうだ。
 酷道の定義は知らないが、このR472を採点すると酷道レベルは満点だろう。

 そしてもうひとつ、調べたものがあった。
 R472が左に折れる交差点を直進する県道の行き先についてだが、そこは、あの「おわら風の盆(かぜのぼん)」の越中八尾(やつお)方面だった。R472を通行できていれば、そこに直接、たどり着けたはずだ。
 何かのドラマか映画で見た艶やかで優雅な女性の踊りに魅入られて、いつかは直接見たいと思っていた。踊りが見られなくても、八尾の町を訪れたいと思っていたほどだ。
 その八尾は富山県内の町だとは認識していたが、何故か、石川県に近いあたりだと誤解していた。

 次回以降の「キャンピングカーの旅」で富山県を走るときには必ず、八尾に立ち寄ることに決めた。
 そのときは、越中八尾観光会館に立ち寄り、諏訪町通りを散策したい。踊りが見られるタイミングならば最高だ。いや、その時期に合わせて旅をすることを考えてみたい。

 引き返した「ジル」は神通川を渡り、県道を東へ進み、R41に合流し、南下を再開した。
 ナビは最短距離を選択する設定になっているのか・・・、いずれにせよ、ナビに頼り過ぎだったことを反省し、これからは、先ず、マップで広い範囲を頭に入れてから、ナビで具体的に設定することにしよう。いい勉強をした。

 途中でコンビニに入った。残りの旅は多分、今日と明日の2日間くらいだと思うが、ちょうど無くなった食パンを買った。そのとき、静岡県内では販売されていない富山ならではのカップ麺が目に入り、それも買った。そして、アイスにも手が伸びた。間もなく10月というのに、この暑さは一体何なんだ?

 アイスを食べながらの、ながら運転で走っていたとき、いきなり後方から猛スピードの2台のクルマに抜き去られ、それらはバトルをやっているようで、仲間なのか、仕掛けられたから受けたのかは分からないが、見る見るうちに遠くになっていった。
 その2台のクルマの違反内容を推測したところ、先ずは何と言っても速度違反、そして無茶な運転による安全運転義務違反、方向指示も出していない。加えて、排気音が大きいし、少し改造もしていたようだった。警察に捕まれば、免停は間違いないだろう。

 目の前で、交通違反をしているクルマを見たことで、日頃から気になることや「キャンピングカーの旅」ならではのことを思いながらの運転になった。