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無限の数学

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「天才と言われた徳川慶喜であっても、時代の大きな流れを止められず、結局、明治維新は、曲がりなりにも出来上がり、天皇中心の、中央集権国家としての、明治政府というものが成立した」
 ということになったのである。
 つまり、
「元々は、公家たちにより、天皇中心の国家であった平安時代まで」
 そして、そこから、180度変わった形で
「武家というものが出てきたことにより、封建制度に基づく、武家政権が成立した時代があった」
 ということで、それが、
「鎌倉時代から、徳川幕府滅亡までの、約650年間」
 というものが成立していたということになる。
 そして、そこから倒幕が起こり、またしても、天皇中心の、中央集権国家ということで、180度変わったことで、
「一見、昔の律令制度に戻った」
 ということを想像するかも知れないが、その態勢は大きく違っていた。
 それは、世界が変わったということもあれば、
「平安時代の昔に戻す」
 ということが、大きな失敗になるということを、
「歴史から学んでいる」
 といえるかもしれない。
 あれは、鎌倉末期のことであった。
 鎌倉時代末期において、
「中国王朝の元」
 いわゆる、
「モンゴル帝国」
 というものが、
「元寇」
 という形で、日本に攻めてきたという事件があった。
 日本は、諸国の兵を集め、何とか撃退することに成功したが、この戦いは、
「日本国においての、国盗りということではないので、相手の土地を奪ったということではない」
 前述のように、土地を保証するというご恩を、幕府が果たしてあげられないことが、悲劇となった。
 国を守るために、兵として集まった人たちは、中には、
「借金をしてでも、従軍する」
 ということになったのだ。
 それはもちろん、勝った時の土地という褒美を期待しているからなのだが、勝つには勝ったが、
「恩賞がない」
 ということで、武士たちは、借金をそのまま抱えることになり、幕府に不満を持った。
 そのために、
「最後の手段」
 ということで、徳政令を出し、
「借金棒引き」
 ということにして、武士を助けたのだが、帳消しにされた金貸しは、溜まったものではない。
 一時的に、武家は助かったが、しかし、経済はそのままなのだから、結局すぐに、武士は困窮してしまう。また金を貸してもらいにいくが、今度は、商人が、
「武士には貸さない。また徳政令が出れば、大損だ」
 ということで、誰も貸してはくれない。
 そこで、武士は幕府に見切りをつけたところで、天皇が、
「この時とばかりに、天皇中心の社会にしよう」
 と考え、倒幕に動いたのだ。
 幕府の方は倒れたのだが、今度は天皇が政治を始めた時、公家を中心に褒美を与え、時代を、
「平安までの昔の政治をしようとした」
 ということで、武士の地位は、地に落ちたということで、結局、またしても、
「武士だけが、ひどい目に遭う」
 ということで、武士の棟梁によって、また幕府を作ってほしいと望んだことで、生まれたのが足利幕府であり、さらに、朝廷が分裂したことで、
「南北朝時代」
 というものができたということであった。
 明治維新後に、武家の不満が爆発し、
「士族の反乱」
 が各地で起こったというのも、それはそれで無理もないことだっただろう。
 それでも、何とかなったのは、
「南北朝時代」
 の教訓があったからだといっても過言ではないだろう。
 南北朝時代というと、元々、
「鎌倉幕府を倒し、朝廷中心の時代にしようとし、武家を蔑ろにsたことから、武家の反感を買い、最終的に、京を追われた後醍醐天皇が、奈良の吉野に逃れ、そこで朝廷を作ったのが、いわゆる、
「南朝」
 であり、
 幕府を開いた足利尊氏が京都において、作った朝廷が、北朝として、権威をふるったというのが、
「南北朝時代」
 ということである。
 そもそも、考えれば、
「南北朝時代」
 とまではいかなかったが、古代においても、中大兄皇子が即位し、天智天皇となったが、その弟と、息子の間で起こったいざこざから、弟の方が、京を離れ、逃れたところが、
「吉野」
 であった。
 その後、天智天皇の死後、この二人に戦が起こり、吉野に逃れていた方の。弟である、
「大海人皇子」
 が勝利し、大津宮に凱旋したことから、都に戻って、
「天武天皇」
 として即位したのであった。
 この戦を、
「壬申の乱」
 といい、古代戦争としては、
「最大のもの」
 と言われているのであった。
 朝廷は、時々分裂することもあったが、結局は一つになり、それが、その戦において、
「分岐点になる」
 ということでもあったのだ。
 しかし、徳川幕府が滅び、時代は、
「欧米列強に、追い付け追い越せ」
 ということになると、
「もう、武士の時代ではない」
 ということで、政治体制なども、
「欧米列強に習う」
 ということになるのであった。
 当然、武士の世の中というのは、終わりを告げる。
 刀での斬りあいなどという時代はなくなるわけであり、それ以降は、
「大砲」
 であったり、銃剣などという近代の武器を装備した、
「国としての軍隊」
 というのが必要となるということであった。
 だから、
「180度転換したことが二度起これば、同じ状態になる」
 ということはありえないといえるであろう。
 世の中というのは、
「マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる」
 という、
「数学の公式通りにはいかない」
 ということを示している。
 特に、もっと言えば、
「この問題は、時代を網羅するという、次元の問題をはらんでいる」
 といってもいいだろう、
 それを考えると、
「一周回って」
 ということがどういうことなのか? ということを考えさせられるというものである、

                 恐怖症

「マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる」
 というのは、
「一周回って、元の場所に戻ってくる」
 という発想と似たところがあるのではないか?
 と考えられる。
 しかし、
「時空の捻じれ」
 という発想があるのだが、それを考え、異次元を創造した時、
「メビウスの輪」
 であったりする、
「時空の捻じれ」
 という発想が、現実味を帯びてくると考えた時、
「一周回っても、同じところに戻ってくる:
 という発想はありえないのではないか?
 という考え方をしている場合もあるというのであった。
 特に、
「タイムパラドックス」
 というものにおいて、この問題がいかに難しいかということを考えると、
「過去に行った時のタイムパラドックス」
 というものを考えさせられることがあるのだった。
 というのは、
「自分が過去に行った時」
 ということで、
「過去を変えてはいけない」
 ということを考える。
「過去に行って、過去を変えてしまうと、ビックバンが起こって、宇宙が破滅する」
 などと言われたことを思い出した。
 もちろん、大げさなことなのだろうが、
 それこそ、
「タイムパラドックスというものを引き起こしてはいけない」
 という教訓のようなものだということなのであろう。
 一つ言われていることとして、
「親殺しのパラドックス」
作品名:無限の数学 作家名:森本晃次