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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州・富山の旅

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■9/28(6日目):富山県氷見 ⇒ 岐阜県高山市(道の駅:飛騨街道なぎさ)


【走ったルート】 今日から帰路に就くため、ルートの基本は南下だ。その前に、道の駅「氷見」から富山市内に戻り、日本のベニス「内川エリア」を十分な時間を掛けて散策した。その後は、JR高山線に並走するR41を走り、沿道の道の駅に立ち寄りながら、たどり着いた道の駅「飛騨街道なぎさ」で車中泊。【走行距離:153km】

【忘れられない出来事】 港町の内川界隈のノスタルジックな風景を見ながら散策したこと。時間を忘れるほどで、昭和の世界を垣間見た気がした。

【旅の内容】 5時半に目が覚めた。
 富山湾越しに立山連峰から昇る朝日が見えるかもしれないと思い、デジカメを持って、道の駅の海側の道路を渡り、比美乃江公園内にある展望台に登った。
 昨日と同様、立山連峰には雲が懸かっていたが、それらが朝日で色が変わり、その雲間に朝日が見え始め、それなりの美しい写真が撮れた。
 比美乃江公園は、氷見漁港のすぐ北側にあるため、展望台からは漁港全体が見える。そこには以前、魚市場の建物を利用したような道の駅があり、バイクで訪れたことがある。そこから、広大な面積の今の場所に道の駅が移転したとのことだ。

 写真を撮り終えた頃、展望台に登ってきた男女がいて、それほど広くないスペースだったことから、朝の挨拶から自然に会話になった。
 最初は年の離れたカップルだと思っていたが、母と息子の親子で、日本中の酒蔵を回って、美味しい日本酒を飲みながら、美味いものを食べているとのこと。
 私はアルコール類を飲まず、好みの飲料はゼロコーラだ。以前はファンタオレンジがベストだったが、齢を重ねた今、糖類は体に良くないので、ゼロコーラに変わった。コストコで箱買いした缶に入ったゼロコーラがいつも自宅にあり、「ジル」の冷蔵庫にかなりの本数を入れて、旅に出るのが常だ。
 そんな話を酒好きの親子にしても仕方がないので、私の知っている清酒の知識を総動員した。
 発売するとすぐに売り切れる静岡県島田市の清酒「おんな泣かせ」、浜松市浜北区の「花の舞酒造」の振る舞い酒などの情報提供、そして「キャンピングカーの旅」で偶然に立ち寄った滋賀県木之本にある私の苗字と同じ富田酒造の話で盛り上がった。
 彼らは今、氷見市内の高澤酒造場の「曙」を持って来ており、その瓶と一緒に朝焼けの写真を撮って、乾杯していた。そして今日、そこの酒蔵を特別に見学させてもらえるとのこと。そのような旅もいいね。お元気で。

 「ジル」に戻ってからは先ず、昨夜ギブアップした「旅のメモ」の続きを書き終えて、今日の分の「旅のメモ」の冒頭に、先ほどの酒好きな親子のことを書いた。

 まもなく、朝ドラの「おかえりモネ」の今日の放送が始まる。
 テレビのスイッチを入れるも、地デジのNHKの電波状況が悪くなっていて受信できない。道の駅に到着した昨夜は良かったが、近くに長距離トラックが停まったため、それが影響をしているのかもしれない。
 そこで、駐車場内を走りながら受信状況の良い場所を探したところ、隣接した「総湯」の駐車場で受信できた。
 今朝の放送は、主人公のモネが東京からUターンして、故郷の気仙沼のコミュニティFMで、天気予報を中心とした情報提供を行うシーンが放映された。
 過日、宮城県の某コミュニティFM放送のある番組に、そうなるのではないかとのおたよりを送ったことがあり、本当にそうなった。そこで、その番組のパーソナリティに、旅先からその旨のメールを送信した。

 朝ドラを見ながら、袋ラーメン(味噌)を作って、その中に、グリルチキンを入れた朝ラーを食べた。朝から体も頭も使ったためか、食欲旺盛だった。

 道の駅を発つ前に、「ジル」のタンクに水を補給することにした。
 先ずは、道の駅のスタッフに了解を頂き、「ジル」に積み込んでいたホースを使って、「ジル」の内蔵タンクとポリタンに補給した。前者は生活水用で、後者は飲料水用だ。この旅はあと、多分1泊2日の行程なので、満タンにはしなかった。サンクス。

 昨日の滑川の道の駅で入手したパンフレットの「とやまドライブ旅Guide」の中に、特に気になる情景があった。それは、富山市の西側に隣接した射水市の新湊地区内の「内川エリア」で、その川の両岸には漁船が連なって係留され、どことなく懐かしい港町風情だ。その雰囲気に誘われてしまった。
 昨日、富山新港から氷見まで走った道を引き返し、「内川エリア」の散策の起点になりそうな川の駅「新湊」を目指した。
 川の駅には数台分の駐車場があり、まだ早い時間だったので、「ジル」を停めることができた。

 駅舎に入ると、地元産品の販売、カフェ、レンタサイクルを常備した観光案内所のような場所で、観光船に乗船できる場所でもあった。
 駅舎内の壁に貼られていたポスターは、ここをロケ地にした映画やドラマのワンシーンのようで、そういう意味では、ファンにとって、ここは聖地なのだろう。

 初めて訪れた「内川エリア」のため、どのように見て回るのが良いのか分からず、川の駅のスタッフに訊いたところ、手渡された地図を使って教えてくれた内容は、内川に架かっている幾つもの異なる形の橋をジグザグに順に歩けばよいとのことで、加えて、間もなく「射水の曳山まつり」が開催される放生津八幡宮(ほうじょうづ はちまんぐう)も、お勧めとのことだった。 
 この八幡宮は、越中守(えっちゅうのかみ)大伴家持が豊後国(ぶんごのくに:大分県)の宇佐神宮から勧請したとされるようだ。私の本籍地は大分県の宇佐(うさ)市のため、御縁を感じたこともあり、しっかりと参拝することに決めた。
 ちなみに、海外で仕事をしていた頃、冗談めいて、I was born in USA. と言っていた。

 川の駅を背に周囲を見渡すと、目の前の異世界に目を奪われた。これは少々過剰な表現だが、昭和の頃から何ひとつ変わっていないような雰囲気が漂っていた。
 その雰囲気の強い方向を選び、川端歩きとでも言うのだろうか、川沿いの散策を始めた。
 これまでの「キャンピングカーの旅」で訪れた水郷や堀での散策を楽しむこと数回、そこと違うのは、川幅が広いこともあるが、その両岸に係留されている漁船の幅が、私の地元の静岡県遠州灘の通常の漁船のほぼ2倍もあり、初めて見たその大きさに驚いた。
 さらに、それらが連なって係留され、対岸の家並みとの組み合わせが素晴らしく、内川ならではの風情を作り上げていた。
 そして、嬉しいことに、時折、両岸に係留された漁船の間を船が走っていて、その情景は、特に印象的だった。

 その昭和の雰囲気の中で、朝の陽射しを考慮しながら、色々なアングルで、何枚もの写真を撮った。その時、観光客の姿が殆どいなかったのは幸運だった。
 幾つもの橋を渡り、橋の下を潜り抜け、いい感じの対岸があればそこに行き、心地良い川端歩きを満喫できた。

 最後に、放生津八幡宮を訪ねた。
 全国に4万社余りある八幡さまの総本宮の宇佐神宮の朱色とは異なり、シックな色で落ち着いた雰囲気だが、今は、提灯や特別に設けられた築山(祭壇)があり、祭りの準備が進んでいるように見受けられた。