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なんちゃって犯罪

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 というものに、安い給料で、賄えるところは賄えさせるという、会社にとっての、
「経費節減」
 というものができているというもおのだ。
 そうなってくると、
「社員を厳しく育てるということがなくなり、正社員が、なだめながら、派遣社員をうまく使って、仕事をさせる」
 ということになるのだ。
 だから、メールでの指示伝達というのも当たり前のことになり、逆にその方が、
「言った言わない」
 ということでの証拠が残るという意味でも、
「メールによる伝達」
 というものが、普及していくということが、本当に主流になってくるといっても過言ではない。
 それが、そのうちに、
「便利なネット社会が、下手をすれば、命取りとなり、ウイルスの餌食になりかねない」
 ということになるであろう。
 そんな時代における
「メールのやり取り」
 を、便利にすることを許さない連中がいた。
 やつらは、その、
「便利なアイテム」
 というものを、自分たちに都合のいいものということで扱うようになったのだった。
 そのアイテムというのは、
「専門家の集まり」
 としては、これほどありがたいものはない。
 なぜかというと、
「コンピュータの時代」
 というのは、その道のスペシャリストであれば、これほど扱いやすいものはないのだが、
「古い頭で凝り固まった人間からすれば、これほど、厄介なものはない」
 といってもいいだろう。
 だから、パソコンが普及してきた時代においては、
「ある程度仕事をこなしてきた中高年くらいになると、自分たちの時代の人間では、使いこなせない」
 という人間と、
「学校でしっかりと勉強してきて、パソコンという武器を使って、これからの世の中を乗り切っていく」
 という両極端な人間が生まれた。
 パソコンが得意な人間は、
「ウイルス作成」
 という難しい任務に従事する人間を、お金という餌を使い、
「いくらでも、お金は手に入る」
 という甘い状況を見せておいて、
「社会の役に立つための就職」
 というそれまでと違い、社会は、ちょうど、
「バブル崩壊」
 という時代になってしまったせいもあって、
「何と理不尽な」
 ということを思わせる時代であった。
 何といっても、バブル崩壊となる数年前は、逆に職探しをしている学生にとっては、
「売り手市場」
 だったのだ。
 何といっても、
「事業を拡大すればするほど儲かる」 
 という時代で、だから銀行も、
「過剰融資」
 などというものを使い、
「バブル崩壊」
 などということは、夢物語ということで、想像もしていなかっただろう。
 しかも、
「銀行は絶対に潰れない」
 という、
「金融機関の不敗神話」
 というものを、真剣に、そして真面目に信じていたに違いない。
 だから、銀行は簡単に、
「過剰融資」
 というものを行い、そして、実際に自転車操業の油が切れなかった来ていることにも気づかないということになったのだった。
 だから、どんどん社員を雇い、事業をどんどん拡大することに躍起になるのだった。
 もし、少しだけ、
「怪しい」
 と思った人がいたとしても、
「一時的なものでしかない。すぐに景気が良くなり、今までのように、儲かるに違いない」
 というように信じて疑わない人がほとんどだったということであろう。
 だから、
「バブルの末期は、人手不足だった」
 ということで、その人手不足を解消するために、
「企業は優秀な人材をつなぎとめておくことに必死だった」
 ということである。
「人材はいくらいてもいい」
 というくらいに、内定者を、
「一人として手放したくない」
 ということになる。
 つまり、内定者を全員足止めする必要があるわけで、中には、いくつもの内偵をもらっている社員もいるだろう。
 大企業であっても、他にもらった会社が自分のところよりも格が上の会社だってあることだろう。
 つまり、
「いくつもの一流企業から内定をもらっている」
 という優秀な人材である。
 そのために、入社前に、
「研修と称して、海外旅行に連れていったり、下手をすれば、クラブでの接待のようなこともしていたに違いない」
 人材を引き留めておくことは、得意先から仕事を請け負うよりも、もっと大切なことではないだろうか?
 といっても過言ではない。
 それを考えると、
「どんなことをしてでも、人材を逃すわけにはいかない」
 ということで、入ってきた新入社員は、それこそ、ぬるま湯に浸かったかのような社員だったのだ。
 しかし、数年たてば、その立場はまったく変わってしまう、
「ぬるま湯」
 だった彼らは、今度は逆に大きなしっぺ返しを食らうことになる。
 というのは、
「バブル崩壊」
 という煽りを食うことで、会社は、
「収益が得られないのであれば、経費節減しかない」
 ということで、一番の、
「金食い虫」
 である人件費を削ることを手始めに考える。
 それが
「リストラ」
 というものであり、そのやり方として、ターゲットに上がるのは、
「数年前に、甘い汁を吸わせた連中」
 というものが、一番のやり玉にあがるだろう。
 ある程度の給料も保障して入社させたのだから、かなりの条件で入社にこぎつけたはずだ。
 そうなると、今度は、その給料分が、
「もったいない」
 ということになるのだ。
 今までラクをさせていた分、今度は、そのツケからか、一番最初のリストラ候補になるわけだ。
 彼らは、
「将来の幹部候補」
 ということで雇ったのであって、今はまだ、そのための研修期間だというようなものであった。
 しかし、実際には幹部候補として雇ったはずなのに、まだ、第一線で仕事をしているのだ。
「同じ成果であれば、給料が安い連中を残す方がいい」
 ということで、このままの経済であれば、幹部候補とはいえ、給料を食いまくっている連中を残すことで、目先の商売が先ゆかなくなっているので、そういう意味では、
「リストラ候補」
 というと、まずは、
「金食い虫から」
 ということになってしまうことであろう。
 そんな人たちから、会社は、遠慮なく切っていくのだ。あれだけ、会社は、
「必要な人材」
 ということで、囲い込みに走ったはずなのに、社会が変わったことで、会社も容赦しないということになる。
 そうなると、今度は、
「優秀な人材」
 というものが、
「失業者」
 ということで、社会に溢れることになる。彼らは会社から、
「余剰人員」
 ということではじき出されたのだ。
 もっとも、それは、
「最初にはじかれた」
 というだけのことで、残った人たちも、そのうちに、どんどんリストラ対象にされてしまう。
 段階を経て、どんどん人員が減っていき、そのうちに、
「早期退職募集」
 などということで、
「今のうちに、自分から退職を言い出せは、退職金は、少し色を付ける」
 ということであった。
 確かに、どんどん会社から段階を経て人が辞めていくというのを見せられると、会社側も、
「冗談ではない」
 ということで、
「いずれは自分が」
 と怯えながら、仕事をしなければいけなくなる。
 そして、いつの間にかリストラ対象となり、いきなり、会社から首を言い渡される。
作品名:なんちゃって犯罪 作家名:森本晃次