黒薔薇研究会の真実
という発想はない。
そういう意味で、子供の出生率が低く、
「少子高齢化」
という時代に向かっている。
ということになるのであろう。
サークル発足
彼ら四人の中の役割というと、一人が部長であり、副部長やマネージャーのような役割というものが存在するが、それはあくまでも、
「ただの肩書」
ということにすぎない。
大学の、
「サークル規定」
というものに、
「部員は、役職を含めて、6名」
ということになっている。
正直。6名というのは結構厳しいように思えるが、そのかわり、部長を含めた3人の役職を必要とするが、正規としての、
「体育会」
「文化会」
という形でなければ、代表者である部長以外に関しては、さほど厳しいものではない。
正規の会としては、副部長、マネージャー職でも、定期的に会合を開き、役割の再確認ということも必要になるが、サークルということであれば、部長という代表者さえしっかりとしていれば、そこまで厳しい規則もないのだ。
だから、
「他の大学の生徒であっても、入部は自由であり、交流も、しっかり開けた形であるといってもいいだろう。
だから、この、
「黒薔薇研究会」
というのも、比較的自由であり、部員の中には、他の大学の学生もいたりするのであった。
だから、大学のサークルということであるが、それはあくまでも、
「大学の施設使用ができる」
ということであり、行動も自由なのだ。
ただ、大学の施設使用料は、サークル負担ということは当然のことであり、それでも、「大学の学生が部長である」
ということで、
「格安で使用させてもらえる」
ということになるのだ。
だから、大学で部室も余っているところがあれば、使用することもできる。それは
「1年契約」
ということなので、
「翌年になれば、部室の場所が変わっている」
ということも普通にあるのだった。
大学としても。
「学生に使ってもらえる」
ということで、しかも有料ということになれば、
「金を出しても、場所を確保したい」
と思っている学生との利害も一致するわけで、うまくできているといってもいいだろう。
このようなサークルは、大小合わせて、分かっているだけで100はあるだろうか?
サークルがこんなに増えたのは、20年くらい前からであろうか。それまでは、テニスやアウトドアと言った、
「運動系のサークル」
が多かったのだが、世紀末くらいから、コンピュータやインターネットの普及から、世の中が、大きく変わったことから、特に、コンピュータを置いているところが少なかったことで、学校の教材用に使っているものを、サークルでも使用できるようにしたことで、その使用頻度が増えたことで、
「文科系」
のサークルが増えてきたということであった。
さらに、当時は、
「バブル崩壊」
という社会事情もあることから、よく言われたこととして、
「サブカルチャー」
というものが、流行り出したのであった。
会社は、リストラに走り、今までのような、
「なんでも平均的にこなせる」
という社員よりも、
「何か一つのことに特化したそんな社員がいい」
ということになってきたのだ。
その大きな理由として、
「リストラが横行してくる」
ということは、
「いつ首が切られるか分からない」
ということであり、それよりも、
「会社自体が危ない」
ということになる。
そうなると、行き場を失って職を探す場合、会社は即戦力を求めるわけであるから、何かに特化した社員を求めることになる。
なぜなら、会社の方としても、
「終身雇用というものがなくなると、せっかく一から育てても、他に行かれてしまうかもしれない」
ということで、
「一時的な使い捨て」
と言ってもいいような社員を考えるようになる。
「そんなひどいことはないだろう」
というかも知れないが、実際にその頃からの会社の体制は、
「正社員よりも、契約社員であったり、派遣社員のような非正規雇用ということが主流になってきた」
ということである。
というのは、
「派遣社員などであれば、いつでも首を斬ることができる」
ということで、
「会社が危なくなると、リストラがしやすくなる」
という理屈が出来上がるわけだ。
しかも、会社は存続のために、
「合併」
などにより、生き残りを図る。
つまりは、同等合併ということはほとんどなく、
「吸収合併」
という形になる。
なぜなら、危ない会社同士が一緒になっても、危険が回避されるわけではなく、大きな会社がバックについているというようなことでもなければ、生き残れないということになるだろう。
もちろん、大手銀行のように、
「大企業であれば、同等合併に近いことが起こるかも知れないが、それも、実際には、優劣がハッキリとしている」
と言ってもいいだろう。
それよりも、
「大企業で、昔でいえば、絶対に潰れないと言われたところが、軒並み合併ということで生き残りをかけている」
ということが、どれほど大きな問題なのか?
ということになるのである。
そんな世の中で、
「夢も希望もない」
と思っている人は少なくない。
バブル時期のような、
「企業戦士」
というほどの忙しさがあるわけではないので、生きがいをサブカルチャーに求めるという人も多いだろう。
そうなると、世間でも、英会話や、スポーツジムなどといった。
「サブカルチャー」
が流行るのだ。
転職のための資格を取りたいということも、そのサブカルチャーブームに拍車をかけているといってもいいだろう。
そんなサブカルチャーのようなサークルが、大学にはたくさんできたのも、この時期であった。
だから、カルトなサークルも結構あり、その中の一つが、この、
「黒薔薇研究会」
だったのだ。
そして、この黒薔薇研究会は、そんなカルトなサークルの中でも、さらにカルトであり、その研究というのは、
「殺害方法」
などということに関しての、研究サークルというものであった。
元々は、
「ミステリーサークル」
という形で、サークルを立ち上げるつもりだった。
その中心にいたのが、佐土原という学生で、彼は大学入学してすぐくらいから、
「いずれは、自分でサークルを立ち上げたい」
という思いを持っていたのだ。
というのも、佐土原は、大学に入学し、さっそく、ミステリーサークルに入部した。そのサークルというのは、本当に、
「一般的なサークル」
と呼ばれるもので、所属部員は結構いたのだが、内容はというと、一種の、
「烏合の衆」
と言ってもよかったのだ。
というのも、真面目にサークル活動をしている人もいるにはいたが、
「ごく少数派」
と言ってもよく、それよりも、
「実質的な多数派」
というのは、他のテニスサークルなどのように、部活の趣旨というよりも、
「合コン」
であったり、
「ナンパ目的」
と言った、
「サブカルチャーの中でも、さらにサブカルチャー」
と言われるような、人によっては、その見え方に不満を感じるようなものだったのだ。