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黒薔薇研究会の真実

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 だから、佐土原も、途中でそんなサークルに嫌気がさした。
 途中から、
「少しでもたくさん、サークル活動を、
「いかにミステリーサークル」
 というものに近づけるか?
 と考えたが、できるわけもなかった。
 そこで、
「部に所属しながら、その中でも、引き抜けるやつを物色し、その人間と一緒に飛び出して、自分たちのサークルを作ろう」
 と考えたのだ。
 そういう意味では、
「最初からサークルを作ろう」
 と思ったわけではなく、
「入ったサークルが、あまりにも情けない」
 というサークルだったことでの、
「独立」
 という意味合いが強く、実際に独立するまでには、少し時間が掛かったが、その時間も、
「結構かかった」
 と感じたのは、佐土原の考えで、他に引き抜けれた人たちから思えば、
「結構早かったのではないか?」
 と思う人もいれば、さらには、
「電光石火のごとくでは?」
 と思った人もいたかも知れない。
 そのことについて言及したことはないので、それぞれがどう思っているか分からないが、それでも、曲りなりに、
「サークルを立ち上げる」
 というめどがつくまでには、確かに時間もかかったのかも知れない。
 しかし、実際に、
「サークルを立ち上げる」
 となった時、
「そのコンセプトをどのようなものにしようか?」
 ということを考えた。
 実際に、サークル活動というものを、
「今までの、ミステリーサークルと同じ路線で言っていいものか?」
 ということは、ずっと考えていた。
 それは、佐土原に誘われて、独立を考えた人たちにも言えることであって、実際に独立が現実味を帯びてきたあたりから、そのことについては、皆ほぼ同じころから、そのことについては、思い悩むようになっていたといってもいいだろう。
 そして、実際に、新しいサークルを立ち上げるために、他3名の、一種の、
「発起人」
 という形が出来上がったのだ。
 部長には、もちろん、最初の発起人としての佐土原が就任するということは当たり前に分かっていたことだった。
 他の、副部長とマネージャーには、あとの3人のうちの2人をあてがえた。
 ここは、正直、
「くじ引き」
 というもので決めたのであり、それくらいは、普通に当たり前のことだと言ってもいいだろう。
 何しろ、
「部長以外は、名目上必要」
 というだけのことだった。
 実際に、所属していたミステリーサークルでも、部長が誰なのかということは分かっていたが、
「他の副部長やマネージャーが誰だったのか?」
 などということは、誰も知らなかったといってもいいだろう。
 副部長に関しては、部長がいない時の代表ということで表に出てくることもあったが、マネージャーに至っては、一切分からなかった。
「年末までサークルにいれば、忘年会などの行事の幹事として、分かることもあるかも知れない」
 ということくらいは分かっていたに違いない。
 だから、
「新しいサークルも大学に届ける時の名目上必要」
 ということでの、副部長やマネージャーの就任だったので、別に、
「名前貸しくらいのことは、なんでもない」
 ということなので、
「就任した人も快く引き受けてくれた」
 と言ってもいいだろう。
 やはり問題は、コンセプトである。
 最初は、ここまでカルトなサークルにしようなどと思ってもいなかったはずである。
 ただ、それは、佐土原も、本意ではなかったといってもいいだろう。
 そして、佐土原と意を同じくして、ミステリーサークルからの、
「離反」
 というものを考えた連中は、少なからず、
「普通のサークルにするくらいなら、離反してまで、新しいサークルを作るという考えに賛同できるわけではない」
 と思っていたことであろう。
 実際に、新しいコンセプトを考えるまでに、すぐにできたわけではない。
 皆、
「方向性」
 というのは、同じ方向だったというのは、間違いないのだが、その度合いというか、距離感というものが難しかったといってもいいだろう。
 というのがどういうことなのかというと、
「今までと同じでは嫌だ」
 というところが一つの方向性であった。
 ここまでは、皆の意見は一致していて、一人が言い出したのは、
「ミステリーや探偵小説を愛でるという考え方はいいんだけど、皆がバラバラの方向を見ているというのであれば、中途半端な気がして、それだと、最終的に、前のミステリーサークルに逆戻りではないか?」
 と言い出した。
 この話に関しては、佐土原も賛成であった。
「なるほど、確かにそれはいえる。特に最初はまだ部員が少ない間はまだいいが、増えてくると、そのうちに、交わりを見せてくるようになると、皆が平均的な方向に落ち着いてしまうのではないかと思えるんですよね」
 というのだ。
 それに対しては、他の二人も同じことのようで、そうなると出てくる考え方として、
「だったら、何かに特化したサークルにすればいいのではないか?」
 ということであった。
「じゃあ、その特化というのは、どういうことにすればいいんだい?」
 という意見であったが、そこで、少し勢いは止まってしまった。
 というよりも、
「段階的な考え方が、少しストップしたかのようだ」
 と言ってもいいかも知れない。
 というのも、
「サークルというものと、特化するということが、いかに結びつくのか?」
 ということであった。
「特化する」
 というのは、何も、
「考え方を狭めればいい」
 というわけではない。
 一つの方向性に向かって進む同志を募るということであれば、それが特化ということになるのであろうが、その方向性が、奇抜なものであれば、基本的には、
「少数精鋭」
 というものが、特化されるものだと言ってもいいだろう。
 ただ、まだ、新しいサークルを立ち上げてから、どれくらいの規模にするかということも決まっていない。
 そういう意味では、
「特化する内容を決めるよりも、まず、どれくらいの規模のサークルにしたいのか? ということを決めた方が、手っ取り場や胃のではないか?」
 ということを、佐土原は考えるようになった。
 そこで、他の3人に聞いてみると、
「そんなに規模が大きくない方がいい」
 ということは、皆の意見の一致であった。
 それは佐土原にしても、
「同じ考え」
 ということであり、その大体の落としどころとしては、
「まぁ、多くて、10人ちょっとくらいではないか?」
 ということであった。
 それも、
「幹部の4人を含めて」
 ということであった。
 そういう意味で、ここまで考えてくると、
「一つのことが決まれば、あとは芋ずる式に決まってくるのではないか?」
 と佐土原は感じていたが、その通りであり、実際に、
「どのようなテーマにしようか」
 ということが決まれば、あとの枝葉も結構早く決まったといってもいいのであった。
「犯罪方法や、ミステリー小説のプロットのようなものを作る」
 ということに特化したサークルがいい。
 それが決まると、あとは、
「部員の制限もいるのではないか?」
 ということも言われるようになった。
作品名:黒薔薇研究会の真実 作家名:森本晃次