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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州・富山の旅

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 このように、見落とした場所や風景があっても、天候不順でよく見えなくても、次回の旅のときに再び訪れて見ればいいやと、「キャンピングカーの旅」をやっていると、大きな落胆を感じることが少なくなっているようで、あたかもそれは、心に余裕が生まれているような、そんな気がする。

 日本海に沿って、R8を南下した。車中泊した道の駅「マリンドーム能生」、夕陽を求めて歩いた能生漁港、写真を撮った弁天岩につながる橋の袂を見ながら走り、JR糸魚川駅のアルプス口(南口)にある「糸魚川ジオステーション ジオパル」に到着した。

 駅前の駐車場の入口の料金徴収ボックスに低い屋根が付いていて、「ジル」の右側面が接触しないように、入口の左側に「ジル」を寄せて、低い屋根からわずかばかりの距離を確保しながら通過できた。

 北陸新幹線の高架下に建設された「ジオパル」に入ると、ふたつの大きなジオラマが目に入った。
 ひとつは、糸魚川駅を中心とした市街地の風景で、えちごトキめき鉄道や北陸新幹線の線路が見えた。そこを、気動車(ディーゼルカー)や電車が走っていた。
 もうひとつはJR大糸線の沿線風景で、古くはSLのC12やC56が客車や貨物車を牽引していたので、それらを走らせて欲しいなあと思って見ていた。

 それらのSLについての蘊蓄だが、D51などの大型機関車が入線できない低規格な簡易線向けに、小型軽量で前進・後進の容易なタンク式で開発された機関車がC12だ。
 C12は短距離線区向けのものだったため、比較的に長距離の線区では、石炭と水の搭載量が少ないC12の運用は無理で、C12から水槽と炭庫をはずし、テンダー式に設計されたものがC56だ。

 以前からそうだが、鉄道模型に興味があり、昭和の頃の客車を数台牽引するSLのC11、それが田舎町の景色の中を走るジオラマを製作したいと思い続けている。そこには、貨車を牽引する大正生まれの9600型のSLも走らせたい。
 これは、福岡県の実家近くを走っていたSLの写真を撮っていた中学生の頃の思い出の再現だ。
 そのジオラマは畳1枚分の大きさで、製作期間は半年以上を要するのだろう。ただ、SLの機関車を際限なく増やさないことを肝に銘じておかないと、畳が2、3枚と増えてしまいそうな気がする。
 そうは言っても、軽便鉄道のSL機関車は欲しいので、森林鉄道の線路も設けたいと思っている。

 そんなことに憧れ続け、もう何十年にもなるのだが、未だに手を出していない趣味だ。
 セカンドライフの今、あれこれやっているので、時間的に、新しい趣味に手を出す余裕はない。ただ、今の趣味のどれかと入れ替えるならば可能だが、今の趣味をやめる気はないので、残念ながら、鉄道模型に入門するのはいつになるのか分からない。

 「ジオパル」のジオラマの隣の部屋には、ディーゼル車両の「キハ52」の実物が展示されていた。
 その中に入ってみると、いきなりノスタルジーに包まれた。若い頃に多分、どこかで乗ったことがあるのだろう。もちろん昭和の頃だ。
 たとえ、その経験がなくても、何故か懐かしさを感じるのかもしれない。それはノスタルジーではなくクラシックで、それらは似たようなものかもしれない。
 ちなみに、この車両はかつて大糸線で活躍していたものだという。だから、先ほど見たジオラマに、「キハ52」と思われるディーゼルカーが走っていたような気がした。

 以前からSLには興味があり、その知識もそれなりに持っていると思うが、ディーゼルカーについてはほとんど知らない。念のため、スマホで調べたところ、「キハ」の「キ」は気動車のキで、「ハ」は普通車を意味し、その後の数字は型式を指しており、かなり前に 得た知識だ。

 今の世の中、分からないことがあれば、スマホで簡単に調べられるが、ネットが普及する以前は、このように「ちょっとだけ調べる」だけでも図書館に行って、参考になる文献などを探して・・・と、かなりの時間と労力を掛けなければならなかった。時代が移り、机上のコンピューターでネットにアクセスして・・・、それが今、スマホでチャチャチャと検索して、それなりの精度の情報がすぐに探すことができる。世の中は、つくづく変わったと思う。
 参考までにひとつ。まだ現役で仕事をしていた頃のことで、隔世の感のあることを紹介したい。
 私が社会人になった頃の海外工場との情報交換は電話でもできたが、電話代は非常に高かったので専ら「テレックス」だった。それが「ファックス」になり、「電子メール」になり、それと並行して、特別なカメラを必要とするWeb会議が今、ZOOMなどに代表されるクラウドコンピューティングを活用したものになった。私生活では、Lineでの無料電話に加え、無料のビデオ通話もある。
 約半世紀を振り返ると、その進化のレベルはホントに素晴らしい。
 そして、これからは、AIが更に進化して、欲しい情報が欲しい形に整理されて揃うようになる一方、そんな世の中で、果たして人間は・・・、「負けるな!人間」、「人間の価値は何?」と思ってしまう。

 紀行文から脱線してしまったが、「キャンピングカーの旅」については、走るルートを決めて、VRゴーグルを装着すれば旅を体験できて、何かしゃべれば、自動的に紀行文が出てくるようになるのかもしれない。でも、そうなると便利かもしれないが、それは大きな間違いなのだろう。

 私も含めて、今、セカンドライフを始めた年代の人たちが90歳位まで生きるならば、ざっくりだが、昭和を30年、平成も30年、令和でも30年ずつ経験することになる。
 これまでの世の中は最も進化・発展した時代だと思っているが(いつの世の中でも、そう感じているのかもしてない)、90歳まで、AIに注目して、世の中がどう変わるのか、しっかりと見ていきたいと思っている。多分、世の中での創造は私の想像を超えるのだろう。

 さて、「ジオパル」での話に戻るが、「キハ52」の隣には、豪華寝台特急の「トワイライトエクスプレス」の「展望A個室スイート」と「食堂車」の一部が再現されており、予約すれば実際に「食堂車」で食べられるとのことだった。予約はしていなかったが、そのシートに座り、刹那的な満足感を味わった。
 新潟県内では、直江津駅、長岡駅、新津駅の3駅にのみ停車した「トワイライトエクスプレス」だったが、糸魚川市は、北陸新幹線(長野・金沢間)開業後のさらなる糸魚川駅の活性化や2016年12月に発生した駅北大火から復興に向けた駅周辺のにぎわい創出を図るため、JR西日本から譲り受けた備品を活用し、「展望A個室スイート」と「食堂車」の一部を再現した車両を製作したとのことだった(糸魚川観光情報から)。

 「ジオパル」の正面玄関を出たところに展示されていたのは、軽便のSL「くろひめ号」。
 軽便鉄道とは一般的に、軌間が762mmのものを指すのだが、「軽便鉄道法」によると、軌間1067mm未満と定義されている。この「くろひめ号」の軌間は610mmで、一般的な軽便鉄道より15cmほど狭い小さな軽便鉄道だ。